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よ け ス ペ ー ス で す。

2011年4月30日(土)
<<可哀そうな人>>
昨日あたりから、少し風邪気味。午前中はすこし数学。昼過ぎに山科区内に買い物 と野暮用に出て、そのついてにその辺で適当に昼食。ラクト山科の大丸デパ地下で 売っている鰻のかば焼きには、法外な値段がついていた。なるほど、やはり鰻 は今高騰しているようだ。

それから昨日開店したニトリを偵察した。私は♪よ〜りど〜り ミ・ド・リ♪のCMが頭にこびりついていて、ニトリはミドリの事だという気が してならなかったのだが、♪お値段以上、ニ・ト・リ♪というCMを思い出して、 やっとニトリとミドリが別のものとして受け止められるようになった。

こびりついた思考が頭から離れない、ということはよくあることだ。 数学の世界でも生臭い派閥争いがあるそうで、弱小派閥は花形分野の大派閥 から言われなき軽蔑の眼差しを浴びるにとどまらず、人事でも割を食い、 優秀な学生も滅多に入ってこない。のほほんとしていたら、たちまち潰される。 いきおい派閥の団結は高まり、派閥を守るために戦闘的な思考が形成される。

今はかなり花形分野になっている数学の某分野では、かつての不遇な時代の 記憶のゆえか、ある世代以上に異様に派閥意識に凝り固まった人がいたりし て、ほとほと閉口したことがある。可哀そうな人(たち)だとは思うのだが、 自虐の海に沈む一匹狼ならぬ一匹座敷童の俺サマ対して、派閥意識を持ち だすのは見当違いもはななだしい。こちらとしては、酔っ払いにからまれて いるようなものなので、それなりに厳しい態度で対応したものである。

かく言う俺サマも、計算機科学屋時代は超「弱小派閥」の人間で、 (旧)情報学科時代にはずいぶん辛酸を舐めさせられたわけだが、その時に 身についた思考はいまだにこびりついて離れない。大派閥の連中が また良からぬことを始めて、俺サマに割を食わせようとしてるんじゃないかと、 常に神経のどこかをピリピリさせていて、おかしな動きがあれば、直ちに釘を さして食い止めよう、と。ああ、これって、例の派閥意識むき出しオヤジと同 じじゃん!俺タチって、実は「可哀そうな人」同士の近親憎悪だったのね、と。

帰宅後、しばし野暮用。夕方、また少し数学。夕食後、夜はラクトスポーツ プラザへ。連休のせいか、人は少なかったが、久しぶりに強い爺さんが来て いた。歯医者のコーちんも、八百屋のア太郎も来ていた。勿論彼らが歯医者や 八百屋だという意味ではないが。

スタジオレッスンの方では、今日もまろやか海老蔵が来ていた。海老蔵からあの とんがった感じを無くすとこの男になるので、まろやか海老蔵なのである。 そういえばここんところ、ロードランナー逆走男を全然見掛けない。奴は京大の 理学部か農学部の関係者のはずだが、京大でも見掛けない。奴が全然来ないと なると、JOBAの上で景気づけに悦びの踊りを踊ろうという気もなかなか 起こらない。だって、それって何だか帰らぬご主人を待つビクター犬か 忠犬ハチ公みたいで、悲しいじゃん。

2011年4月29日(金)
<<馬鹿話>>
10時過ぎに自宅を出て、13時半頃津に到着。まずは津駅西口、 鰻のD亭で昼食。「原材料高騰につき値上げします」との表示あり。 よろしい、鰻丼のためなら金に糸目はつけませんよ。

昼食の後、津の街をぶらぶら歩き、中学・高校時代の思い出に耽り ながら別荘に到着。昨年9月以来なので、雨戸など全て開け放って風を入れ、 部屋に掃除機をかけ、土間を掃き清め、玄関の植え込みの手入れをする。

夕方頃、一通りの作業が終わったので、自転車で偵察飛行に飛び立つ。 今回は小中学校時代のテリトリーを中心に丹念に回る。ああ、そういえば、 偵察飛行は大学の数学科のゼミで吊るし上げられる前からやってたっけ。

偵察飛行から帰り、帰り支度をして、ブレーカーを落とし、戸締り。 そして日本一の鰻屋Iで夕食。ここも激しく値上げしていた。 店のオヤジによれば、去年今年と鰻の稚魚の不漁で、市場での卸値が 猛烈に高騰しているそうである。

私は一般に店のオヤジと話をすることは ないが、この店のオヤジとはよく馬鹿話をする。私が普段人と話 をしないのは、この日誌で大抵のことは喋り尽くしているからだけど、 このオヤジとの馬鹿話には、パンチのきいた独特の世界が広がって いるので、座敷童の俺サマも思わず世界に向けて一歩足を踏み出して しまうのである。

人間の生活には馬鹿話が必要である。俺サマの身の周りに馬鹿話が 溢れ返っていた愉快な時代は、いつの間にか終わっていた。そしてふと気 がつけば、俺サマはオジサンになっていて、自分自身のために日々 一生懸命馬鹿話を書いているというわけさ。

オヤジ独りで店を切り盛りしているし、注文を受けてから鰻をさばいて 焼き始めるので、店を出たのは1時間後。京都行きの電車も、かなり遅い のに乗ることになった。

行き帰りの電車の中では複素幾何の勉強をする積りだったが、結局半分 ぐらい寝ていた。電車はそれほど込んでいなかったが、朝、京都駅に行ったら、 さすが大型連休初日ということもあって、普段よりもかなり人が多く、 近鉄の切符売り場には長蛇の列が出来ていた。

そういえば、以前は京都駅の近鉄のホームに、Ritter Sportを売っている 店があって、ドイツで100円ぐらいのものを400円近くで売って、 こんなの誰が買うんだろう?と思っていたのだが、いつの間にか化粧品店 に変わってしまっていた。勿論、Ritter Sportはもう売っていない。

鰻屋のオヤジが、京都は震災の影響があるかと聞くので、外国人観光客 が激減したと大騒ぎしていると答えた。津はどうかというと、震災時にペット を持って避難できないと報道されたため、ペットショップの売り上げが ゼロになったとか、東海地震の津波を恐れて、遠浅で有名な海岸での潮干狩 りの団体客がゼロになったとか言っていた。

先日御前崎原発の7月再開を打ち出した中部電力はどうしてるかな と思ったら、事業所のひとつに高圧電線を背景に「電力は環境力へ」とだけ 書かれた看板が出ていた。うーむ、意味がわからん。この意味のわからなさ 具合は、数式の書かれた黒板を背景に俺サマが腕組をしていて 「気力は自虐力へ」とだけ書かれているポスターや、 ギャラリー高山の絵の前で俺サマがみたらし団子を嬉しそうに食べていて 「無力は偵察力へ」とだけ書かれているポスターみたいなのとは、また 別の次元のものだけどね。

2011年4月28日(木)
<<悪い先生>>
午前中に銀行に立ち寄ってドイツ外留の精算支払い金を下ろし、そのまま出勤。 久々に生協コンビニ弁当を買って研究室コソコソ昼食。しばし数学の後、昼休 みが終わった頃を見計らって、遠いところにある事務に精算手続きに行く。 事務から帰ってきてからも、しばし数学。14時から16時45分頃まで卒研ゼミ。 既約代数的集合と素イデアルの関係、いくつかの具体例、ザリスキー位相空間の ネ―ター性など。

私は学生がゼミの発表で詰ると、すぐに口を出して自分で解決してしまう 悪い先生である。お陰で、これまでずっと当たり前だと思っていて馬鹿にして 真面目に証明してこなかった基本事項をその場で証明して、それほど自明でも なかったことに気付いたりと、ずいぶん勉強になった。いや、自分にとって 勉強になったのであって、学生にとってどうだかは知らない。

学生が詰まったら、サドの目をギラリと輝かせ、「誘導」と称して学生を 吊るしあげるのが正しいゼミの指導法だとされている。それは数学書の正しい 読み方、思考することの厳しさを学生に叩き込むため、というのがその理由で ある。私は学生時代にそういう教育を受けたが、いまだに自らの思考の緩さと 闘う日々であり、吊るしあげてもらって賢くなった実感はない。

それよりも深刻なことは、ゼミで立ち往生して、吊されて、ボコボコに どやしつけられたりすることで、性格がいじけてしまったことだ。これまで この日誌でも繰り返し書いてきたように、自虐の病は私の研究活動の大きな 足かせになっている。俺サマ的人格に自虐の病がかぶさり、座敷童のフリを してみたり、偵察飛行してみたりと、自分でも何が何だかよくわからない精 神構造を持て余している。

結局、立ち往生する学生を吊るしてどつき回すようなゼミの指導法は、 立ち往生しないオリコーな学生を選別し、それ以外の学生をボコボコにして 数学の世界から叩き出すためのものではないか。そして追い出された学生が 何かの間違いで戻ってきた後でも、心に負った深手はずっと本人を苦しめ続 けるのである。「何で、お前みたいなアホが戻ってきたんだ?」と。

私は、優秀な学生を選別することには何の興味もないし、そういう立場 でもない。それに数学書の読み方や厳密な思考の教育は、静かに手本を示せば 済むことだと考えている。あとは学生個々の感受性の問題で、然るべき感受性 の持ち主なら、どやしつけられなくても学ぶべきところはちゃんと学びとるで あろう。もし学生にそのような感受性が不足しているならば、たとえムチでし ばき回したところで性格がひねくれるだけである。この俺サマみたいにね。

ゼミ終了後、すぐに帰宅。夜もまた少し数学。

2011年4月27日(水)
<<白昼夢>>
午前中は自宅で数学。昼頃に家を出て、山科駅前で軽く昼食の後、 出勤。今日は蒸し暑く、セーターに薄手のコートの出で立ちは 明らかにミスだった。ワイシャツ1枚で腕まくりをして電車に乗る。 大学に着くと注文してあったPCのバッテリーが届いたので、 早速予算執行の手続きをしたり、PCに装着したり。

14時40分より16時10分まで、2回生「離散数学」の講義。 3次対称群の演算表を作って見せて、 群になることを説明したり、その中の3次巡回群を取り出してみたり、 正三角形の対称性をどのように記述しているのかを図示したり。 しかし、どうも演算の定義が呑みこめない学生が何人か居るような印象。 次回に駄目押しでもう一度説明することにする。講義終了後、 研究室でしばし雑用の後、すぐに帰宅。

毎週水曜の夕方は学科のお茶の時間にしようということだったが、 早くも暗礁に乗り上げたのか、今日は休み。茶菓子の買い出し係なら 買ってでてもいいんだけど。皆から集めたお金で好きなお菓子が 買えるなんて、いい役目だと思うけど。

5月は柏餅、6月は水無月ういろう、7、8月はくず饅頭やわらび 餅かな。和菓子ばかりじゃなくて、クッキー、マドレーヌ、カステラ類 の洋風焼き菓子もいいな。そのうち、「チョコレートに赤ワインなんか いいんじゃないか」とか言いだす奴が出てきて、その横から「いやいや、 何と言ってもおかきにビールだろう」との声が飛び、 「えー!?でも、それって、あまりにオジサンっぽくねーか?」 「何を言うか!」とその辺で喧嘩が始まる。 さらには「皆さん、四の五の言ってないで、カステラに ウオッカで行きましょう!ポーランドの上物ズブロッカと福砂屋の カステラなんで、どう?」みたいなわけのわからない事を言いだす奴 まで現れて、「おいおい、勤務時間中に酒食らってていいんかよ?」 「てやんでい、数学者は24時間勤務中であり休憩中でもあるんだい!」 等々、もう収拾がつかなくなって、へっ、へっ、へぇー、この学科、案外 面白いじゃん、、、と、しばし白昼夢に耽る。

まあ、過去2回のお茶の会の様子を見ていると、 (1)年寄りは来ない(私は唯一の例外)、 (2)和やかに集まっているけど、皆さん「この ケーキ、おいしいね」とか「誰がどうした」みたいな事ばかり言ってて、 碌な会話をしてない、という傾向が見てとれた。え? だったらお前が何か面白い話をしろって?俺サマは座敷童だから、 見てるだけだよ。 話すことがなければ、お茶しながら会議でもやればどーだ?

夜は大学の事務的な作業を片付けたあと、また少し数学。

2011年4月26日(火)
<<旨いウォッカ>>
出勤日。10時40分より12時10分まで4回生「計算機数学」。 受講生は10数名。今日はネ―ター環の定義を3種類与え、その同値性を証明。 さらにヒルベルト基底定理証明の準備として、ネ―ター加群の定義を紹介。

今年はウチの研究室に卒研生が居るため、「計算機数学」の講義内容は 彼らを念頭において例年とは違ったものになっている。っていうか、元々この 科目は、よりこの科目にふさわしい別の同僚に押し付けたはずだったのだが、 いつの間にか押し戻されてしまって、去年も今年も担当することになったのだが。

後期には、元々その同僚が担当していた科目まで(たぶん今年度限定だと信じ るが)担当することになった。これはもう、お礼として、その同僚に旨いウォッカ の1本ぐらい要求してもバチは当たらないんじゃないかと思う。

13時から14時半まで、経済学部、経営学部2回生の「C言語とUNIX演習」。 受講生は4名。2回生配当だが、実際は就活中の4回生が多く、学生は来たり来なか ったり。前回休んでた人のフォローはTAに任せて、今日は簡単なCプログラムを書 く最初の課題プリントを配り、課題の進めかたをざっと説明しながら実演・実習。

システムが新しくなったせいか、色々なトラブルが起こる。特に、カット&ペー ストがうまく出来ない障害が起こり、システム管理者に問い合わせたが、どうも すっきりせず、来週に現象を再現してもう一度問い合わせることに落ち着いた。 それ以外に去年まではCプログラムの最初の標準入出力ファイルのインクルード 宣言は省略できたのに、何故か今年から省略できなくなって、昔のCコンパイラに 戻ったような感じ。

14時40分から16時10分まで2回生「代数学序論I」。受講生数十名〜 100名弱。今日は有理数体の2次拡大体の計算法、複素数体が実数体の2次 拡大であること、および、そのことと2次方程式論との関連など。高校1年 レベルの計算みたいなことばっかりやっているけど、実は結構高級な概念に ついて話していることに、彼らは気付いているかしら。

16時30分から18時15分頃まで教授会。形式的な報告、化学薬品の処理 方法についての注意、理工学部の教室・実験施設スペース不足問題、その他。 ああ、そういえば昔、会議と研究が大嫌いで大学を辞めた先生がいたっけな。 今頃は会議や研究から解放されて、楽しくやってるんだろうね。

その後、研究室や図書館で少し調べ物をしたり、ヴェイユのケーラー多様体 論のフランス語版を借りだしたりした後、久しぶりに生協で夕食をとり、19時頃 に大学を発つ。

帰宅後、夜は大学関係の事務的な調べものをしてゴソゴソした後、 事務にメールを出したり。

2011年4月25日(月)
<<底無し沼>>
今日も天気が不安定だった。3月下旬の寒さだし、快晴になったか と思うと、またすぐに風が吹いて雨がしけ降る。早朝は激しい雷雨、 昼頃にもまたすこし雷が鳴った。

午前中は自宅で少し数学。昼過ぎに自宅を出て、河原町三条 丸亀製麺の讃岐うどんで昼食。寺町通の額縁屋でドイツで描いた 絵を入れる額を物色した後、バスに乗って京大へ。その前に、 ぜスト御池で潰れたと思ってたブティックのオヤジを発見。

このオヤジになぜ注目しているのか、自分でもよくわからないが、 オスナブリュックの黒眼鏡、哲学者、そしてラクト山科近辺の 「あーあ、何にもすることがないなあオジサン」と並び、何かしら 私の心の琴線に触れるものを持っているのだろう。

このオヤジ、今日は自分の店から出て、ちょっと所用 でどこかに行くような感じだった。では彼の店は場所を変えて まだやっているのか?これは引き続き調査する必要がある。

数理研図書館で夕方まで数学。ケーラー多様体の定義の理解に 挑戦。そもそも何であんな定義をするのか?これまで何度も試みた が、概複素構造だの(p,q)微分形式だのエルミートなんちゃらだの、 リーマン計量だの、何やかやと矢鱈に色々な話が出てきて止め途なく 話が発散し、いつもどこかで迷宮に迷い込んで放り出してきた。 私にとってケーラー多様体は、まるで底無し沼か富士の樹海みたいな 概念である。今日も「善戦」すれど、結局最後までは行けず。

今年は複素幾何学とエタール・コホモロジーを「なんとなく わかっちゃってる」レベルまで押さえたいのだけど、教科書を1ページ 目からチクチク読み進めるような正しい勉強法は邪魔くさいし、 いきなりケーラー多様体の定義から逆にたどっていくようなやりかたで お茶を濁そうか、と。

これには、先日東大に出張したとき、井の頭線の中で賢そうな 顔した(たぶん)東大生が、ヴェイユのケーラー多様体論の日本語訳本 を読んでいて、「そうか、ケーラー多様体もそろそろ勉強しないと まずくなってきたし」と思ったことも、ちょっと関係している。

図書室の閉館時間が来て、帰りに「トラちゃん」こと 数理研猫の住処を見に行ったら、丸くなって毛布を被って昼寝 をしていた。こいつ、ほんとにいい生活してるな。

ラクト山科を経由して帰宅。夕食後は再びラクト山科のスポーツ プラザへ。今日もまた骨盤矯正ヨガで固くなった体をほぐす。 ジムの方では、久々に「僕、脱いでもすごいんです!」のピチピチ 短パンマンを見掛けた。相変わらず嬉しそうにバーベルを持ち上げ たりしていたけど、この男、ほんとにいつも嬉しそうにしている。 もしかして、悲しい時でも嬉しそうな顔になってしまう、可哀そうな 奴だったりして。

2011年4月24日(日)
<< 亜熱帯>>
今日も天気が振るわない。3月下旬の寒さだし、昼頃は雷が鳴っていた。 雨ニモマケズ、雷ニモマケズ、昼頃にラクト山科に買い物に出て、ついでに その辺で適当に昼食。午後は自宅で少し野暮用。夕方には天気が回復したので、 自転車で近所のスーパーに買い出しに出る。それ以外は自宅で数学。

ラクト山科でプラリーネを買おうとしたら、チョコレートは 管理が大変なので秋から春先限定商品だという。「ここにある 贈答用大箱1つが残っているだけで、後は入荷予定はありません」と。 Leysiefferでは9月末には既にプラリーネが売られていたことを思うと、 日本はドイツとは違って亜熱帯だからかしら。まあ、もう少し調査してみて、 駄目だったらLeysiefferのオンラインショップもあたってみようかしら。

ついでに1000円台のスペインワインを買ってみたが、 これは外れだった。ドイツではスーパーで買った3〜4ユーロの安ワイン ばかり飲んでいて、フランス、イタリア、スペイン、チリと色々 試してみたけれど、どれもこれも2007〜9年の産で、同じような味。 コクに乏しく酸味が強いとわかった。10ユーロぐらい出すと2002年産 ぐらいのがあって、ちょっと良くなる。それ以上の高いワインは自分で買って 飲んだことはないが、どっかのレストランや飛行機の中で飲んだワインが 旨かった時はあって、それはもっと高いワインなのかもしれない。

さっくり言って、日本で3000円ぐらいで手に入るワインは、 EU圏だと10ユーロ前後で手に入るのかも知れない。で、今日のは スーパーの3〜4ユーロのよりも良くなかった。関税や輸送費のことを 考えると、向こうの1〜2ユーロのワインかも知れない。

私はチョコレートが大好きで、ドイツに行ったときはいつも Ritter Sportというチョコレートを食べていて、それが激太りの原因の 1つになっている。これはその辺のスーパーで1ユーロちょっとぐらいで売って る、ごく普通のチョコレートだが、日本で買えば4〜500円ぐらいして、 高級チョコみたいな顔して店に並んでいる。

ビールだって、小麦から作ったちょっとフルーティーな味のするヴァイツェン ・ビールは、やはりスーパーで2ユーロぐらいで売ってて気軽に飲めるのだが、 日本のドイツレストランだと一杯7〜800円したりする。

こんな調子なので、一度ドイツに行って帰ってくると、もう向うの飲食物 を懐かしがって捜そうという元気は湧いてこない。 やっぱり日本に帰ってきたのだから、丸亀製麺の讃岐うどんだの、 津の鰻丼だの、百万遍の真っ黒スープの ラーメンだのというものに走りたくなる。亜熱帯に住んでるんだから、亜熱帯の ものを食べればよろしい、と。ワインも日本のものを少し捜してみよ うかしら。ただ、日本のワインは栽培できるブドウの種類のせいかもしれないが、 甘口が多いような気がする。私は辛口が好きなんだけど。

ドイツではリースリング種とか言って甘口の白ワインが有名だけど、 赤ワインもあった。Dornfelderとかいうがベルリンのホテルの部屋に置いてあったり、 スーパーでもよく売ってたけれど、これの辛口を飲んでみたら、甘辛両方の 味が和音状態になっていて、まあ、酸味がないのは私好みだけど、 甘辛煎餅みたいなのは「どうだか」って感じだった。

2011年4月23日(土)
<< Traumberuf >>
また「あのシリーズ」が復活してしまったのである。やっぱり買ってしまった、 モーリス・エマニュエルの室内楽集。時にストラヴィンスキーっぽく、 また時にハチャトゥリアンっぽく、何となく西ヨーロッパ的でない ドロリとした雰囲気を醸し出しながらも、最後はフランスっぽくエスプリだか 何だか、連中独特のわけのわからないものを利かせて煙に巻くところが、 何とも憎いのである。

今日はよく雨が降り、大きな傘を差してても足元がずぶ濡れ。 13時過ぎからドイツ語寺子屋塾なので、早目に 自宅をでて関西日仏学館へ。 係員が「図書館は12時からだ」と言いだすので、ちょっと前は12時半から 13時半まで昼休みだったし、この図書館は何時来ても「昼休みだ」と 言っているが、一体何が真実なのか?12時から開いて、それからどうする積りだ。 まさか12時半から13時半まで昼休みとか言いだすんじゃないだろうなとか、 色々ゴネてみせるところがオッサンっぽくって我ながらヤだけど、 オッサンなんだからしょうがないじゃないかと開き直るのも、これまたヤな 話なので、適当なところで引き下がる。

ということで、カフェの入り口のソファでドイツ語の予習をしてから、 例の真っ黒スープのラーメン屋に昼食に出掛ける。その後まだすこし時間があったので、京大ルネ食堂でコーヒーを飲みながら、ドイツ語新書本みたいなのを読み始めた のだが、今日も睡眠不足気味だったので15分ぐらい居眠りしてしまい、 食堂が込み始めて学生のざわめき声が大きくなった頃に目が覚めた。

寺子屋上級コースの受講生は、今日も私を含めて3名。しかし見学者が もう一人現れて、授業に参加。しかし次回からも続けて来るかどうかは、微妙な 雰囲気であった。そういえば、今期から参加予定とか言っていた某私大教授は 今日も来ていなかった。指物職人もやはり来てなかった。

寺子屋の帰りに、最近新装オープンしたゲーテ・インスティチュートに潜入。 昨夜、関西日仏の帰りに歩行飲酒しながらゲーテの前を通ったら、新しく 出来るカフェの案内が出ていた。店の写真に厨房のあたりで料理を 作っている人が写っていて、それがどうも昔お世話になったG先生のように 思えた。それでゲーテの職員に聞いてみたら、今日は来てないが、やはり G先生だという。料理作りが大好きなG先生は、昨年ゲーテを定年退職し、 新装オープンしたゲーテのカフェでコックとして再就職されたようである。 きっと彼女にとってはTraumberuf(憧れの職業)だったんでしょう。 なるほど、そういうことなら、ちょいちょいこの店にも行かないとね。

それから雨の中を河原町三条まで歩き、上島珈琲寺町店で一息入れながら しばし数学。その後JEUGIA三条本店で上記CDを買い、Angers 河原町三条本店を偵察してから地下鉄に乗って帰宅。夕食後、夜はスポーツクラブ。 筋肉はかなり元に戻ってきたが、ドイツで激太りしてしまったのでダイエット しなければいけないな。

2011年4月22日(金)
<<自虐と堕落>>
京大代数幾何セミナーの日だが、今日の講演は月曜日に東大で聞いた話 と同じなので、パス。午前中は自宅でフランス語の予習など。午後は 百万遍に繰り出し、真っ黒スープのラーメン屋で遅めの昼食の後、 京大数理研へ。今日は雨が降っているので、「居るかな」と思って 「トラちゃん」こと数理研猫は住処である1階非常階段下に行ってみたら、 やはり例の物憂げな顔でソファーの上の毛布に座っていた。数理研図書館 に籠って、夕方まで数学。

途中、ひと息いれて、また非常階段の所に行って猫と遊んでいると、 知り合いの数理研の助教の人もひと息入れにやってきた。しばし雑談の後、 「で、研究の方はどうですか?」と軽く尋ねると、今考えているらしいこと を洪水のように語り始めた。すげーっ!何か、びんびんに集中して数学 やってるぞ!って感じ。

17時で数理研の図書館が閉まるので、関西日仏学館の図書館に移動。 もう少しだけ数学をやってから、隣の京大ルネで夕食の後、少し書籍部 を偵察。19時から21時過ぎまでフランス語講座。帰りは雨がやんでいた。 コンビニに立ち寄ってニッカのハイボール250ml缶を買い、♪自虐!自虐! 何見て跳ねる?堕落の夢みてまた跳ねるゥ♪と、意味不明の歌を歌いながら 京都市役所前まで歩行飲酒し、地下鉄に乗って帰宅。

体調によって味覚が変わるのか、前にニッカのハイボールを飲んだ時は、 ウイスキーってこんなに旨いものかと、すこしびっくりした。今日は ウイスキー独特の臭みがよく感じられて、思わず学生時代の感覚が蘇った。 あの頃は日本酒が飲めなくて、下宿で安いウイスキーばかり飲んでたな。

2011年4月21日(木)
<<トロピカル幾何学>>
昨夜は夜更ししたのに、今朝は何故か早く目が覚めてしまい、 睡眠不足気味。午前中は自宅で少し数学。昼過ぎに自宅を出て、山科駅前で 軽く昼食の後、出勤。14時から16時半頃まで卒研ゼミ。既約集合の 定義とその例およびいくつかの基本性質、根基と根基イデアル、有限体の 代数閉包の無限性、代数的集合とイデアルの対応など。ヒルベルトの零点定理を、 ユーザに徹してさらりとやりすごして先に進む。その後、研究室にもどってしばし 数学。

17時過ぎに、昨夜メールで「質問がしたい」とアポを取ってきた(元) 学生がやってきた。4月末から進学する某大学大学院のゼミで使うと 思われるトロピカル幾何学のテキストの最初の2,3ページの解説を してくれ、と。トロピカル幾何学はトーリック幾何学と密接に関連している らしいが、オスナブリュック近辺ではちょっとしたブームになってるみたい だった。私も1度だけトロピカル幾何学の一般向け講演を聞いたが、あまり よくわからなかったこともあって、内容はほとんど忘れてしまった。

そのテキストをふと見ると、ドイツの某O研究所が出しているモノグラフ・ シリーズ。ここは、ケンブリッジのN研究所、南フランスのL研究所と並び、 ヨーロッパ名物アホ除け選考つき研究集会で有名なところで、同じくアホ除け 選考付き臨時研究員制度で有名なM研究所と並んで、ドイツにおける私の天敵 総本山のような研究所だ。おのれ、某O研究所め!と、思わず アドレナリンがじわりと湧いてくる。

1時間ほど(元)学生の質問に答えた後、すぐに大学を発つ。今日は少し疲れた ので、ラクト山科で和菓子をいくつか買って帰る。夜は明日のフランス語の宿題を やってから、早目に寝る(予定)。

2011年4月20日(水)
<<銀行振り込み>>
午前中はPCの部品代の銀行振り込み。振り込み名義人や発注番号など、 色々指定があるので、どうすればよいのかしら、と。銀行員の勧めでATM振り込みを 試みたが、新人のような案内の係員とこんにゃく問答をしながらやっている と、すぐにタイムアウトになって画面が元に戻り、全部最初から入力し直さなけれ ばならない。こんな調子じゃあ、あと5回ぐらいやり直さないといけないから、 手数料払ってでも窓口振り込みにすることにした。

それにしても、一体どこのアホ会社がこんなしょうもないATMを作っているのか というと、実は私が以前勤めていた所である。以前は評判の良いATMを作っていた 会社だけど、私がやめてから駄目になったみたいだな。別に「私がやめた『から』 駄目になった」わけではないけどね。

振り込みが済んで、また自宅に戻り、しばし数学の後、出勤のために自宅を 出る。近所のラーメン屋で昼食。以前はボリュームのある焼豚が入っていて、 美味しい店だったのだが、私がドイツに行っている半年の間に、値段は同じで 薄っぺらい焼豚1枚にグレードダウンしていた。店の前の看板には、ボリューム たっぷり焼豚の開店時の頃の写真がそのまま使われている。この店も堕落したな。

まだ時間があったので、山科駅前Sbuxでしばし数学の後、出勤。14時 40分から2回生「離散数学」の講義。受講生は100名はいってないと思う。 昨日雷を落としたクラスとほぼ同じ顔ぶれだが、今日は最初から静かだった。 回転行列が生成する巡回群、正三角形の対称性の群による記述、3次対称群の導入 など。来週は複素平面と1の原始n乗根の話でもしようか、と。

私は簡単な例を高級な概念でさらっと味付けして、アイディアだけ何となく 伝われば良いという講義が好きで、「離散数学」もそんな感じでやっている。 体系的にきっちりした講義をやらないのには色々な理由があるけれど、 普段の研究生活で自分がそういう風に物を考えてないから、というのがその ひとつ。それに、その場その場で自由に考えながら講義していると、 小さなことではあるけど、今まで自分が気付かなかった思わぬ発見があった りして、結構面白い。

講義が終わってからは、来週の「C言語とUNIX演習」のプリントの準備。 その合間に、数理科学科発足以来2度目(で最後?)の「お茶の時間」にちょっ と顔を出す。

山科のスーパーで少し買い物をしてから帰宅。夕食後、夜も少し数学。

2011年4月19日(火)
<<雷をおとす>>
出講日。3月下旬並みの寒さで、突然大雨が降ったり、カラリと晴れてみたり の変な天気。通勤途中に出し忘れていたホテルのアンケートを投函。日曜日に 泊まった吉祥寺のホテルは、目覚まし時計の音が耳を澄まさないと聞こえない ぐらいに小さかった。アンケートには、これじゃあ、目覚まし時計の役割を 全然果たしてないじゃん!と書いておいた。

午前中は4回生「計算機数学」。教室棟に向かおうと研究棟を出ようとした ら、ふっと照明が消えかかり、何かと思ったら、バシッと大きな音がして雷が鳴 った。

「計算機数学」の受講生は10名前後。体上の多項式環が可換環になること、 イデアルの定義と生成元による記述。ネ―ター環の概念など。

50分の昼休みの後、文系2回生「C言語とUNIX演習」。受講生は5名。 ディレクトリ間の移動、emacsの起動と終了法、簡単なCプログラムを書いて Cコンパイラを使って動かす実習。

引き続き2回生「代数学序論I」。受講生はたぶん100名以上。 講義が始まってもまだお喋りしているお子様達が居たので、ガイダンスで 予告した通りトンカチを激しく連打して「そこっ!いつまで喋ってんねん!」 と雷を落とす。代数学の基本定理、代数方程式の代数的解法の概念、 拡大体の概念を通して代数方程式を考えること、など。

16時過ぎに講義を終え、少し雑用の後、大学を発ち、途中ラクト山科で 赤ワインを買って帰宅。夕食後、夜は少し数学。複素幾何学の教科書 の最初のページ。本当は他にやるべき事があるのだが、 ちょっと逃避行動。複素幾何学は前々からちゃんと勉強する必要性 に迫られてたので、逃避もまたよしとする。正則関数とコーシー・リーマン の関係式、写像の微分、ヤコビアンなど、学生時代に勉強してわかってる 積りでかれこれ30年。やはり忘れていて、思い出すのにひと苦労する。 フランス語の宿題もやろうかと思ったが、明日以降に延期。

2011年4月18日(月)
<<東大セミナー>>
いつもの日大セミナーが何故か東大で行われたため、11時前に 駒場の数理科学研究科へ。遅めの昼食を挟んで16時前までセミナー。 すこし駒場キャンパス内をぶらついて時間調整し、16時半から18時 過ぎまで東大代数幾何学セミナー。何だかこれから、ずっと「日大セミナー 改め東大セミナー」になりそうな雰囲気。となると、これからも吉祥寺 に泊まれるから、悪い話ではないな。

東京の大学の中には、地震で実験設備が大きな被害を受けて、新学期 が5月からに延期されたところもあるそうだ。東北大学も同様との噂も先 日聞いた。それでも文科省が夏休みを潰してでも15週授業を徹底せよと 言っているかというと、どうもそうではないようで、非常時だから免除と いうことらしい。そういえば新型インフルエンザの時に、そういう柔軟な 措置がとられたという前例もあるし。

ついでに大学院教育について、大学院の勉強がどういうものかを知らない 学部卒の文科省の役人たちが、色々頓珍漢な指導をしてるようだが、 その点はどうかと皆さんに尋ねてみた。すると、いくつかの事柄については、 「うちにはそんな指導は来てないと思う」とのこと。たぶんRitsは数年前の 特別転籍問題で文科省に睨まれて、補助金も思いっきり減額されたから、 役人がどんな出鱈目を言い出しても、それは違いますよとは言えず、 「お説ごもっとも」と聞きいれないといけない状況になっているのだろうと 思った。

節電で薄暗い渋谷駅を経由して、これまた節電で薄暗い品川から新幹線に 乗り、余震に襲われて帰宅困難者になることもなく、無事京都に着き、22時 過ぎに帰宅。

ドイツでは福島原発の事故の後の有権者の反応は鋭敏で、先月の地方選挙 では原発中止を訴える「緑の党」などの勢力が歴史的大勝をおさめた。その後 エネルギー政策についての厳しい議論が盛んに行われ、原発推進政策をとって いたメルケル首相も方針転換を余儀なくされているようだ。しかし日本では 原発推進派の都知事が圧勝再選されたことだし、しばらく節電に励んだり 計画停電で混乱したりしながらも、特に突っ込んだ議論が行われるわけ でもなく、大きな転換もないだろうという気がする。

2011年4月17日(日)
<<激呑み>>
午前中は京都新聞日曜版の7つの間違い捜しとクロスワードパズルを解き、 買い物に出る。携帯電話屋で私の携帯電話が緊急地震速報対応かどうか 調べてもらったが、対応してないとわかった。自宅に戻って昼食の後、 東京出張に発つ。

新幹線の中ではほとんど寝ていた。ドイツに居た頃は6時間ぐらいの睡眠で 動き回っていたが、今は8時間近く寝ないとすぐに居眠りをしてしまう。この 違いは何なのだろうか。

夕方、吉祥寺の宿について、夕食の場所決めを兼ねてホテルの近辺をぶらぶらする。 結局ネパール料理の店でカレーやターンドリチキンなどのセットを食べた。 吉祥寺は若者が多くてとても良い雰囲気の街だ。若者は若者なりに切羽詰まってたり 煮詰まってたりするものだが、傍目には呑気そうに見えるところが良い。 例え明日にでも死のうかと思っていても、傍目には呑気そうに見えてしまう宿命を 負っているところが、若者の悲劇でもあり、また、強みだろうとも思う。

夕食後、ホテルに帰ってしばし数学の後、その辺のスーパーやコンビニで買って きた酒で激呑み。

2011年4月16日(土)
<<自粛を自粛する>>
天気は悪くないが、少し肌寒い。桜吹雪のあとにできた桜の絨毯を 踏みしめて、まずは関西日仏学館へ。今日は久々のドイツ語寺子屋塾の日 なので、図書館で予習でもと思ったが、昼休みで閉館中。それでカフェの 入り口にあるソファに座ってドイツ語の予習。最近は、ゲーテインスティ チュートが同じ建物に引っ越してきたので、ここでドイツ語を勉強してい ても怪しまれる心配が無くなった。

予習を終え、俺サマ絶賛の真っ黒スープのラーメン屋で 昼食。その後、京大ルネの食堂で、ドイツで買ってきた本を読んで しばし時間調整をしてから、寺子屋へ。

寺子屋塾の上級クラスは以前と少し時間帯が変わり、13時過ぎから 15時前になった。町内会長のため1年「休学」していた某私大名誉教授や、 私がドイツに発つ前の学期から来ている、ドイツ帰りの某私大大学院生と 私の3人。他に指物職人氏と今学期から参加する予定の某私大教授氏は、 「多忙のため」今日は休み。私も「某私大教授」だから、指物職人氏以外 は全員「某私大関係者」ばかりだが、大学はばらばらである。

講座が終わって、コンビニで買った小豆練乳抹茶モナカアイスを かじりつつ、半分葉桜になっている桜を眺めながら鴨川べりを 歩いて河原町三条へ。このモナカアイスを作っている 製菓メーカは私の母の故郷に本社があって、私が小学生ぐらいの頃は 明らかに田舎の二流メーカーだった。

あれから数十年経って、このメーカの製品が他の有名製菓メーカ の製品と並び称されていたりするのを聞くたびに「んな、アホな」と 思っていた。勿論、子供の頃に色々酷い商品で懲りているので、 中学時代以降一度も手を出したことはない。しかし、今日ふと目にとまった モナカアイスを食べてみて、数十年の間にあの会社も一流メーカの仲間入りを したんだなと、しみじみと思った。

寺町通り上島珈琲にて今日のドイツ語の復習と 来週の予習をすませてから、JEUGIA三条本店へ。試聴マシンが無くな ったので、試聴ができる新着CDだけに絞って重点調査。

まずは、90歳にして初デビュー!とかいうピアニストのCD。 最初はゆっくりした曲で、滋味溢れる演奏にほろりとしたが、 ベートーヴェンの「月光」のあたりから怪しくなり、試聴中断。 私はピアノを弾いたことがないけれど、あれは筋肉のバネの強さを 求められる重労働だと思う。人間、さすがに90歳ともなれば、 ベートーヴェンのテンポの速い曲を、あの独特のうねるような 躍動感を出して弾くことは難しいんだろうと思う。

以前、80歳ぐらいの人がJ.S.バッハの無伴奏チェロ組曲 のCDを出していたが、これも音の張りが無くて、ちょっと聴いただけで パスした。私はチェロも弾いたことはないけれど、あれもやはり 筋力が無いとキレの良い音が出ないものなのかしら。

次にグレン・グールドの秘蔵コンサート録音というのがあったが、 当然ながらモノラル録音だったのでパス。

「スタッフ激押し!」マークがついた、モーリス・エマニュエルという 作曲家の室内楽のCDが良かったが、最後の曲が全録音時間の半分ぐらい を占めているにもかかわらず、「どうだか」って感じなのでペンディングにする。

最後にイリーナ・メジューエワという、何となくロシアっぽい女性ピアニスト のシューマンの2枚組CDがあって、躍動感のある透き通るような綺麗な音に よろめき、思わず買おうかなと思った。しかし「アラベスク」とか「子供の情景」 など、いくつも録音を持っている曲ばかりの1枚目しか試聴できない。 私はシューマンのピアノ曲には好き嫌いがあるし、2枚目が「どうだか」って 曲ばかりだったら嫌だし、値段もなかなかのものとあって、これまたペンディング。

CDの帯に書かれている「このシューマンの世界はもはや『文学的』ではない。 まさに『詩』である」と賛辞が、わかったような分からないような、で結局意味 不明である。まあ、クラシックのCDの帯に書かれている賛辞は、大抵意味不明 だけど。

東北の復興のためには、「自粛を自粛」しなければいけないそうだし、 オスナブリュックでは「日本に帰ったら、JEUGIAさんで CDのセレブ買いだあ!」とか思ってたぐらいだから、 この際、モーリス・エマニュエルとイリーナ・メジューエワ の両方をどーん! と買うべきだったかしら。うーむ、一体私は何を自粛しているのかしら? と悩みながらラクト山科でスライスチーズを1つ買ってから帰宅。

夕食後、夜はラクト・スポーツプラザ。ドイツの半年間で衰えた筋肉が元に 戻るのは、まだ少し時間がかかりそうである。

明日は東京出張。吉祥寺のホテルに泊まる予定。日誌の更新ができるか どうかは不明。遅くとも月曜日の深夜には京都に戻る予定なので、 その時には更新できると思う。