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2011年5月31日(火)
本日授業日。10時40分から12時10分まで4回生配当「計算機数学」
の講義。単項式順序の具体例(辞書式、逆辞書式、次数付き辞書式、次数付き
逆辞書式)とそれらのadmissibility. 一般化された割り算の定義とそれが
1変数の多項式の割り算の拡張になっていること。
短い昼休みの後、13時から14時30分まで経済学部、経営学部2回生
配当「C言語とUNIX演習」。受講生3名(4回生1名3回生2名)。
学生の質問を受ける以外は特にすることがないので、Webの更新作業を少し。
2000年のところで止まっている「私の研究物語(My Research Story)」のページや、
Research Interestのページを新しくした。
引き続き14時40分から16時10分まで2回生配当「代数学序論I」の
講義。3次方程式のガロア群が3次対称群の部分群になっていること、および、
ガロア群の部分群と中間体の対応。何故か皆さん静かに聞いているので、私は
心おきなく黒板に向ってぼそぼそと語りながらどんどん板書を書きすすめている。
というか、そんなことをしているから、皆さんノート取りに必死で必然的に静か
になるのか。これはあまりよろしい傾向ではない。もっと学生の方を向いて話
すべきか。
講義の後、一旦研究室に戻り16時半から教授会。それに先だって労組関係の
信任投票用紙なるものが配布された。1年ぐらい前だったか、会議室のテレビ会議
システムを使って、それ関係の会合をやっていたことがある。俺サマも駆り出され
ていた次の会議の開始時間を30分以上超過していて、係の人が「(テレビ会議
システム使用の)次の予定の時間が過ぎてますので、、、」と何度か催促しても、
「今、大事な話をしているんだから」と全く取り合わず、悠然とテレビ会議施設を
占拠し続けていた。「ああ、あの、他人の時間を奪うことに何の後ろめたさも感じ
ない人たちの話ね」と、投票用紙を打ち捨てる。
議事を聞き流しながら、次回の「代数学序論I」の講義メモ作成作業。副学部長
の某が何か提案をしていて、それに某学科の先生が噛みついていたが、「そいつには
何を言っても無駄だよ」と思いながら聞き流す。
某は学内行政家としての優れた素質を持った人である。数年前、俺サマが
何かの学内委員をやっていた時の委員長だったが、委員全員が彼の提案に猛反対して
延々と議論しても、最後に「皆さんのご意見はよくわかりました。それでは私
の提案通りにやりましょう」みたいな事を穏やかに、かつ、平然と言う。
何度も会議をやって、そのたびに皆が猛反対するのだが、最後はいつも
「それでは私の提案通りにやりましょう」なので、「こいつは最強だ!」と感じ
入ったものである。その素質を買われて、今年度もまた執行部でご活躍のようだ。
適材適所とはこういうことを言うのだろう。
もう別の所に転出してしまったが、昔居た先生に似たような素質の人が居た。
10年ほど前だったか、彼が学科のある作業を担当し、「試作品ができたので、
改良案などご意見があればお願いします」と言うので、俺サマが色々意見や提案を
したのだが、その全てに対して「そうですね。それは今後の課題とさせていただ
きます」と返事が返ってきた。どうも最初から事実上誰の意見も取り入れる積
りが無かったらしい。「そんな積りなら、始めから意見など求めるな!」と抗議
したのだが、「へ?」と見事に受け流された。それを見た俺サマと某ボス教授は、
「こいつは将来(学内行政の)大物になるぞ!」とおおいに感心したものである。
しかし残念ながら、大物になる前に転出していった。
会議は18時10分頃に終わり、研究室に戻ると、某定例セミナーの主催者で
ある偉い先生から、次のセミナーで話す人がいないので、何か講演してもらえない
かとのメールが届いていた。セミナー・メンバーには立派な数学者が沢山名を連ねて
いるのに、「高山はいらない」の俺サマに話が来るぐらいだから、よっぽど困ってい
るのか。何とか協力させていただきたいとは思うのだが、生憎その日は別の用事で
外せないので、丁重にお断りする。
生協での夕食を挟んで、明日以降の「離散数学」の講義メモ作成作業。
20時過ぎに大学を発ち、21時半頃帰宅。夜はフランス語の宿題を
少し進める(予定)。
2011年5月30日(月)
奴とはこの夏トロントで顔を合わせそうな雰囲気だけど、研究集会の
会場で会ったら、後ろから水鉄砲で撃ってやろうかしら。それとも輪ゴム鉄砲が
いいか。背中にトノサマ蛙を突っ込んでやるってのも、いいな。
黒板に「○○(大魔王の名前)のばーか!お前のかーちゃん出べソ!」って
奴の似顔絵付きで書いてやるのもいいな。ふっふっふ。俺サマを怒らせると
どんな目に会うか、
とくと思い知らせてやろうじゃないか。
午後は街に出て、河原町三条の丸亀製麺で遅めの昼食の後、寺町通り上島珈琲
でしばし数学。例の数学オバサンもほぼ同じ時間にやってきて、いつもの場所に座
っていた。
夕方、少し早目に切り上げて、大丸ラクト山科店で白ワインを1本買って
帰宅。また少し数学をやってから夕食。その直前に生命保険の人から電話が
掛かってきた。先日の問合せに対する答。先日来何回かやりとりをしているの
だが、どうもこちらの質問の意味を理解していないようで、とりあえず分か
った質問の一部分だけを頼りに上司とこちらの間で子供の遣いのようなこと
をやっている。今日の答も、わかったようなわからな
いような内容。
しょうがないので、もう一度質問のポイントを説明し始めたのだが、
やはり理解できないらしく、「再度調べて明日また電話します」と言う。
こちらの質問内容を理解してないのに、一体何を調べるというのか。
この担当者を相手にしている限り、事態は進展しないことが分かったので、
「もう、いいです!いずれ本社から明細が届くでしょうから、それを見て
こちらで判断しますから」と言うと、なにぶん新人で慣れておらず申し訳ないという。
しかしこれは新人かどうかという問題ではない。この人は何年やってても
こんな調子だろう。「はい、はい。どーも!」とこちらから電話を切った。
電話を切ってから、なるほど世の中の偉い数学者たちは、俺サマがこの生命保険
の担当者を見るように、俺サマを見ているわけだなと悟る。そして電話で応対していた
俺サマの態度は、まさに日頃忌み嫌い軽蔑している数学者のそれそのものではな
かったか。嗚呼、俺サマは知らぬ間に、そこまで落ちぶれていたのか、と。
その後、内心忸怩たる思いでラクトスポーツプラザに行き、楽しいZUMBA
と骨盤矯正ヨガ。思わず、♪暗ーいーぃ気持ちさーえ、すぐぅーにぃー晴れるぅ、
そんなーぁ(ダウンタウンへ繰り出そう!ダウンタウンに繰り出そう!
<以下繰り返し>)♪なんて歌を口ずさんだりしながら。
この歌は俺サマが大学を出た頃に流行ったらしく、会社の独身寮に入った
ばかりの頃、隣部屋の高卒の兄ちゃんが夜中にデッカイ音のオーディオで
毎日繰り返し聞いていた。俺サマは、「五月蠅い!寝られんじゃないか!」
と怒り狂い、コカコーラの空き瓶で壁をガンガン叩いて抗議したっけな。
ZUMBAも大分慣れてきて動きが良くなってきた。あとはインストラクター
の先生のような動きのキレが身につけば、俺サマの夜のゼスト御池デビューも夢
じゃないね。ふっふっふー。
ZUMBAに来てきた60代ぐらいのオジサンは、私は初めて見る顔だが、
前にちょくちょく来ていた人らしい。終わってから更衣室のあたりで
「ZUMBAって、面白いでしょう」と俺サマに声を掛けてきた。はあ?
見知らぬ人間に声を掛けるとは、こいつドイツ人か?と思ったが、
日本のオジサンだった。この俺サマも伊達に通算1年半もドイツで暮らしてきた
わけではないので、「え?!何で知らないオジサンが声掛けてくるの?」
と絶句したりはせず、「ええ、あれは楽しいもんですねえ」と即答しておいた。
骨盤矯正ヨガのインストラクターに、「腰の調子はどうですか?」と
聞かれたが、いきなり腰の調子について総合報告を振られても心の準備が
まるで出来ていなかったので、「うーん、微妙!」とアホみたいな答をして
しまった。まあ、股関節が少し動きやすくなったり、腰痛があまりしなくなったり
ということぐらいはあるような気がするが、普段あまり意識してなかったので。
2011年5月29日(日)
昼過ぎに山科区内で少し買い物。ついでに某雑貨店で978円の激安
長靴を発見。昭和の昔を思わせる真っ黒なやつとは違うが、まあ、ごく普通
のゴム長で、履き心地もそう悪くない。今持っている
レインシューズはずっと昔買ったものだが、かかとが高くて固く、足の先
の方が下に下がって地面にコンコンと打ちつけられるような感
じで、とても歩きにくい。これって女の人のハイヒールみたいなものだろう
けど、彼女達はこんなのでよく歩いてられるなと思う。
しかし978円は異様に安く、流石に品質が不安である。
ネットで少し調べたところ、安いのは3000円を切るぐらいで、高いのは
1万円以上といったところ。まあ予算3000円から5000円ぐらいを見
ておけば、品質、デザイン、履き心地も含めてまずまずのものが買えるだろう、と。
それで激安ゴム長は見送って、一旦自宅に戻り、遅めの昼食を
軽く取り、しばし野暮用をしてから再び街に出る。
日々是偵察飛行の毎日なので、最近女の人がいい長靴履いてることに
は気付いていて、あんなので男物がないかしらと思っていたのだ。
しかし、よく街を彷徨っている割には、長靴を売ってる店の
心当たりがない。ネットで調べたがよくわからない。まあ、ありそうな
店を適当い当たってみよう、と。
大丸京都店のアウトドア用品のところには置いてなかった。案内の人に聞
いても、当店は女性用のものを少し置いているだけです、と。まあ、そういう
ことを即答するところが凄いと感心したが。以前京都駅でATMを探していて、
案内の人に聞いたら、これもまた道順も含めて即答で教えてくれた。何が
凄いかというと、「ATMどこですか?」「えー、ちょっと待ってくださいねえ」
とマウスをクリックしてキーボードをぱたぱたっと叩いて、「ああ、分かりました、
えーとですねえ、、」みたいな感じにならないところが凄い。
それで四条通り、寺町通り、京極通りを偵察して回ったけれど、若者向け
衣料品店でちょっといいなと思ったものがフランス製の14000円
以上もするもので、これはちょっとパス。あと大きな靴屋に女性用の
長靴が結構あって、わけのわからんオッサンが、娘だか愛人だか奥さんだか、何か
ようわからん女に買ってやろうとしていたが、男物は無かった。私は足が小さい
ので女物でも良いのだが、女物はデザイン性を重視してか、足首の所が詰まって
いて履いたり脱いだりするのが大変そう。これは私としてはマイナス評価である。
それから四条河原町の高島屋に行って真っ先に案内の人に聞いたら、
「5階のアウトドア用品売り場で扱ってます」とこれまた即答。貴方がた、
何でそういうことが即答できるの?何食べたらそんなふうになれるの?と半信半疑で
5階に行ってみたら、、、ちゃんとあった。しかし7000円弱で、想定
よりも高め。デザインとゴムの品質は気に行ったけど、履き心地は激安ゴム長の方
が良いように思えたので、パス。
もう少し探してみようかと思ったけど、京都にはあまり
売ってなさそうな気がする。以前ワンタッチで開閉できる折畳傘を京都市内で
捜しまくったけれど全然見つからず、結局東京に出張した際に吉祥寺ロフトで
見つけた。京都というのはそういうところがある。色々な店があるけれど、
結局同じようなものしか売ってない。
それで、978円のゴム長なら、たとえ買った直後から水が漏れてきて接着
材で穴をふさがなければならなかったり、1シーズンで靴底が壊れて履けなく
なったり、ゴムが光速劣化してある雨の朝履いていこうと思ったら突然真っ二つに
避けたりといったことがあっても、「どうせ安物だし」と諦めがつくではないかと。
この際、傘をさしていても濡れる足元を包んで、すこしぐらい歩いても足が
疲れそうでなければ何でもよしということにしよう。
それで山科に戻り、例の雑貨屋に直行して激安ゴム長をゲット。まあ、何か
を探して買おうとすると、半日は軽く潰れますな。あとは、「安物買いの銭失い」
にならないことを祈るばかり。
夕食後、夜はテンコ盛りのフランス語の宿題を少し進める。You-Tubeで
画像を探してきて、それを使って仏作文せよ、と。指定された画像はあったけど、
それを保存する方法が分からず。しょうがないので、別の画像を拾ってきて、
それでお茶を濁す。
2011年5月28日(土)
本日午前中は自宅で野暮用をしたり、ネットでドイツ語のニュースを聞いたり。
昼前に家を出て、まずは新福菜館百万遍店で
昼食。それから関西日仏学館でしばしドイツ語の本を読んだりして
時間調整の後、13時15分より15時前までドイツ語寺子屋の授業。
その後、雨の中を徒歩で河原町三条のロフトへ。長靴を捜したけれど、
女性用の小さいものしか置いてなかった。ついでに寺町通を上がりながら
店を探したけれど、長靴を売ってるようなところは見つからず。上島珈琲に入って
一息つく。クリスタリン・コホモロジーの講義録を読み始めたものの、
睡魔に襲われしばし気を失う。その後、JEUGIA三条本店に入り上記
CDを購入。それからラクト山科経由で帰宅。
夕食後、夜はラクトスポーツプラザへ。腹筋台で寝ている見慣れぬ顔の
オジサン、腹筋台はお前さんの仮眠所でないことが分からんのか?何?
しんどいから休んでるだと?だったら家に帰って休んでろっつーの。
それが嫌なら、15分も腹筋台の上で休んでなきゃならんような
無理はトレーニングなどやめちまえ。そういいえば、このオジサン、
その直前には通り道になるところでダンベルを振り回して
たな。誰か一番重いダンベルをこの男の手足にでも縛りつけて、その辺
の邪魔にならない所にでも転がしておいてくれ、と。
さらには休憩オジサンも現れたので、時間を計りながら監視していたら、
ウエイトマシンで欠伸をしたり髪の毛をいじったりしながら5分ぐらい居座って、
最後の6分目ぐらいに一気に10回やって終わるということをやっていた。
相撲の仕切りじゃあるまいに、30秒のトレーニングに何で5分も準備が
必要なんだよう!欠伸や髪の毛いじりぐらい家で十分やってから
来いっつーの。
まったくオジサンってえのは、碌な生き物じゃないな。やっぱり俺サマ以外
のオジサンは、この世から居なくなればいいんだよう!
と、俺様ワールドの暴言をぶちかましておく。
2011年5月27日(金)
昼食後、生協ほくとの自販機コーヒーをすすりながら数理研へ。
まずは「トラちゃん」こと数理研猫の住処へ。予想通り昼寝をしていた。
「起きろ、猫!俺サマを誰だと思ってんだい?代数幾何学で2つ目の論文
を世に出そうとしている高山サマだぞ!」とひとしきり威張り倒してみた
のだが、眠そうな目をしてちょっとこちらを見ただけで、碌な反応をしな
い。こりゃあ、駄目だと思って図書室に籠る。眺めているだけでは埒が
あかないし、ひとつ真面目にクリスタリン・コホモロジーを勉強するかと、
講義録のコピー読み。
途中、生協にコーヒーを飲みにいったついでに、また猫の所に行ってみたが、
相変わらず。「おい!聞いてんのか?猫!」と鼻の先をちょっと突っついてみ
ても、耳をこすってやっても、尻尾をつかんでみても、肉球をつまんでやっても、
体を撫でてみても、「うーん、五月蠅いなあ」みたいな感じなので、駄目だ、
こりゃと図書室に戻る。
夕方、閉館時刻よりも少し早目に図書室を出て、帰り際にまた猫の所に
行ったが、やはり同じ。こいつ、寝てばかりいるな。猫としてはかなりの
高齢のはずだし、最近は肥満ぶりも酷いから、体調でも悪いのかしら。
「あーあ、猫にも相手にされなかったか」と思いながら、関西日仏学館へ。
そこの図書館で少しフランス語の予習をしてから、京大ルネの書店を冷やかし、
早目の夕食。19時から21時過ぎまでフランス語の授業を受ける。
宿題テンコ盛り。どうしよう?!まあ、とりあえず今日のところは
忘れてまたもハイボールのミニ缶を買って、雨の中、歩行飲酒しながら
京都市役所駅前まで歩く。
ぜスト御池は、今日も踊っている若者はほとんど居なかった。
2011年5月26日(木)
私が住んでいたのは相当なボロ屋だったが、新しく建て替えて女子大生専用の
学生アパートにするということで追い出された。それから25年ぐらい経って
下宿屋を廃業し、土地を売ってどこかに行ってしまったのだろうか。まだ1年
ぐらい前は大家さんの奥さんをラクト山科のあたりでちょくちょく見掛けたのだけど。
この下宿の前の道の突き当たりに、昔、小さな教会があって、大学1、2年
の頃、それを写生した。その絵はまだ残っていると思うが、教会の方は私が
20年ぐらい前に東京から戻って来た頃には無くなっていて、新しく普通の民家
が建っていた。日本の家屋は10年20年でどんどん建て替わっていく。
帰宅後しばらくして、昼頃に自宅を出る。山科駅前の蕎麦屋で簡単に昼食の後、
出勤。この蕎麦屋はいつもパートの姐さん2人態勢でやっているが、姐さん同士の
相性があるらしく、2人とも不機嫌そうに黙りこくっている組合せもあれば、
協力しあってニコニコと仲良くやっていることもある。今日は後者の組合せだった
ようだ。
14時から17時前まで卒研ゼミ。今日は2人のゼミ生のうちの1人が
教育実習に行っているので、Hartshorneの輪講はお休み。可換環論強化週間として
副読本のAtyah-McDonaldを1ページ目から読んでいく。剰余環がよくわかっていな
いらしいので重点的に特訓。特訓モードなので、いつもの「悪い先生」ぶりは少し
返上して、適宜誘導しながらできるだけ学生自身が自分で考えるように仕向ける。
ゼミの後、事務的な書類を1枚書いて提出し、大学を発つ。
帰宅途中に電車やバスの中で、先日届いた学界誌を少し眺めた。記事の一つに、
ある有名数学者の業績を紹介し、ついでにその人がいかに良い性格の人であるか
を示すエピソードが紹介されていた。この手の記事は珍しくないけど、性格の良
さをことさらアピールする背景には、数学者というのは一般に性格が悪いものだ
という暗黙の了解でもあるのかしら。と、また黙殺大魔王の顔を思い出してしま
い、気分が悪くなる。
そういえば、昨日「高山は要らない」って書いたが、今日振り返るに、
「そうだ、やっぱり高山って要らないんだよね」と妙に腑に落ちてしまった。
過去を振り返るに、私はいつだって、何をやるにしても、「要らない人」を
無意識に目指していた。それはたぶん、その方が心地よいからであろう。
「高山は要らない」という地平から世界を眺めた時の圧倒的な解放感と清々しい
寂寥感。「生涯一座敷童、日々是偵察飛行也」というのは、言い換えればこういう
ことだったのだと気づく。
夜はフランス語の宿題を片付けて、先日コピーしたクリスタリン・コホモロジー
の講義録にパンチ穴を開けながら、ちらちらと眺める。
2011年5月25日(水)
昼頃に自宅を出て、山科駅前のイタリア料理店で昼食。
ふと見ると、スポーツクラブでよく見掛ける東南アジア系の
若夫婦と脳梗塞のリハビリをしている私と同世代ぐらいの
オジサンが一緒に昼食をとっていた。まあ、どちらも社交的
な人たちで、スポーツクラブにいる時でも色々な人と
話しているが、こんな風に繋がっていたのかと、ちょっと
驚いた。
それから出勤。南草津駅前のバス停で、老人クラブみたいな
団体ツアーがRits行きのバス2台に分かれて乗ろうとしていた。
彼らとかちあったら厄介だと思い別のバスに乗ったのだが、結局
彼らも終点のRitsで降車していた。何事だろう?
一体何が起こっているのかしら?
もしかして数日後の新聞に、大学の少子化問題解決の
切り札として、Ritsはシルバー世代をターゲットに何か始める
ことに決定!みたいな記事が出るかもしれない。
こういう大学の根幹にかかわる大事なことを、我々はいつも新聞報道で
初めて知るからね。
14時40分から16時10分まで、2回生「離散数学」の講義。1の
原始n乗根の例と一般的性質の証明、巡回群とその巡回部分群の具体例など。
そういえば、今学期の代数の講義はあまり学生の方を見ないで、黒板
の方ばかり向いて喋ってるような気がする。前はもうちょっと教室
全体を見渡しながらやってたように思うけど。
講義の後、研究室で一息ついてから、16時半からの「お茶の会」
に顔を出す。今日から準備担当の大学院生を割り当てたそうで、ずいぶん
しっかりとしたお菓子が並んでいた。何故か今日は色々生臭い話になり、
最近着任した若い先生たちは知らないだろうからということで、私が
数理科学科に入ってきた経緯も話題にのぼった。
つまりこういうことだ。(旧)情報学科で私を含む3名の教員が
「不要」とされ、学科を仕切っていた黒幕教授が、数理科学科(当時は
数学物理学科数学コースと呼ばれていた)に対して、「こいつらをそちら
で引き取ってもらえないか」と話を持ちかけた。当時の数学物理学科数学
コースは、数理科学科として改組拡大するために2〜3名の教員を学内
移籍の形で引き抜いてくる必要があった。そこで黒幕教授は、これを機会
に不要な3名をお払い箱にして、さらに数理科学科に恩も売るという一石
二鳥を狙ったのかもしれない。
数理科学科は最初、「高山以外の二人は喜んで引き取るが、高山は要ら
ない」と返事してきた。その動きを察知した私は、私ひとり(旧)情報学科
に残されたら、それこそ完全に塩漬け状態にされて1年で潰されてしまうと
危機感を強め、数理科学科の当時のボス教授に泣きついて、「何とか私も
一緒にそちらに引き取ってもらえないか」と頼んだのである。
「高山は要らない」と返事してくるだけのことはあって、数理科学科に
移ってからの数年間はなかなか大変だったけれど、今となれば遠い日の
笑い話である。その(元)ボス教授とはその後色々あって袂を分かったが、
あの時の恩だけは一生忘れない。
それに、「誰にも必要とされない自分」という経験は、数学者
たち中を座敷童モードで漂う時にも役立っている。
ところで、何故黒幕教授が我々3名を「不要」としたのかについては、
彼が数学っぽい人間が大嫌いだからだというのが有力説。しかし私は
むしろ、我々3名の研究室が情報系の学生に徹底的に不人気だったからだと
考えている。
国立大学はどうなのか知らないけれど、私立大学教員は人気稼業であり、
「学生をバックに付けた者が勝ち!」みたいなところがある。学生達は
「役者殺すに鉄砲は要らぬ、他の役者を贔屓にすればよい」
の「役者」を「教員」に変えたゲームに知らず知らずのうちに参加する
仕組みになっている。
その意味で私は、情報系の学生達に殺されそうになって、命からがらで数理科学科に
逃げのびてきたようなものである。そして日頃数理科学科の学生に接していても、
「この人たちがまた、集団で私に牙をむいてくる日がくるのかな」
というようなことを、常に頭のどこかで考えているのだ。
「お茶の会」に30分ほど居座ってから、すっと
退散して家路につき、大丸ラクト山科店で白ワインを一本買って帰る。
夜は新しいプロジェクトに向けて、少し作戦を練る。
2011年5月24日(火)
研究室で昼食の後、13時から14時半まで経済学部・経営学部2
回生配当の「C言語とUNIX演習」。受講生は3回生3名、4回生1名。
演習が軌道に乗ってきたので、最初の頃と比べてだいぶ楽になってきた。
引き続き14時40分から16時10分まで、2回生「代数学序論I」。
群の単位元と逆元の一意性、部分群の定義と簡単な判定法の証明、
3次方程式のガロア群の定義と、それが3次対称群の部分群であることの
証明の途中まで。受講生多し。
その後、生協トラベルでトロント行きの航空券の件で支払い方法
などの問合せをしてから研究室に戻り、しばし論文最終稿のチェック作業。
18時前に、帰り支度をして別の教室に行き、数物学系3回生対象の就職
ガイダンスで7〜8分程度講話。こういう所で話すことは何時も同じで、
「良い学生生活は良い就職に通じる」ということを手を変え品を変えて
喋っているだけである。まあ、学校というのは、そもそも職業生活や社会生活
の擬似体験をしながら、物事に対する取り組み方や考え方、身のこなしを
学ぶところだから、当たり前といえば当たり前なんだけど。
引き続き物理の就職委員の先生の講話になったが、私は先に失礼させて
いただき、そのまま帰宅モードに入る。ラクト山科でいちごが安く出ていたので
買って帰る。
夕食後、少し明日の講義の準備をしてから、また論文最終稿にまつわる作業。
これでもう提出しても良いところまで完成したと思うが、もう一晩寝かせて明日
提出する予定。
と、いうことで、本日の日誌では「俺様ワールド」の炸裂はなし。
2011年5月23日(月)
電気炊飯器が壊れたので、新しいのを買うために
午前中は京都駅前のビックカメラへ。
昼前に帰宅し、論文の最終版原稿作成作業。とりあえず終わったところで、
最終チェックは明日以後に持ち越して、街に出る。
河原町三条丸亀製麺の讃岐うどんで昼食の後、寺町通り上島珈琲に
入り、しばし数学。微分方程式をいじりまわしている、例のおばちゃん
が今日も居たけど、一体誰なんだろう。まあ、誰でもいいんだけど。
その後、JEUGIA三条本店へ。ベートーヴェンのヴァイオリン
ソナタの5番「春」と9番「クロイツェル」は定番曲らしく、この2曲
を録音しているCDが沢山出ていることを知った。今日は店内でも掛かって
いたけど、聴いたことのある曲だ。もしかしたら、クラリネットとか
チェロの編曲を持ってたのかも知れない。でも、CDをどこにやってし
まったか、捜すのが面倒だな。
ラクト山科で少し数学の後、帰宅。夕食の後、雨の中をラクトスポーツ
プラザへ。今日も楽しいZUMBAと骨盤矯正ヨガ。久々に「青春を取り戻
したオジサン」が現れ、ZUMBAをやっていた。
スポーツクラブの常連に、「地下足袋男」という矢鱈に声がデカく異様
に調子の良い若めの男がいるが、私が帰り支度をしていた更衣室で
「強い爺さん」とデカイ声で肥満談議をしていた。
さらに帰り際には、フロアで青春と地下足袋がデカイ声で
世間話をしていたが、どうも骨盤矯正ヨガに青春の娘が来ていたらしい。
私はZUMBAの時から青春オヤジを秘かに監視していたが、
スタジオレッスンの合い間の休憩時間に、彼が声を掛けていた若い女たちの
中に、父親を適当にあしらう娘のようなリアクションの人が居たから、たぶん
それだろう。ここではあまり見かけない顔だったな。
深夜、学術雑誌の編集部からメールが届き、「我々が受理した論文について
は、今から7営業日中に最終版を提出せよ」だの「LaTeXでは駄目でAMS-LaTeXに
しろ」だのと、色々五月蠅いことが書いてあった。それはまたせわしい話だ。
今日の午後、作業を放り出して出歩いていたのは、まずかったかな。
それにしても、最近どうも論文の査読や最終稿出版作業がIT化に伴って
ガチガチに組織化される傾向にあるようだ。最終稿出版作業の方は、あれをしろ、
これはしてはいかんとか色々言ってきて、それについていくのが大変。
査読の方は、「この論文の査読を引き受けてもらえますか?詳細は
次のサイトを見て、そこで手続きしてください」みたいな事が書かれた
定型メールが届き、「どれどれ、これは何だろう?」とか思って少し意味
不明なサイトをクリックすると、いきなり「査読、お引き受けいただき、
有難うございます!」みたいな話になり、慌てて修正や取り消しをしようと
色々悪あがきしても全く埒があかない。それで「これではまるでクリック詐欺
ではないか!」と、編集者に直接メールを出して抗議したこともあったな。
もっとも、こんなのばかりではなく、手作り感漂うユルユルの雑誌
もあるけど。
2011年5月22日(日)
本日、午前中は土砂振りの雨。京都新聞日曜版7つの間違い探しと時事クロス
ワードパズルの後、まあ、ちょっとした義理があって蹴上の国際交流会館へ。
そこでやっていたチャリティーイベントをさらっと偵察し、バザーの軽食で昼食。
真昼間からビールなんぞ飲んでしまった。
雨もあがったので、ほろ酔い気分でぶらぶら歩き、関西日仏学館へ。ここの
図書館が開いていたので、しばし数学。その後、某所で15時から始まる
コンサートを聴きにいく。
今日の出演はパトリシア・パニーとかいうイタリア人だかフランス人らしいから、
きっとマウリティオ・ポリーニみたいなヤサ男のなれの果てみたいなオジサンが
出てくるのかと思っていたら、「薄化粧のシンディー・ローパー」みたいな人が
現れて、ちょっとびっくり。パトリシアって女性の名前だったのか、と。
それでフランスとドイツのピアノ曲をいろいろ聴けて楽しかったのだが、
フランスの曲の方がちょっと良かったので、受付で展示即売していた
ドビュッシーのCDを買ったというわけ。写真の女性がパトリシア・パニーだが、
これは今よりかなり若い頃に写したもの。今はもっと素敵なおばさまに
なっている。
コンサートの帰りのバスの中で、久々に「鼻糞30男」を目撃した。
運転手のすぐ後ろの席に座っているのを、かなり後ろの方から観察していたが、
あの手の動きは鼻糞をほじくっているのに間違いない。
右の鼻の穴を右手の人差し指でほじくり回し、左の鼻の穴を左の人差し指でほ
じくり回す。この派手な動きには、鼻糞との対峙に全身全霊を傾ける、この
30男のひたむきさがうかがえる。私は後ろから、「食え!食え!お前なら出来る。
その鼻糞を食え!」と一生懸命念力を送っていたのだが、どうも指をこすり合わせて
その辺に落としているだけのようだった。降車時に彼の横を通り、それとなく
観察したが、顔を見ると20代に限りなく近い30男で、その時は鼻糞ほじくりは
終了し、さんざん鼻糞をほじくった手で携帯電話をいじくっていた。
以前から何度も書いているが、この調査をはじめてもう何年か経つのに、
乗り物の中で鼻糞をほじくっている人間のサンプルとしては、今のところ
30代ぐらいの男(と50歳前後の女一人)しか見つかっていない。二十歳
前後の大学生の男が電車の中で鼻糞ほじりに夢中になっているところは見た
ことがないし、40代以上のオッサンなら居てもおかしくなさそうだが、
実際は見掛けない。子供の夜鳴きや寝小便はいずれ治るとされているが、
30代で鼻糞をほじくっている男は、おそらく40代やそれ以上になっても、
益々平気で鼻糞をほじくり続けるはずである。しかし実際鼻糞にまみれる
オッサンの例がみられないところをみると、
「鼻糞まみれ」は今の30代の男に特有の現象なのかもしれない。引き続き
調査活動を続けよう。
ラクト山科を経由し、山科区内のスーパーで少し買い物をしてから帰宅。
ふとしたことから、私のHPにあるこれを
見てみた。10年ぐらい前に書いたものだが、その頃の俺サマは「私は数学者です」
って言いたくてしょうがなかったようだ。今はすっかり数学者嫌いになっていて、
「俺サマは数学研究者だけど、数学者なんかじゃないぞ。一緒にするな!」みたいな
事を言ってるし、その頃の自分は自分ではないみたい。で、このページを見て
「あんた誰?暑苦しいやっちゃなあ」と。今も十分暑苦しいけどね。
暑苦しい自分からの逃走。それが俺サマの永遠のテーマなのさ(と日記には
書いておこう)。
2011年5月21日(土)
今日も暑い。日仏学館のベンチでしばらく涼んでから、ドイツ語
寺小屋塾に出発。13時15分から14時45分頃までドイツ語の授業を受け、
帰りは徒歩で河原町三条界隈に繰り出し、JEUGIA三条本店でしばし
CDを物色。
JEUGIAでは、チェンバロのエディット・ビヒトのJ.S.バッハ
「フランス組曲」とマルタ・アルゲリッチの東北大震災チャリティー版CDの
どちらを買おうか迷う。アルゲリッチのは店内でかかっていて、これが素晴らしい
CDであることは十分理解した。ビヒトは有名人らしいが、試聴ができないので
ちょっと躊躇。以前、レオンハルトのCDに目をつけて、有名人の演奏だから買
ってみようかと思ったけれど、試聴して音を聞いて即座にやめようと思った。
そういうことがあるので、どんな有名人の演奏でもまず試聴してみることが必要だ。
結局、今日のところは先送り。
寺町通り上島珈琲でアイスコーヒーのケーキセット
で一休みしてから、地下鉄に乗って大丸ラクト山科店へ。もうすっかり
夏の雰囲気なので、冷たい白ワインでもと1本買って帰る。
帰宅後、午前中に作っておいた論文最終稿をさっと見直してからメールで送信。
夕食後、ラクトスポーツプラザへ。今日は「休憩オジサン」が来ていた。
彼は私の「悪いオジサン」コレクションの1つである。
彼が筋トレマシーンを使うと、座ったままいつまでも休憩して占拠するので
厄介である。そこで大慌てでこのオジサンが使いそうなマシーントレーニング
を先に済ませる。
その後遠くから監視していたら、やはり機械に座って4回ぐらい欠伸を
したり、髪をいじってみたり、居眠りしてるのか瞑想しているのか目をつむ
ってみたりで、5分以上全然動かない。で、最後に一気に10回
ぐらい錘を持ち上げたりして、それでその機械は終了といった調子。
相変わらず困った野郎だと思って見ていたが、今日は筋トレはそこそに、
ランニングマシーンや自転車漕ぎに移行していた。
スポーツクラブから帰ってメールをチェックすると、もう論文受理の知らせが
届いていた。よおし、これでようやく数理研猫のところに行って威張り散らせるぞ。
2011年5月20日(金)
10時半から12時まで、京大の代数幾何学セミナー。6月に
数理研のM先生60歳祝賀研究集会が開かれるのに合わせて、
何人かの偉い先生もアメリカなどから数理研にやってきて1ヶ月
程度滞在する予定のようだ。そのせいもあって、今日のセミナー
は30名程度の大賑わいだった。講演者は大学院生なのか、板書
は英語だが、話は日本語でやっていた。
セミナーが終わってから速攻で新福菜館にダッシュし、
ラーメン定食で昼食。
その後、数理研の猫を表敬訪問してから、
図書室にクリスタリン・コホモロジーの本を返却。
今日は気温もぐんぐん上がって暑く、汗が引くの
を待ってから京大を発ち、Ritsに向かう。
14時過ぎにRitsに着き、そうこうしているうちに15時になり
予定していた来客。今年は就職委員なので、企業の採用担当者の応対。
15時30分までの予定だったが、私が「企業は数学科の卒業生のどういう
所を買っているのか」といった質問をしたこともあって、10分程度長引く。
ほぼ予想通りの答が返ってきたが、ひとつだけ意外だったのは、
数学科の卒業生は工学系に比べて人づきあいがうまいという話だった。
教員志望で大学に入ってくる人が多いせいか、人に何かを教えるのが
うまいとも言っていた。
はてな?この採用担当者は一体何を言ってるのか。例えば、あの黙殺大魔王を
見よ。最初の質問には一応愛想良く答えるが、「馬鹿を承知でお聞きしますが」とさら
に突っ込むと、「あー、こいつは馬鹿だ」と値踏みしよって、手の平を返したように
えらくつっけんどんな態度になり、各質問に対して単語1つだけで答えてくる。
それじゃあ何を言ってるかわからないので、さずがにこれだけはという点に絞って
さらに問い正すと、もう黙殺モードに入る。あるいは、研究集会で黒板に向って
ぶつぶつ言いながら、一番前の席でも読めないぐらい小さな字や判読不明のミミズ
の這ったような字を書いて研究発表をする。論理的に完璧な自分の説明が理解でき
ない馬鹿を見ると、「だからぁーっ!」とか声を荒げてすぐに怒りだす。
そんな連中の一体どこが「人づきあいがうまく」て「人に何かを教え
るのがうまい」んだ?その手の「反例」ならいくらでも挙げることができるぞ。大
体、この俺サマだって自慢じゃあないけど、少なくとも人づきあい -- つまり、
誰に対しても敬意を持って穏やかに、かつ、オープンに接する能力 -- にかけては
(黙殺大魔王よりはマシだとは思ってるけど)サイテー級の人間だもんね。
しかし、私が思い浮かべる「反例」は全て数学者とか数学者を目指していた人
とか、そんなのばかりだ。まあ、私の「数学者嫌い」の偏見を割り引いたとしても、
この手の人たちの中に「反例」が多いことは事実だと思う。
でもそういうのって、数学科の卒業生の中では圧倒的
少数派だし、一般に数学科の卒業生というのは、私が普段思っているよりも
立派な人が多いんだろうね。で、私はそういう立派な人たちを育てる仕事をしてる
わけだから、もっと誇りを持ってもいいかも。
来客対応が終わったらすぐに大学を発ち、百万遍にとんぼ返りして
関西日仏学館へ。図書館で少し予習をして、京大ルネで書店を冷やかしたり夕食を
とったりした後、19時から21時過ぎまでフランス語の授業を受ける。
帰りは近くのコンビニでハイボールのミニ缶を買い、歩行飲酒しながら
京都市役所前駅に向かう。途中、夜のサイクリングから帰ってきた(?)
ドイツ語寺子屋塾の先生と出会い、ちょっと挨拶。
今日のゼスト御池には、ダンスの練習をしている若者たちはあまり居なかった。
なんだ、つまんないのと思いながら地下鉄に乗る。
2011年5月19日(木)
14時から17時前まで、卒研ゼミ。今日は超越拡大やその代数幾何学的
意味について簡単に講義したり、代数多様体の次元論に関する証明をしたり。
最後の方で、位相空間の次元に関する命題で、擬アフィン代数多様体が開集合
であることを見落としていて、結局一部の証明がうまく埋まらずに次回に持ち
越したが、帰りのバスの中でふと思いついた。それで帰宅後すぐにTeXで証明を
書いてPDFファイルを学生にメールで送る。
こんな風に「学生が詰まったらすぐに教える」方針でいると、結構私自身の
勉強になるし、自分で説明しながら「あっ、そうだったのか!」と小さな発見を
して内心感動してたりする。まあ、ゼミは「勉強したモンが勝ち」みたいなところ
があるので、先生ばかりに勉強させたくなかったら、自分でもっと勉強しなさい!
みたいな事すら言わない、優しそうに見えて実はエゴイストで悪い先生の俺サマ
なのさ。
明日の来客に備えて、研究室を少し片付けてから大学を発つ。
帰宅後、夜は明日の関西日仏を前にフランス語の宿題。メールで課題を送れ
というのは良いのだが、フランス語はアクサンとか色々妙な記号文字を使うので、
パソコンの言語やキーボードの設定を切り替えないといけない。すると
emacsで保存するときに、コードがどうしたとか妙なメッセージが出て、ちゃんと
保存さなかったりして、色々厄介だ。ドイツ語ならウムラオトやエスツェット
は使わなくても書ける書法があるが、フランス語にはそういったものが無いようだ。
2011年5月18日(水)
少し早く着いたので、研究室でプリンタのトナーを交換し、休講届を
ダウンロードして印刷し、6月の休講届を書いて事務に提出。それから
しばし数学。何とかしてクリスタリンコホモロジーを真面目に勉強せずに
済ませる方法はないかしら、みたいなことをつらつら考える。
14時40分より16時10分まで、2回生「離散数学」の講義。
群の(準)同型写像の定義とその必要性を示す具体例、準同形写像の
簡単な性質を証明したあと、1の原始n乗根の定義を書いたところで
時間切れ。
16時30分より1時間程度、就職課の人に来てもらって大学全体や
数理科学科の就職状況などについてレクチャーしてもらう。学科の教員
10名程度が集まった。
引き続き17時30分頃から2時間ちょっと、今年度最初(で最後の?)
学科会議。禁煙のはずの学生居室で煙草を吸っている学生が居るらしいこと
が問題になり、私が「トイレでも煙草の臭いがしてたりしますよ」と言う
と、誰かが向うの方で「そういえば男子トイレでも、時々煙草の臭いがし
ますね」とボケをぶちかますので、すかさず「いえ、別に私は女子トイレ
の話をしてたわけではないですけどね」と突っ込むと、これが結構(近く
に座ってた人たちに)ウケた。うーむ、今日の俺サマは珍しく冴えてたな。
会議が終わったのが19時半過ぎだったので、「あー、腹減った!飯だ、
飯だ!」と生協に向かう先生たちも居た。空腹が我慢できないのは、若い証拠
である。先日この日誌に書いたように、20年以上前の学科長会議のオジサン
達は、昼食抜きで何時間でも平気で会議をやっていた。この俺サマも「昼飯
がザル蕎麦と稲荷寿司2個じゃあ、腹が減ってしょうがないな」と、16時頃
から「何か食べたいな」と思っていたが、空腹感のわびしさを心の友として
数時間程度なら平気な顔をしていられるのである。
それで生協食堂を避けてバスで南草津駅まで行き、そこのお好み焼屋で
豚モダン焼きと生ビールの夕食。粉もんがむしょうに食べたくなるのは、
京都在住25年で関西人化が進んだからかもしれない。生ビール抜きの
お好み焼が考えられないのは、オッサン化が進んだからかもしれないし、
そうでないかも知れない。でも、本当は今夜は肉をがっつり食いたいなと
思ってたんだけどね。豚モダンでは、まだ肉が足りない。
帰宅後は、土曜日のドイツ語の予習など。でも、金曜日のフランス語の
宿題をまだやってない!
2011年5月17日(火)
本日出勤日。10時40分より12時10分まで、4回生「計算機数学」
の講義。ヒルベルトの基底定理の証明、ideal membership problemとその
簡単な例。
短い昼休みは、研究室で昼食。少し早目に午後の授業のある計算機演習室へ。
先週漢字コードの障害が起きたので、その対処方法を下調べしようか、と。
しかしちょうどメンテナンス作業中だったので、たまたま空いていた
別の演習室で作業。
13時から14時30分まで、経済学部、経営学部2回生配当の「C言語と
UNIX入門」。ようやく届いた出席表で出席を取ったら、3回生と4回生
ばかりだった。受講生5名。いつも来ているTAのT君は就職活動とかで、
交代の学生が来ていた。システム管理の人にも来てもらって、漢字コードの問題
は全て解決。
14時40分から16時10分まで、2回生「代数学序論I」の講義。
講義の前にトイレに寄っておこうと、教室の前を通り越したら、
たぶんその授業を受けてる学生が、「先生、205教室ですよ」と教えてくれた。
「ああ、うん」とテキトーな返事をしておいたけど、時々どこの教室だったか忘れて
ウロウロしたりするのを見抜かれているのかしら。
今日は簡単な2次体の例を挙げ、線形代数の復習などをしながら、
そのガロア群を計算して見せる。あと2次方程式のガロア群の話をすこし。
16時30分から18時頃まで教授会。1cmぐらいの分厚い資料が配布
されてたので、5時間ぐらいやるのかと思っていたが、形式的な議題が
ほとんどで、1時間半で終わる。
その後、京大数理研で借りてきたクリスタリン・コホモロジーのレクチャー
ノートのコピー。岩波数学事典もみてみたけど、いまひとつよく分からず。
あまり深入りしたくはないが、何がどこまで分かっているかぐらいは知りたいものだ。
コピー作業が終わって、生協で夕食をと行ってみたが、何となく気乗りが
せず。そのまま山科まで帰り、駅前のイタリア料理店で夕食。ここのツナトマト
ソースのスパゲティーは美味しくて、オスナブリュックにいる時も、日本に帰ったら
食べたいと思っていた。相変わらず美味しい。
帰宅後は、6月の数理研の研究集会のプログラムを睨み、講演者の内偵なども
行いながら、休講計画を立てる。結局、火曜日と水曜日の授業を1回ずつ休講に
すれば済みそうだ。
2011年5月16日(月)
昼食後、京大数理研へ。トラちゃんこと数理研猫は、今日も非常階段下に放置
されている事務椅子の上で丸くなって昼寝していた。図書室でクリスタリン・コホ
モロジーの文献を借り出し、しばし眺める。何だか今考えている問題を突き詰めて
いくと、p進ホッジ理論みたいな話に突入しそう。まあ、そこに何かヒントがあれば
いいようなものの、雲行きが怪しくなってきたなあ。
10年ちょっとぐらい前に理論計算機科学から可換環論に転向して、「10年後
の俺サマは数論幾何に転向していて、エタールコホモロジーだのクリスタリンコホモ
ロジーだのと言っていることだろう!」と冗談半分にこの日誌に書いてたりしたが、
ウソからでた真というか、それに近い状況になりつつある。
しかし何としてもそれだけは避けたいものだ。
15時半頃、少し早目だが数理研を出る。この時、数理研猫はどこか
に散歩に出ているのか、姿は見えず。京大近くにあるドイツ語寺子屋塾に行き、
先週土曜日の欠席で受け取れなかったプリントを貰う。それからバスで東山
三条まで行き、地下鉄で山科駅へ。ラクト山科ですこし時間調整してから、
山科区内でしばし野暮用。
帰宅して、夕食後はスポーツクラブ。楽しいZUMBAと骨盤矯正ヨガ。
その間の15分ぐらいの休憩時間に、ちょっとだけ筋トレも。ZUMBAでは
インストラクターの動きと鏡像関係で踊ることにも慣れてきた。小・中・高校
の体育の授業以来の懸案が、こんなに簡単に解決するなら、運動場をぐるぐる
走り回らされたあの青春の日々は何だったのか?と思う。しかしまあ、これは、
夜のゼスト御池デビューに向けての確かな一歩と言えよう。ふっ、ふっ、ふ。
ところで、6月に数理研で研究集会が2つ続きの2週間あって、どれに出よう
か思案のしどころである。2つとも全部出て2週間分補講しまくる手もあるが、
聞いても分からない話のために休講・補講をするのも、勿体ない気もする。
2つめの集会にはそういうリスクがつきまとう。
それに対して、最初の方の集会は大学院生向けのチュートリアル的な連続講義
が多く、分かりやすい話が多そうだ。しかし、3回ものの講義の最初を聞き逃すと、
後のを聞いても分からないし、かと言って1回目を聞き逃すまいと休講・補講して
も、あまり自分にとって参考にならない話だったら詰らない。
今の所、ウジウジ考えるのも嫌だから、休講しまくって補講もしまくろう
という方に気分が傾いている。ただ、補講が多くなるとドイツ語寺子屋の欠席が増
えるわけで、折角払った授業料が勿体ないなあというのが気になるところだ。
<<最強の素質>>
雨の中、無理して長靴を買った翌日から晴れ続き。もう1日待ったら良かった
かしら。まあ、雨でも降らないと長靴へのモチベーションが維持できないから、
あれはあれでよかったことにしよう。
<<内心忸怩>>
梅雨の合間の晴れ間。午前中は自宅で数学を少し。例の黙殺大魔王の
論文。細かい所でどうも分からないところがあるが、奴は意地悪だから
聞いても教えてはくれないだろうということで、ひとり泣きながら解読を進める。
<<激安ゴム長を買う>>
台風が近づいているせいか、終日雨。午前中は自宅にて、京都新聞
日曜版「7つの間違い探し」と「時事クロスワードパズル」を速攻解決
してから、野暮用を色々。
<<長靴を探す>>
何だかんだと言ってたけど、とうとう買ってしまったのである。
昨年11月と12月のすみだトリフォニーホールで開かれた、
マルタ・アルゲリッチ70歳記念コンサートで、シューマンとショパンの
ピアノ協奏曲。録音の質が物凄く良く、こんなに綺麗に録音できるんだったら、
世の中の他のCDもそうしろよな!と力を込めて言いたいぐらい。
最近はJEUGIA三条本店に行くたびに店内で掛かっていて、
泣けてくるぐらいに美しい音なので、とうとう堪え切れずに買ってしまった。
<<寝てばっかり>>
午前中は京大の代数幾何学セミナーに参加。セミナーは6月に開かれる
M先生還暦祝賀研究集会に向けての前夜祭的イベントの様相を帯び、
小さなセミナー室に新進気鋭やら大御所やらが寿司詰め状態。講演中の
議論も何だか異様にハイレベル。「凄いですねえ」とか思いながら、
セミナー終了後、直ちに新福菜館に直行し、餃子セットの昼食。今日は
見習い店員が一人加わっていた。
<<やっぱり、高山は要らない>>
午前中は山科区内で野暮用。帰宅途中、久しぶりに学生時代の前半に住んでいた
下宿屋があった場所を通ったのだが、学生アパートと大家さんの自宅があった
大きな敷地は売り払われ、数件分の宅地となって新しい家が次々と建設されている
ところだった。
<<高山は要らない>>
午前中は論文最終稿を点検して、小さな修正を2箇所ほど行って
提出。ついでにプレプリント・サーバーに投稿してある分も更新。
これで昨年の夏頃に始まった「嘘論文」プロジェクトは、
一段落したと思いたいものだ。
<<就職ガイダンス>>
授業日。10時40分より12時10分まで、4回生「計算機数学」。
ideal membership problem が不確定になる例とその原因の分析。
単項式順序(とグレブナ基底)の必要性。Dicksonの補題の
ヒルベルト基底定理を使った証明。今日は受講生がかなり減って数名程度
だったが、それは教育実習のせいかもしれない。
<<クリック詐欺?>>
終日雨。もしかしたら今週末にも梅雨入りするそうだ。
<<あんた、誰?>>
また「あのシリーズ」が復活してしまったのである。今日は清水の舞台から飛び
降りた気持ちで、試聴なしでエディット・ピヒトのJ.Sバッハのフランス組曲
全曲CD3000円也!を買う積りだったのが、結局勢いでパトリシア・パニーの
ドビュッシーのピアノ曲集を買ってしまった。
<<威張り散らす>>
午前中は論文の修正。と言っても、英語を2か所直して、イントロの1つの文を
ちょっとだけ書きなおすだけ。しかし提出は一拍置いてからにすることにして、
百万遍界隈へ。新福菜館で
昼食の後、京大ルネの自販機で珈琲を買い、それをすすりながら関西日仏
学館へ。
<<サイテー級>>
朝メールをチェックしたら、投稿していた「嘘論文」の査読結果が
返ってきてて、「これって、要するに受理ってこと?」と思えるよ
うなことが書いてあった。実は数カ月前に一度査読が返ってきて、
査読者に指摘されて初めて「嘘論文」の中の一番嘘っぽい部分が
やはり嘘だったことが判明したのだが、それを修正して「ありそう
な結果」に落ち着いたので、再提出したのである。それで、今回は
指摘された英語のミスを2か所直せば、代数幾何学でようやく2本目
の論文が世に出せるかもしれないし、出せないかも知れない。もし世に
出たら、「トラちゃん」こと数理研猫の所に行って、
「俺サマは代数幾何学者だぞ」と威張り散らしてやるんだ。
<<悪い先生>>
昼過ぎに出勤。生協トラベルで、航空機のチケット発券作業の進捗を確かめて
から、学内にあるサンドイッチのSubwayで昼食を買い、研究室で
昼食。その後、しばし数学。そういえば、7月に多変数関数論の研究
集会が京大であるようなので、参加申し込みをしておいた。これは休講
なしで、授業の合間にちょっと顔を出す程度にする積り。
<<冴えてる>>
午前中は山科区内を自転車でかけずり回り、色々野暮用。
その合間に路上から携帯電話で生協トラベルに連絡し、
予約していた8月のトロント出張の便の発券を依頼。
最後に自宅に自転車を置いて徒歩で野暮用を済ませ、そのままオジサンらしく
山科駅前の蕎麦屋で軽く昼食の後、出勤。
<<内偵>>
今年も油断しているうちに少し出遅れたみたいだが、まだ10月だし、
今から物理の問題集を始めれば3月の入試まで十分間に合う。
ちょっとした時間の合間には、世界史の暗記をやろう。現役の時は、
12月まで理科も社会も一切やらずで痛い目に会ったことだし。。。
と、いうところで目が覚める。ああ、もう朝か。あれから34年も経って
いるのに、まだ大学入試の夢を見る。
<<休講しまくる?>>
午前中は近所で野暮用。それから京大近辺へ。まずは新福菜館で昼食。
私の後から入ってきた常連っぽいオジサンが、「大盛り肉なし!」と注文してい
たのが妙に印象的だった。ここのラーメンで肉なしじゃあ、詰らんだろうに、と。
イスラム教徒かな?ま、余計なお世話だけど。