の
た
め
の
邪
魔
な
広
告
よ け ス ペ ー ス で す。
2005年6月30日(木)
<<思い当たる節>>
開講期間中は講義だの何だのとあって気ぜわしいのだが、色々次の予定も押し
ているから早く読んでしまおうと思っている論文が中々進まないとなると、余
計に気ぜわしい気分になる。大体偉い人の論文ほどいい加減に書いてあったり
するもので、定理は正しいけれど証明が無茶苦茶だったりする。結局自分で証
明を付け直すつもりで、ゆったり構えていかないとどうにもならない。ゆった
り構えてられない時にゆったり構えなければならないのは、結構大変なのであ
る。
そういえば、2年前だったか偉い数学者のモノグラフの出鱈目証明のオン パレードでひと夏潰し、結局何にもならなかった。あのオッサンの論文なんか 金輪際読んでやるものかと決心したけどね。別の数学者の本には、この分野 の研究を志す者はまずこのモノグラフを読むべきである、などと書いてあったけど、 お前、自分で読んでから言ってるのか?アホ!と言いたい。あー、思い出した ら腹が立ってきたな。
本日の義務は、午後のC言語とUNIX演習のみ。今日は少し腰をすえて 論文の解読をと思ったけれど、あの、どこから手をつけて良いやら途方に暮れ る意味不明の(出鱈目のようにも思える)証明を思うと、その解読のために半 日潰す前にやっておかないといけない事があったかしらと思い返してしまう。 これが命取りなのである。
思い返すと必ず思い当たる節があり、結局21時過ぎまで大学に残って、 明日の線形代数の講義の予習と、来週の微積分演習の小テストの問題作成に励 むこととなる。しょうがない、こうなったら教育の仕事の合間に研究するしか ない!と、トイレに立ったり、ちょっと仕事の手を休めている時に、例の(出 鱈目のようにも思える)証明を頭の中で反芻したり、演習問題みたいな ものをひねり出して解いてみたり。うーむ。少しは状況がわかってきたけれど、 まだ先は通そうである。
帰宅後も解読作業を進めようかと思ったが、山のようなゲーテの宿題に少 しは手を付けておかないと明日の晩が大変と思い、ドイツ語。解読作業は 睡眠中に進めることにする。
2005年6月29日(水)
<<丁稚奉公>>
午前はその日暮らしの留学生数学。その日その場に行ってみないと何をやるか
わからないから「その日暮らし」なのである。昼休みは某旧制帝大数学教室の
教授の名前を片っ端からMathSciNetにぶち込み、過去数年の出版論文の件数を
調査。ついでにA.ワイルズさんの出版件数も調査。何故そういうつまらない
事をやるかというと、もっとつまらない事を考えている人にそれが如何につま
らない事かをご理解頂くためである。
教室主任見習いの丁稚奉公を始めて3ヶ月。ひとつ分かってきたことは、 大学の学内行政の仕事の大半は、つまらない事を考えている人にそれが如何に つまらない事かをご理解頂くための仕事である、ということ。人間誰しもつま らない事は考える。しかし、つまらない事がつまらないとすぐに理解できる人 がどれだけ居て、それがどれだけ実際の施策に反映するかが大学の良し悪しを 測る優れた物差しになる、というのが私の仮説である。
午後は1回生微積分演習。全力疾走のO坂先生の御英断(?)と手腕によ り、本日教室会議は無し。部屋でしばし雑用の後、いつもより早めに帰宅。夜 は少し数学。技術的に今後の研究の土台となると想定しているちょっと古い論 文読み。そういう論文に限って誤植だらけで雑に書いてあったりして、なかな か進まないな。
2005年6月28日(火)
<<工業大学>>
午前中や自宅および山科区内で野暮用を少し。昼頃出勤し、K川先生が蕎麦を
食べるのを眺めながら昼食。午後は院生O君のMatsumuraゼミ。ひきつづき会
議。こういうつまらない議題でわざわざ会議を開くかよ?という気の抜けた会
議。しかしこういう一見ほとんど無意味な会議というのは、会議を通さずに何
時の間にか上層部の何処かですっと決まってしまう重大事項をカモフラージュ
するという、立派な目的を持っていると思われる。
一緒に会議に出ていた全力疾走のO坂先生は、今日の今日まで京都産業大 学が公立大学だと信じていたようだ。たぶん、大阪工業大学、室蘭工業大学、 広島工業大学、九州工業大学、千葉工業大学、金沢工業大学、芝浦工業大学、 日本工業大学、北見工業大学、武蔵工業大学、久留米工業大学、大同工業大学、 埼玉工業大学、相模工業大学、西日本工業大学、愛知工業大学、名古屋工業大 学、東京工業大学、足利工業大学はぜーんぶ国立大学(大学法人)か公立大学だ と思ってるんだろうなあ。まあ、いいけどさ。会議の後は、金曜日の線形代数 の小テスト問題作りやその他の雑用。深夜、少し数学。
2005年6月27日(月)
<<誤魔化す>>
暑い研究日。まず朝9時に歯医者。それから暑い中を銀行回りして、帰宅後す
こし横になったらふっと気を失って、我に返ったのは昼過ぎ。寝不足風邪気味
が祟ったか。野暮用の後1時間ほど数学。その後再び自宅および山科区内で野
暮用。こう野暮用が続くと歩きながら数学をするしかないな、と。
夕方野暮用が終わり、その勢いで気晴らしに京都駅近辺へ。週に1日だけ の研究日に気晴らしなんかしてて良いのか。うーむ。こうなったら気晴らしし ながら数学をするしかないな、と。近鉄プラッツ内新星堂でNAXOSの10 00円CDを2枚購入。勿論シューベルトのピアノ曲。その辺で夕食を適当に とってから、アバンティーブックセンターや地下のハロー・キティーの店を冷 やかして、地下鉄烏丸線・東西線経由で帰宅した頃には、昨夜から悩んでいた 小さな疑問が解けていた。まあ、ある論文の証明の行間が1つ埋まったという だけのことだが。夜は2枚のCDを聴きながら数学。
つまらない疑問はちょっと考えてさっさと片付けたいものである。それが 出来ない場合、下手をするとそれだけ考えて一日が終わったなんて事になりか ねない。なあにまだ人生はたっぷりあるさという訳でもないとなると、大山鳴 動して何も得られずではちとしんどいではないか。そこで、野暮用だの気晴ら しなどを適当に織り交ぜて、今日は色々やった。ついでに小さな疑問も解けた。 めでたしめでたし、南無阿弥陀仏で一日を終えようという魂胆なのである。
しかし考えてもみよ。数学とは生命の燃焼なり!仏に会えば仏を殺し、疑 問に出会えば疑問を潰す!まる一日全身全霊でもって数学を考えた、そして何 も得られなかった。それで良いではないか。一日を「空費」するのが怖くて数 学以外のものを織り交ぜて誤魔化してしまおうとは堕落も甚だしく、”冬の旅” よろしくひどく真面目な怖いお兄さんがやってきて「そんなに堕落してまで生 きている資格があるのか?」とぶすりとやられる事になっても致し方ないので はないか。まあ、いいや。最近ちょっと頭がおかしくなってきてるので、 こういう数学と直接関係無い事を根を詰めて考えるのはよそう。
2005年6月26日(日)
<<てくてくてくてく>>
猛烈に蒸し暑いカラ梅雨。午前中はたっぷり睡眠を取ろうとしたが、蒸し暑さ
のあまり目が覚める。だるい体に鞭打って、夕方まで山科区内を東に西にはてま
た南にてくてくてくてく歩いて野暮用の日曜日。夏風邪の兆候か、ちょっと喉
が痛い。さらには、近頃少しコーヒーの飲み過ぎ気味で、胃の具合もよろしく
ない。野暮用の合間にゲーテの宿題の一部を片付けたり、山科駅前SBUXに
しばし潜伏して論文を読んだり。夜は少しシューベルトを聞いて景気付けして、
数学。
てくてくてくてくとはすなわち車を持っていないということである。正確 には10年以上前に車を捨てた。車を持たない理由は色々ある。 以前書いたような気もするが、もう一度書こう。 一番大きな理由は、車というのは駐車場だの車検だのガソリン代だの事故の心 配だのと色々面倒臭いからである。乗り物に乗っている時はぼんやり数学など を考えてみたいものだが、ハンドルを握っているとそうもいかない。オースト ラリアあたりだと、夕食後数学を考えたくなったら車に乗ってまっすぐ西に走 り、何時間かして考えがまとまったら、今度はUターンしてまっすぐ東に走り 自宅に戻る、なんて事ができるらしいが、ここは狭苦しい京都である。面倒臭 いわ数学研究の邪魔になるわでいいとこ無しという点では、車は高額の科研費 と同じである(科研費も小額なら旅費等に使えて便利だが)。
二番目の理由は、気が短いからである。例えば夜走っていて暴走族に囲ま れたらどうするか。昔のカミナリ族や初期の暴走族は根性入れて猛スピードで 突っ走ったが(ああ、また年寄り臭い昔話!)、近頃はブンブンと音だけは立 派だけど身の安全を考えての徐行運転である。 こういう時は邪魔だから踏み潰して突っ切りたいものである。あとは、幅寄せ だの何だとの嫌がらせをして喜ぶ柄の悪いドライバーも居る。こういうのは赤 外線追尾装置付きミサイルでもぶっぱなして懲らしめるべきである。それやこ れや考えると、最低限装甲車ぐらいは欲しいところだ。うん、装甲車じゃない と乗る気がしないな。では装甲車をどこで手に入れるか?そのメンテナンスは どうするか?暴走族を踏み潰したり柄の悪いドライバーをミサイル攻撃したり したら警察は黙ってないだろうな。否その前にミサイル積んで道路走っている だけで何だかんだ言われそうだ。こういう事をつらつら考えると、あー、面倒 臭い!という事になり、やはり車を持つ気が起こらないのである。
2005年6月25日(土)
<<バンジージャンプ>>
ゲーテの日。2週連続でパネルディスカッションなんかやられた日には、「数
学脳の恐怖」症候群の治療を通り越して、本格的な人格崩壊に至りかねない。
加齢に伴う自然で緩慢な人格崩壊現象をことさら加速させることは、まさに危
険なゲームにほかならず、平穏無事なるゴミのような私の人生に対する重大な
る挑戦であると言わざるを得ない。本当に京都タワーのてっぺんからバンジー
ジャンプしてしまうかも知れないし(すればいいじゃん)。しかも、バンジージャ
ンプが私の人生に如何なる意味を持つかもわからないままに(意味なんて
どうでもいいじゃん)!!というような
事をそこはかとなく考えながらゲーテへ。しかし幸い今日はドイツ語の法廷用
語の演習問題の答え合わせ、禅僧G氏の講話(Referat)、再帰動詞な
どのドイツ語文法の講義と演習をやって終わる。やれやれと安心する気持ちと、
なんだつまんないのという怖いもの見たさが半分ずつといったところか。
夜は2週間ぶりのスポーツクラブ。夜中は少しドイツ語の復習と膨大なる 宿題着手(はどうせ来週の金曜日の晩だろうけど)のための準備を少し。
2005年6月24日(金)
<<治療>>
蒸し暑いカラ梅雨。日大の月曜セミナーから帰ってきたと思ったら、もう金曜
日である。午後一番で元気の無い3回生外国書購読。ひきつづき居眠りがきつ
い情報理工1回生の線形代数。その後部屋で少し雑用をやってから、院生O君
のホモロジー代数ゼミ。それやこれやの合間は、来週の線形代数の小テスト問
題作成など。
夜は大慌てでドイツ語の宿題。最近は何やかやと忙しく、ゲーテはいつも前 日のやっつけ仕事。 ゲーテとスポーツ・クラブを無しにしたら、土日にもっと研究ができるはずだ けど、例えばゲーテはボケ防止と「数学脳の恐怖」病の治療の観点から、外せ ないな。
2005年6月23日(木)
<<攪乱技術>>
昨日の留学生数学で説明した微積分の演習問題の解答の一部が嘘
であることが、昨夜遅く突然ひらめいた。アドリブで解いて、それを授業
で説明している時からずっと、コレ何だか変だなあ、気持ち悪い論理だ
なあ、何か間違ってるような気がするんだけどなあ、でも最終的な答は
正しいはずだという気がしてたのだが、まさにその通りだった。
ああ、馬鹿な先生に数学を習っているかわいそうな留学生たち!
来週の授業で訂正する手もあるが、ちょっと急いだ方が良さそうだ ということでいつもよりも早く出勤し、学生呼び出しをかけて訂正版の 解答プリントを事務の方から手渡してもらう手配を済ます。 ああ、馬鹿な先生の尻拭いをさせられるかわいそうな事務職員の人たち!
でも、最初から最終的な解を正確に予想し、さらに途中の解答過程 について「これは何か間違っているような気がする」と気づいていた 自分はまだマトモじゃないか、と自分を慰めたり、いやいや何かおかしい と思いながらそのまま突っ走ってしまうようじゃあ、マトモじゃないと 自分を責めたり。忸怩たる思いを抱きつつ、午後は経済学部2回生C言語 とUNIX演習。今日は受講者1名。
それ以外は 論文読み。最近はもっぱら論文の乱れ読みをしているのだが、今日は技術的な基礎 になる論文を一行一行丁寧に読み進める。夕方は野望と戦略の策士A堀先生 の部屋で、久々の密談。ちょっと前から気づいていたのだが、A堀先生の 話は主語や目的語が省略されていて発言の意味がよくわからない 事が多い。これはおそらく、密談を盗み聞きされても内容が簡単に わからないようにするための攪乱技術のひとつではないかと思う (と、最後にはA堀先生にとばっちりが飛んでゆく?)。
2005年6月22日(水)
<<びびる>>
午前中は留学生数学。今日は事前のリクエストが何も無かったので、その場で
質問なりリクエストを募集したところ、彼らが受講している微積分演習の
結構難しい問題を解かされる
はめとなった。まあ、(私の)勉強になっていいですけど。午後は数理科学科1回生の
微積分演習。ひきつづき教室会議。全力疾走のO坂
主任は、いまやすっかり会議進行のプロに成長した模様。沢山の議題がてきぱ
きと片付く。
それやこれやの前後は、某論文に書かれた不思議な定理で悩む。証明を眺 めても特におかしい所が見当たらず、さりとて明らかに矛盾してるようなステー ト・メント。何か私、とんでもない誤解でもしているのかしら。しかし、これ で悩んで半年潰すぐらいなら、今度著者に会った時にでも質問してみた方がよ いかも。
演習やゼミの発表で間違った事や的外れな事を喋って先生に厳しく突っ込 まれてボコボコにどつき回され、お前は駄目!頭の中がバグ!という烙印をひ りひりと背中に感じつつ、とぼとぼと下宿に帰った日々はもう20数年前のこ とである。しかし、いまだに数学者の前で何かを質問したり話したりする時、
これは、こうでしょ!?
当たり前じゃないの(怒)!!」(再々出)
秀才はこういう烙印体験が無いから、数学者になってからも気軽に他の数 学者に疑問をもちかけ、議論をするのであろう。そういう意味では、秀才に生 まれるとトクなんだろうね。でも、多くの数学者は上記発言例のように 怒鳴り飛ばされた場合に備えて、ちゃんと受身の用意をしているような モノの言い方を身に着けている。「えーと、多分明らかな事なんでしょうけど」 とか「つまらない事を聞いて申し訳無いんですけどー」とか 「ちょっと考えれば誰でもわかる事なのかも知れないのですが」とか 「何か私、全然わかってなくて頓珍漢な事を言ってるのかも知れませんが」とか いう言い回しが、それ。
2005年6月21日(火)
<<人前で話す>>
午後は院生O君のMatsumuraゼミ。その前後は、日大セミナーで教えてもらっ
た文献を図書館でコピーしたり、部屋で眺めたり。近頃ますます強く思うこと
には、研究の成功失敗はほとんど問題の筋の良し悪しで決まる。私が考えよう
としている事は、筋の良い事なのかしら?筋の良さそうな方向は、大抵誰かが
既に研究しており、何かしらの結果が論文として出ている。しょうがないから、
ちょっと観点を変えてみてなんて調子でやっていると、どんどん話の筋が悪く
なって行くような気がするな。しかも筋の悪い問題の泥沼にはまると、それだ
けで1年ぐらい簡単に時間を空費しかねない。この悪循環は断たねばならない
と思う。まあ、自分が考えている事をなるべく人前で話すようにすると、色々
な事を教えてもらえて参考になるし、自分が今つまらない事を考えているかい
ないかも少しは判断しやするなるであろう。今まで独りで悶々と考える事が多
かったけれど、できるだけ機会を見つけて人前で話すようにしないといけない
かもね。
2005年6月20日(月)
<<ちょっと感動>>
夜遅く日大特異点セミナーから帰宅。先週は色々精神的に荒んでいて研究でき
る気分ではなかったけれど、やっと復帰したって感じ。
セミナーでは、私が興味を持っている一連の問題について、よく知ってい そうな人から色々情報を得ることができた。予想通りというか、私が考えてい たような方向で既にいくつかの結果が論文として出ているようだ。今日教えて もらった文献を調べて、まだ残っている問題があるかどうか考えることにしよ う(難しい問題しか残ってないような予感もしないでもない)。それと同時に別 のテーマでの問題捜しも本格化させないとね。
それから今日のセミナーでは、数学者と計算機科学者の共同研究として、 ニューロ・コンピューティングによる学習理論で重要な役割を果たすある関数 を、新谷・佐藤・アティヤetc.の(?)ゼータ関数の結果や広中の特異点解消 定理などを援用して、極めて具体的に決定するという話があり、ちょっと感動 した。詳しいことは理解できなかったけど、若しもこういうタイプの研究がさ まざまな方面でごく普通に行われるようになり、数学と数学以外の分野の間の 風通しが良くなれば、昨今益々厳しくなっている数学に対する圧力も解消され、 数学者、特に純粋数学の研究者は今よりうんとハッピーになれるんじゃ ないかと思う。
2005年6月18日(土)
<<数学脳の恐怖>>
ゲーテと野暮用の土曜日。スポーツ・クラブは無し。
先週は何だかんだと結局ドイツ語の勉強はできず、昨夜遅くと今朝に大慌てで 宿題をやっつけて、どうにか午後のゲーテに間に合わせる。今日はクール・ビ ズについてのパネル・ディスカッション。コイン投げの結果賛成派のグループ に割り振られる。あくまでドイツ語レッスンのためのゲームなのだが、今日の は猛烈に疲れた。これは先生が「もっと白熱した雰囲気を出せるように」と、 前回よりもよりリアルな議論になるような演出を工夫されて、それが見事に功 を奏したからである。
かように立派に成功した授業ではあるが、議論嫌いの私にリアルな議論は 禁物であり、激しい後遺症に苦しむこととなる。それはどんな気分かというと、 その辺で機関銃を乱射して、どこかの図書館にでも行ってそこの本棚を全部ひっ くり返して、四条河原町で巨大スピーカーをつかって「どあほ!!」と500 回叫び、京都タワーのてっぺんからバンジージャンプをやってから、エチル・ アルコールを点滴して深い眠りにつきたいという、破滅願望の噴出である。
なんでそうなるのか?数学者の悪い癖として、自分が組み立てた論理に誤 りが無ければ、それが絶対の真理だと信じてしまう習性がある。自分の意見と 対立する意見があるとすれば、それはとりもなおさず自分の論理に誤りがある か、相手の論理に誤りがあるかのどちらかである。自分の論理を再点検しても どうやら誤りは無さそうに思える。しかし相手は相変わらず自分と対立する意 見を主張している。それではあなたは、私の論理の何処が間違っているという のですか?と問いただしても、相手はきょとんとして私の質問には 答えず、相変わらず自説を主張するばかり。 そうなると、もうキレるしかない。
これは、こうでしょ!?当たり前じゃないの!」(再出) と。相手が学生だと、まあ、学生だからしょうがないなと大目に見るけれど 「この学生は駄目だ」と心の 中で大きな×印ぐらいはつけている。何が「駄目」で何の×印か は、自分でもよくわかってないけど。相手が学生でないとなると、「こんな馬 鹿の相手なんかしてられない!」となる。これがドイツ語のレッスンだと、上 の台詞をドイツ語でどうやって言えばよいのかしらと戸惑っているうちに発言 のチャンスを逸し、嫌がおうにもフラストレーションが爆発的に蓄積される。い ずれの場合も、ああ、つまらない時間を過ごしてしまったという深い後悔で破 滅的な気分になってしまう、といったところであろうか。これを「数学脳の恐 怖」と呼んでおこう。
数学者ってよく、「頭がおかしくて、まともに議論できない連中」だって 言われる。まったくその通りだな。でも、まあ、俺はマトモさ。 何せ数学科落ちこぼれで長い間会社 員やってたし、数学始めたのもごく最近だからね。教室会議で も、「これは、こうでしょ!?当たり前じゃないの!」なんて威勢良くわめい ている同僚に、まったく数学脳には困ったものだ とか思いながら、「どこが当たり前なんや!?無茶苦茶言うな!」と突っ 込みを入れてるぐらいだし。しかし、そう思っていた私がまさに「数学脳の恐 怖」状態に陥っているのである!この事実を発見して、今日は愕然としてしまっ たな。このまま数学脳を抱えてボケて行くのは、耐えられない!何とかしなければ (もう手遅れか?)。
明日の夕方から東京出張。次回更新は月曜の深夜以降。
2005年6月17日(金)
<<勘定が合わん>>
午後一番は元気の無い3回生外国書購読。引き続き居眠りのきつい情報理工学
部1回生の線形代数の講義。今日は授業アンケート。回収したアンケート用紙
をぱらぱらっと見たところ、過半数が「分かりやすく満足できる講義」と評価
してくれる回答だったので、ちょっと気を良くする。はてな。
でも、過半数の学生は毎回教室で爆睡しているけど。勘定が合わんぞ。
引き続き院生O君のホモロジー代数ゼミ。その後生協で夕食をとり、うち の大学も色々大変な事になっている関係で、夜は某会合にちょっと顔を出す。 帰宅後は、大慌てで明日のゲーテの最低限の宿題をやっつける。
てな事で、今週じゅうに読み終えようと思ってた論文は結局読めず。
2005年6月16日(木)
<<彌永昌吉>>
数学には心の平穏が必要である。学生にぶち切れたり、会議で発言しまくったり
するのは、月0.75回以下というのが私の安全基準である。しかるに昨日はたった
1日で、
学生にぶち切れ2回と会議での発言しまくりを全部やってのけたのである。これ
で翌日平気で居られる程私はタフではない。
昼頃出勤。生協で昼食後、明日の講義の準備など。 午後はC言語とUNIXの演習講座。2名の受講生は最初予定していた プリント課題を全て終わりそうな勢いなので、大急ぎで追加課題の手書きプリント を作って渡す。「先生。これ、結構難しそうですね」「ええ、これで2,3週間の たうち回ってもらえれば幸いです。」
この授業のあと、いつもなら大学に残って仕事をするのだが、今日は 気分がのらず、そこそこで切り上げて京都駅アバンディーへ。本屋をふらつき、 その辺で夕食を取ってから帰宅。岩波書店「若き日の思い出」(彌永昌吉)を 購入。中学校の数学の教科書が「東京大学名誉教授彌永昌吉編」となっていた ので、私が最初に覚えた日本人数学者の名前は岡潔でも高木貞治でも関孝和でも なく、彌永昌吉である。最近の大学人は日々つまらない事ばかり考える、あるい は考えさせられている。別に昔が全て良かったとは思わないが、 たまには昔の大学人の話でも読んで、ちょっと気分を今の時代から引き離してみ ようか、と。
夜はここんところ遅々として進んでいない論文読みをぼつぼつ。