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よ け ス ペ ー ス で す。

2012年6月15日(金)
<<それって「趣味」ですよね?>>
1週間出張すると、後で補講の嵐が襲ってくるので大変である。それ以外に、 俺サマは毎週土曜日に語学学校に通っているので、ちょうど2回分の遅れを 取り戻すのが大変である。

ドイツ出張の折、俺サマが馬鹿なことにまだ気づいていない某数学者に、 語学学校通いのことを少し話したのだが、「それって、趣味!ですよね」 と図星を突かれてしまった。

そりゃあ、本業での御利益も馬鹿にならない。フランス語を習い始めて からは、EGAやグロタンディックの弟子筋の書いた論文を読む時に、フラ ンス語で苦労することは無くなって、ずいぶん気が楽になった。また、サバ ティカルでドイツの大学に滞在する際、受け入れ先の先生の面倒見が悪かっ たらどうしよう?なんて心配はなく、一人で役所でも日々の買い物も近隣 国への出張準備で旅行会社との交渉も何でもできるから、「あそこの大学 に行ってみたい」と思えば言葉の面では躊躇しなくてすむ。たとえ俺サマが 馬鹿なことがバレて、現地の数学者達に相手にされなくなっても、一人で街 を散策し、街の人たちと言葉を交わし、静かに思索の日々を重ねることがで きる。

しかし、人間相手の時は全部英語と片言の現地語で気合いで通じさせ、 論文は辞書を引き引き数式をじっと睨めば何とかなるし、多くの皆さんはそう している。だから俺サマの語学は正しい数学者から見れば、やっぱり「趣味」 なのだ。「だって、流石に数学をする時間は削れませんよね」と。そうですね。 まさに、仰る通りです。でも、私、、、じゃなかった、俺サマは(動揺してる!)、 数学をする時間を削って語学やっちゃって ます。俺サマは数学者じゃないんだから、いいんです。はい。どうもすみませ ん、と。

まあ、言い訳はこのぐらいにしておいて、、、

ドイツ語の方はモーツアルトの歌劇「魔笛」のスクリプトを読んでいる のだが、これがちょっと古いお伽話風ドイツ語なので、なかなか予習が大変 である。ある程度話の筋書きを理解していないと個々の台詞の意味がわかり づらいのだが、2週分抜けているとその作業がちょっと大変。

フランス語の方は、休んだ人のためのサーヴィスとして、Webのページに その日の授業は何をやって、どんな宿題が出たかが書かれていて、さらに配布 されたプリントがあれば、そのPDFファイルもダウンロードできる。まあ、 俺サマが居ない時を狙ったわけでもないんだろうけど、結構進んでくれました ね、と。これもまた自習で埋め合わせたり、先週の分だけでも宿題をやって みたりと、色々大変である。

それで、今朝はドイツ語の方から始めて、昼過ぎに山科駅前Sbux で昼食をとりながらも辞書引きをやり、JRやバスで大学に出勤する 途中もさらに辞書引き続行。大学に着いて雑用をすこし片付けて、14時40分 から卒研ゼミ。今日は整域の基本性質、Z/nZはnが合成数の時は整域で ないこと、nが素数の時は体になることの証明とその証明で使われるユーク リッドの互除法定理の証明など。

ゼミが終わってすぐに帰宅し、野暮用の後に夕食、そしてドイツ語の 予習を終わらせ、フランス語の復習だの予習だの宿題だのを深夜までかかって 片付ける。

2012年6月14日(木)
<<昭和の香り>>
午前中は自宅で研究集会のノート整理。それから自宅を出て、山科駅前 Sbuxで昼食の後、大学に出勤。すこし講義の準備などをしてから、 14時40分から16時10分まで2回生「代数学序論I」の講義。 教室に入ると、黒板に例の寝坊先生の講義が急遽休講になった旨が書かれて いた。久々だねえ。「いよっ!待ってました、大統領!」って感じ。

「待ってました、大統領!」というのは、すこぶる昭和の香りのする 言い回しだが、最近はあまり聞かないな。実は案外今でも使われているの かも知れないけど、今や昭和の香りを知るのはオジサンとオバサンで、 オジサンには近親憎悪原理で近づかないようにしているし、オバサンが 「待ってました、大統領!」って言うかというのは悩ましい問題で、少なく ともかなり頻度が下がるだろうし。ということで、実際問題俺サマが耳に することは、とんと無い。尚、似たような言い回しに、「いよっ!大将!」 ってのもあったな。

本日は、3次方程式のX^3−2=0のガロア群の計算。次回は、この 例だけを頼りに無理矢理ガロア理論の話をしながら、3次方程式 の解の公式を導いてみせるという荒業に挑む予定。その話から正規部分群の 話の端緒を掴み、群論の普通の話に入って行くという強引な展開を考えている。

講義の後、すぐに帰宅。また少しノート整理や夕食、野暮用の後、ラクトス ポーツプラザへ。今日は久々の骨盤矯正ヨガと有酸素運動。 帰宅後もほんの少しだけノート整理(の予定)。

2012年6月13日(水)
<<ドイツ土産>>
11時半からちょっとした打ち合わせがあるので、11時過ぎに大学に出勤。 生協で昼食用のパンと牛乳を買ってから研究室で一旦荷物を置き、とりあえず メールをチェック。今日も13時からの「C言語とUNIX演習」の唯一の 受講生が就職活動とかでお休み。早速、TAの学生にもメールで連絡してから、 打ち合わせに出掛ける。

用事は短時間で終わり、研究室に戻って早目の昼食の後、ドイツの研究集会の ノート整理など。14時40分から16時10分まで、2回生「離散数学」の 講義。今日は有限巡回群の構造として、生成元が何通りとれるかという問題を 1の原始N乗根の問題と絡めて扱い、最後に有限巡回群の位数と部分群の位数 の関係を具体例を通して予想し、一般の場合を証明しかけた所で時間切れ。 次回はこの証明を終え、有限群のラグランジュの公式との関連をコメントして 巡回群の話を終え、対称群の話に入る予定。

講義の後、研究室でひと息ついてから、17時からの打ち合わせに出掛ける。 この打ち合わせもすぐに終わり、さっさと帰宅。ラクト山科のお好み焼屋で 夕食を済ませてから帰宅。最近、粉モンに目覚めて、あちこちで モダン焼きを食べてるけど、キャベツが大量に入ってたり、小麦粉が多かったり、 ほとんど焼きそばだったりと、店によってかなり個性があることが分かってきた。

帰宅後、夜もドイツの研究集会のノート整理に励もう、、、と思っていたが、 ドイツ土産の白ワインを飲み過ぎて、ペースダウン。ドイツの免税店で2000円 ぐらいで売っている白ワインと日本で同じぐらいの値段で売っているのとは、 全然味が違う。こんなに違ってていいものか!?と思うぐらい違う。たぶん日本で 2000円ぐらいで売ってるのは、現地では6〜700円の安酒なんだろうと思う。

俺サマが定期的に通っている歯医者では、電動歯ブラシにドイツ製の歯磨き粉 を使っているが、それを患者にも1本1000円で分けてもらえる。1000円の 歯磨き粉だから、さぞかし立派なものだろうと有難く使っていたのだが、ドイツの スーパーに行ったら300円ぐらいで売ってる、ごく普通の歯磨き粉だと分かった。 上のワインの価格は、この例を単純にあてはめて想像したもの。

ちなみに、日本で1000円、ドイツで300円程度と分かった後、どうしたか というと、前回オスナブリュックから帰って来る時に何本か買ってきた。それが ちょうど最後の1本になって、どうしようかと思ってたところで今回のドイツ出張 である。当然また数本買ってきた。

ごく普通の歯磨き粉なら、わざわざドイツのスーパーで買い貯めしなくても 日本のもので十分ではないかという説もあって、それはもっともな話なのだが、 1000円の歯磨き粉を数回買ってしまった悔しさを思うと、それぐらいやらない と気が済まないのである。

ところで、前にオスナブリュック滞在 の土産として、酒で人生を半分踏み外している同僚にズブロッカの小瓶を買って きたのだが、彼があまりに美味そうに飲んでたので、自分の分も買ってくれば良 かったと、秘かに激しく後悔していた。今回はしっかり同じものを買ってきて、 冷蔵庫でキンキンに冷やしてある。ワインの次はズブロッカだな。

2012年6月12日(火)
<<机の上>>
数理研の研究集会2日目だが、今日は大学で色々雑用を片付ける必要 があるので、パス。明日が最終日らしいが、これは講義や雑用が目白押しなので、 これもパスする予定。

今朝も時差ボケの影響で結構起きづらかった。午前中は自宅で、ドイツの 研究集会のノートを整理。昼過ぎに山科駅前Sbuxで昼食をとってから、 大学に出勤。書類を確認してあちこちメールを出したり、明日からの講義の 準備をしたり、研究室の本で少し調べ物をしたり。夕方帰宅して、夜はまた ノート整理の作業。

そういえば、昨日の日誌で、俺サマは数学では他人に褒められたことが ないと書いたけど、可換環論をやっていた10年ぐらいの間に、2回だけ褒 められたな。馬鹿の俺サマとしては、かなり上出来だ。

まあ、俺サマとしては、誰かに褒めてもらうために絵を描いたり 数学をやったりしているわけではないし、特に絵は自分が納得すれば それでよしって感じ。

しかし、褒められりゃあ勿論嬉しいわけで、逆に代数幾何学のよう に、いつまでも「俺サマは馬鹿」状態のまま推移するのも、ちとしんどいな。 俺サマは今でこそ「俺サマは馬鹿」キャラで売ってるけど、ちょっと前までは 「オレ様で自己中でクール」な俺サマで通してたぐらいだから、 もともとそんなに謙虚な人間でもないのである。そのうち、何かの切欠で スイッチが入り、「俺サマが馬鹿で何がいかんとや!」(何処の方言や?)と 喚き散らして、研究集会の教室の机を全部ひっくり返して暴れ回ったりして。

でも、大抵の研究集会は、机や椅子が床に固定されている大学の教室を使う ので、せいぜい意味不明なことを喚きながら、机の上を猿飛佐助みたいに 飛び回るぐらいかな。

机の上といえば、ドイツの研究集会であの嘘臭い集合写真を撮ったとき、 意外な発見をした。写真を取る都合上、少し高い所からカメラを構えない といけなくて、休憩時間のためのケーキや飲み物が置いてあるテーブルの上 に上がることになった。この時、日本人なら靴を脱いでテーブルの上に上が るが、奴らは土足のまま上がってたな。

それはその人だけかと思ったら、2枚目を撮ってもらおうと、たまたま通 りがかった大学院生みたいな人に頼んだときも、同じように土足で上がってい た。行儀の悪い連中やのう、ちゃんと靴を脱がんかい!と。

まあ、他所の国だから黙ってたけどね。じゃあ、日本なら注意するのか というと、日本人って凶暴だし、刺されるのが怖いから、やっぱり黙ってる だろうな。

2012年6月11日(月)
<<時差ボケ>>
俗に年寄りの筋肉痛は1日おいてからやってくると言われるが、 時差ボケもそうなのか。昨夜もそこそこ眠くて早く寝たが、 今朝はなかなか起きられず。幾ら寝ても眠いって感じ。午後は特に睡魔が 酷かった。

昼過ぎに百万遍に行き、久々に新福菜館で昼食。朝食が遅かったので、 軽めのメニューで済ませる。それからまだ眠いので、京大生協の自販機 珈琲でもと思ったが、ふと魔がさして喫茶進々堂に入ってしまった。

数理研の研究集会の午後の講演を聞こうと思ってやってきたのだが、 まだ1時間ぐらい時間があるので、マインツでの研究集会でのノートを読み 返したりしていた。そしたら、今日の研究集会に参加している数学者たちの グループが入ってきて、近くのテーブルを占拠した。彼らが何やかやと数学者 らしい会話を始めて、雰囲気が怪しくなってきた。

彼らの会話が「高山は馬鹿だね」「そうだね」と言ってるように聞える なら、マジで病院に行こうかと思ったが、そうでもなかったので、予定を繰 り上げて早々と退散。数理研に向かう。

まずは数理研猫を表敬訪問。誰かが鼠のぬいぐるみを持って来たらしく、 猫の枕元に転がっていた。近くに居た人の話によると、折角持ってきたのに 見向きもせずに寝ているらしい。いかにもこの猫らしい。俺サマもこの猫の ように生きたいものだ。

研究集会では、講演を2つ聞いたが。特に2つ目の講演の時は、 時差ボケの強力な睡魔に襲われ、大変だった。3つ目の講演が今日の最後 だったが、これは俺サマが聞いても理解不能な難しい話なので、パス。

寺町三条の額縁屋に立ち寄って、水彩画用の額縁を1つ買い、ついでに JUEGIA三条本店をちょって偵察してから帰宅。早速6枚の絵を額縁に 入れてデジカメで撮影の後、夕食。それから久々のラクトスポーツプラザ。 今日は楽しいZUMBAと筋トレ。

何と申しましょうか、俺サマは絵に関しては色々な人に褒められることがあるし、 自分でもこれはいいなと思えるような自信作が描けることもあるけど、 数学に関しては褒めらた例などないし、いつも糞みたいな論文ばかり書いてるな。 ただ、自分が一番得意なもの好きなものは、職業にしない方がいいって考え方も あるし、図らずしも俺サマはそれを実践してるってわけ。

2012年6月9・10日(土・日)
<<愛想無し>>
9日は9時過ぎにホテルをチェックアウトし、すぐ近くのマインツ 中央駅10時2分発の各駅停車(S-Bahn)に乗り予定通り10時29分に フランクフルト駅に到着。そこからルフトハンザのカウンタのある 第一ターミナルへの道のりも、表示に従って行ば簡単だった。

ドイツのことだから、ホテルのチェックアウトで「まさか!」 の事態が起こらないとも限らないし、鉄道の遅延は日常茶飯事だし、 巨大なフランクフルト空港で右往左往する可能性も否定できないの で、用心して早めに出発したのだが、全てがあまりにも順調で、 いずれも想定される最小の時間で進行した。

それで14時のフライトのチェックインまでにかなり時間 ができたので、空港でぶらぶらして時間をつぶす。

空港で見張っていると、研究集会に出席していた人もぽつりぽつりと 姿を現し、色々な便に乗っていく。俺サマのようにまっすぐ本国に帰る人 もいれば、せっかくドイツに来たついでに、集会に一緒に参加していた ドイツの共同研究者などのところに立ち寄っていく人もいる。

俺サマもこの機会にオスナブリュックに寄っていこうかと思ったかと いうと、全然思わなかったし、向うの先生にも連絡しなかった。まあ、 集会で顔を会わせて、向うが何か言ってきたら挨拶すればいいし、 「あ、馬鹿の高山も来てる」と思って知らん顔していれば、こちらも知らん顔 してればいいし、と。

そういえば、懇親会場に向かうとき、たまたま一緒になった某国の先生と、 もう一人一緒だった日本人の先生は互いに自己紹介し合ってたな。俺サマは 傍にいて間を持たせるために何やかや話はしたものの、別に自己紹介はしなか った。俺サマは馬鹿だし、馬鹿の名前なんか覚えてもしょうがないだろう、と。

そういえば昔、エッセンで世話になった先生に「お前は全く愛想無しだな」 みたいな事を言われたことがあるな。日本に帰ったら「今、無事に着いた」と メールをよこすとか、そのぐらいしたらどうだ?とか、クリスマスカードも送って こないだろう?とか。んな事言ったって、飛行機が堕ちたかどうかはニュースに 気をつけてりゃあ分かるだろうし、そんな馬鹿のことをいちいち気にしても しょうがないじゃん。クリスマスカードにして、折角送っても、もしかして 「ああ、高山の馬鹿からか」とか言って、そのまま破いてゴミ箱 行きになってるかも知れんから、無理して出して良いものかどうか、わからんでは ないか、と。

という具合で、無愛想を反省する兆しもない俺サマなのさ、と。

14時のフライトは順調に飛び、予定通り10日の朝7時40分に 関空に到着。自宅に戻ったのは、10時半頃。その後、時差ボケの 睡魔に断続的に襲われながら、出張の後片付けをしたり、ぼんやりしたり。

2012年6月8日(金)
<<研究集会終了>>
研究集会最終日。昼休みは弾丸スターターよろしく、グーテンベルク博物館に 突進!と思ったが、何と集合写真を撮るんだと!俺サマは数学の研究集会の 集合写真が大嫌いである。何なの?この、「俺達みんな仲間だぜい!」みたいな 嘘臭さは。「俺達(から馬鹿を取っ払った残りは)みんな仲間だぜい!」と言うのが 正式だが、カッコ内は言わずもがななので、省略するのが普通である。で、 「馬鹿の俺サマも大丈夫っすか?」などと野暮なことは聞かず、出張 しましたという証拠写真になるので、一番前の列でちゃっかり写った(つもり)。 流石にピースポーズなんかしてると部外者にも馬鹿であることがバレるので、 すまし顔で写っている(はず)。

集合写真の後は、昼食をその辺で買ったケバプサンドを歩行摂取しながら、一路 グーテンベルク博物館へ。実は俺サマはあまり興味がないのだが、一応どんなものか 見ておこうか、と。で、予想通り昔の印刷機械や古い本、ヨーロッパに限らず、中国や 韓国、イスラム圏の印刷技術の歴史的展示があるだけで、どうってこともない。 グーテンベルクの時代そのままの方法で自分で印刷を体験できるコーナーがあったが、 インクの臭いプンプンで、子供たちが作業着を着せてもらってわいわい体験印刷 していた。俺サマは昔のガリ版印刷機の時代を知っていて、あれで悪戯をしてインク がベタベタ付いて苦労した記憶があるので、これもさっさと退散。

ただ、日本に比べてドイツではよく本が読まれていて、本に対する思い入れが 強いような気がする(あくまで「気がする」だけだが)のは、グーテンベルグの国 だからかなと思った。

博物館を出て大聖堂とシャガールが作ったステンドグラスの聖シュテファン教会 を速攻で偵察飛行し、すぐにバスに飛び乗り、午後の講演ぎりぎりに戻る。講演は 16時前に終了。今日は天気も良くて暑いので、中央駅のスーパーでビールを買って ホテルに戻り、ひと息入れる。

夕方、まだ(サマータイムのため)日も高く、夕食にはちと早く、さりとて 教会は閉まっているし、他に見たいところももうないので、この街の繁華街に 相当する一角に行ってベンチに腰をおろし、風景画を一枚仕上げてからホテルに 戻る。

夕食はまたホテルのレストラン。あらかじめ目をつけておいたシュパーゲル料理 を注文。店には年金生活者のオジサンたち8人のグループが「男子会」をやっていて、 そのうち年金生活者のオバサンたち4人のグループがやってきて、別のテーブルで 「女子会」をやっていた。

女子会は日本でも珍しくないが、男子会にはちょっと驚きである。以前ベルリンで 適当に飛び込んだレストランでも同じような光景を目にしたから、これはここに 限らず、ドイツのあちこちで見られる現象のように思う。歳を取って引退して暇 になったからといって、急にこんなことができる訳がない。若い時から、職場や プライベートな食事会などで、べらべらべらべら、べらべらべらべらとどうでも いいようなお喋りを延々と続ける訓練をしていないと、こんな芸当ができるわけ がない。そして彼らは実際そうしているようである。

俺サマの僅かな経験でも、ドイツのオッサンはお喋りのプロであり、 (何時の間にかお喋り嫌いになっていた)俺サマが、いくら語学学校に せっせと通ってドイツ語を習っても、奴らには歯が立たない。

それにしても、今回の出張は実り多いものだったと言えよう。研究集会 の内容も刺激的で色々勉強になった。論文やプレプリントを読むのもいいが、 本人の講演を聞いた方が基本的なアイディアが簡単に分かったり するものだし、研究効率という面でもこういう集会に参加する意味はある。

集会の合間にせっせとマインツの街を偵察飛行し、風景画も6枚描いた。 俺サマはドイツに来るとStrassenkunstler(路上の芸術家)に変身するってわけだ。 8年ぶりにシュパーゲルも3回食べたし、それやこれやで気が紛れて、 馬鹿嫌いの数学者集団の中に居る憂鬱さも忘れることができた。

問題はマインツの人たちで、俺サマを外人観光客扱いをして(まあ、似たような ものなんだけど)、こちらがちょっとでも口ごもるとすぐに英語で話してくる ところが気に食わない。マインツはそれなりに観光地ではあるし、昔から通商の街 として栄え、人の行き来が盛んだったからかしら。オスナブリュックやエッセンは 観光地という感じではないし、アジア系の住民も沢山居るのでドイツ語だけで 応対してくれたから、俺サマとしては気分が良かった。

それからマインツでは何故か、炭酸入りミネラルウオーターは、炭酸少なめの ものばかり売っていて、エッセンやオスナブリュックのような俺サマ好みの 「炭酸きつめ」というのが売ってないのは不満である。

ま、そうは言っても、俺サマは基本的にドイツ贔屓だし、全体として マインツは他の多くのドイツの都市同様、気持ちの良い街だと断言しておく。

明日は14時のフライトで関空到着は明後日の朝の予定。

2012年6月7日(木)
<<有意義な午後>>
研究集会4日目。街も大学もどうも静かだと思ったら、今日は祝日らしい。 研究集会も午前中だけで終わりで、午前最後の講演が終わる頃には既に チャーターバスが待っていて、皆さんそれに乗って、ライン川下りと 古城跡の見学、そしてライン河畔のワインを楽しみながら夕食という社交行事 に出掛けて行った。

そこで注意深い読者のみなさんは2つの疑問を抱くであろう。 まず、「昼食はどうするのだ?」と。同じ質問をしている参加者もいた。 正解は知らない。ただ、いつもは珈琲の時間にビスケットが出ていたが、 今日はケーキが何種類が出ていた。「こんなの、午前中のお茶の時間に食 べてたら、昼食が食べられないじゃん!」と思ったが、午後は精力的に 偵察飛行をしたいし、ケーキを昼食代りに食べておけばいいかと思い直して、 ガッツリ食べておいた。

しかし研究集会の他の参加者達も、午後の遠足に出かけたら昼食は船 の上で自腹を切らねばならぬかもと予想したのか、皆さんごっついケーキを ばくばく食べていた。それで俺サマも、ははあ、このケーキは「昼食代りに 今のうちに食べておけ」ということなんだなと悟った次第。「パンが無ければ ケーキを食べればいいじゃないの?」って、マリー・アントワネットも 言ってたそうだし。

2つ目の疑問については、既に何度も書いているので、本当に注意深い 読者なら抱かないものだと思うが、「お前は遠足に行かないのか?」という やつ。

そういえば今朝集会会場に行ったら、以前お世話になった 某数学者が、「お前は今日の遠足に行かないのか?」と聞いてきた。何だ、 自分から声をかけてくるなんて、この人、俺サマが馬鹿だってことを知らないのか、 それとも、実は数学者でないかのどちらかだな。

兎に角、「興味ないし、申し込んでない」と答えたが、「でも綺麗な 所だぞ。申し込みは今からでも間に合うのではないか?」と粘ってきた。 五月蠅い奴だなあ、貴方はライン川観光協会の回し者かいな?綺麗だか何 だか知らないが、数学者と一緒なら全てがぶち壊しだろうが。人生は短い んだし、そんなことで時間を浪費するわけには行かんでしょうに?そんな ことも分からないんですか?!って、馬鹿を相手にする時 の数学者のような調子で怒鳴り散らしてやろうかと思ったが、「んなこと、 分かるわけないか」と思い直し、「ま、兎に角、僕は街を散策します」と誤魔化した。

その後、一旦ホテルに戻って荷物を詰め変え、それから5時間ほど街を 彷徨って絵を描いたりしていた。その後の詳細はフェースブックに写真付き で書いたので省略。兎に角、絵を2枚描き、ホテルに戻ってシュパーゲル料理と リースリングワインの夕食を楽しみ、「数学者たちと遠足なんか行ってたら、 こんな有意義な午後は過ごせなかっただろうな」としみじみ思った次第。

特に、古いカトリックの教会は良い。数学者は馬鹿が大嫌いだが、神様は 馬鹿でも受け入れてくれる。数学者の前では馬鹿とオリコーの歴然とした区別があるが、神サマの前では馬鹿もオリコーも皆平等である。だから、 大聖堂の中で静かに座っているだけで、「ああ、ここに来て良かったな」と しみじみと安らぎを感じる。そういえば、オスナブリュックでも同じことを思 ってたっけ。

2012年6月6日(水)
<<シュパーゲル>>
研究集会3日目。詳細は例によってフェースブックにてUP。ここは、 研究集会の中身に関したことなど。

朝、大学の正門前で、某数学者が俺サマに挨拶を してきて、そのまま何やかやお喋りしながら会場に向かった。 今日から会場が数学科の建物から核物理学科の大講義室に変わった。 それにしても、向うから声を掛けてくるところを見ると、その某数学者氏は まだ俺サマが馬鹿だってことを知らないんだな。

数学者は馬鹿が大嫌いなので、研究集会の休憩時間など、人々が 三々五々集まって何やかやと語り合っている中、馬鹿はその辺で ひっそりとしているものである。まあ、馬鹿同士で群れるという手も あるが、俺サマは群れる相手が居ないぐらい断トツで馬鹿なので、 その手は使えない。

しかし、偉い数学者なら休憩時間の人気者になれるのかというと、 そうでもないようだ。俺サマの長年の調査の結果、研究集会の 招待講演者として引っ張りだこみたいな偉い数学者でも、休み 時間などは案外誰にも話掛けられずに、ひとりぽつんとしてたりする 例が少なくない。フィールズ賞級の人だと、皆が怖れて近寄らない ということもあるかもしれないが、普通に偉い人でもそんな例はちょいちょい 見掛ける。本人がそれを望んでるのかどうかについても、 よくわかっていない。

と、まあ、研究集会の中身と言っても、また俺サマ三段論法 の話を書いてるだけだけど。

今日も降ったり晴れたりと変な天気だった。ドイツの6月としては、 異常気象と言ってもよいだろう。しかし、今日も長めの昼休みがとれたので、 昼食はその辺で買ったサンドイッチを歩行摂取で済ませ、速攻で街に 出て絵を描く。やっぱり大聖堂の中は凄いことになっていて、これは描かず にはおれない。それにしても、大学と市街地が遠いのは不便なものだ。 こんなにあわただしい出張は初めてだ。

サマータイムで夕方17時18時なんでまだ昼間のように明るいので、 また街に出て絵を描く。夜はホテルのレストランで、シュパーゲル 料理の夕食。シュパーゲルは今が旬で、大学の正門のところにも、農家のオジサン が屋台を出して、苺などと一緒に大量のシュパーゲルを売っていた。 俺サマとしては、まさに8年ぶりのシュパーゲルで、涙が出るほど 懐かしい味であった。

2012年6月5日(火)
<<まだバレていない>>
研究集会2日目。詳細は例によってフェースブックに写真つきでUP したので、省略。

今日は昼休みがちょっと長めにとれたので、音楽学部の学生による ランチタイムミニコンサートを聴きに行った。音楽学部の建物の中 にコンサートホールがあって、そこで行われれた。

コンサートを聴いてから、速攻でキャンパス内のケバプレストラン で昼食。それから大学前からバスに飛び乗って旧市街に繰り出し、 古い教会に潜入。スケッチをして色を塗って、かれこれ1時間ちょっと 滞在。それから大慌てでホテルに戻って荷物を取り変え、駅前から バスに飛び乗って、何とか午後の講演までにたどりつく。

本日の全ての講演は18時過ぎに終了し、それからまたバスで市街地 に移動して19時からのバンケットに参加。かなりちゃんとしたコース料理 が出た。あーっ、日本に帰って体重計に乗るのが怖い。。。

ベジタリアン料理というのは、ちょっと聴き間違えていて、 ベジタリアン料理もありますから、そういう人は言ってくださいという 話だったらしい。

バンケットは各自10ユーロで飲み物別料金という話だったが、この 研究集会は資金が潤沢らしく、どこからか補助が出たようだ。

一番恐れていたバンケットの「退屈対策」だが、たまたまバンケット会場 に向かう途中から、某超優秀数学者とずっと一緒だったので、そのまま 隣同士の席になった。色々話をして、帰りもホテルが近いことも あって、一緒に帰ってきた。

幸い、この数学者にはまだ俺サマが馬鹿だということがバレていないら しく、そのお陰で普通普通に話ができたようで助かった。これでこの研究集会の 最大の難所は乗りきった!

2012年6月4日(月)
<<ニヤける>>
研究集会初日。詳細は例によってフェースブックに写真つきでUP したので、省略。ただ、フェースブックでは研究集会の中身について はほとんど何も触れていない。

講演は、あまり期待していなかったものが案外面白く聞けて、期待 していた講演がさっぱり理解できず閉口したりと色々であったが、まあ、 やっぱり来て良かったなと思う。

社交行事については、最初のレジストレーションの時に参加するか どうか聞かれ、明日のバンケットだけ参加すると言ったら、会費の 10ユーロを聴取された。ドイツのレストランでしっかりしたものを 注文すると、少なくとも20ユーロぐらいはするのだが、10ユーロ では何が出てくるのかしら。ベジタリアン料理で、飲み物は別料金だと 聞いたけど。

今日の講演は18時過ぎに終了したので、それから街に出て旧市街 などを偵察飛行。大学は広大なキャンパスで、しかも市街地からは 徒歩30分以上離れている。しかも30分のうちの10分は、 研究集会が開かれている数学科の建物から大学の門にたどりつくまでの 時間!そんなわけだから、昼休みなどにちょっと市街地を散策などという 器用なまねをしようと思うと、バスに乗らないといけない(まあ乗れ ばいいのだけど)。

夕方の偵察飛行によって、 この街の様子が大体わかった。ああ、やっぱりドイツの街はいいなあ、と思わず ニヤけている自分を感じる。

2012年6月3日(日)
<<ウキウキする>>
9時40分関空発のルフトハンザLH741は、無事現地時間14時25分頃に フランクフルト空港に到着。ヨーロッパの6月はジューンブライトの言葉 通り、カラっと晴れて気持ちが良い日が続くものと思っていたが、空港は雨模様 で、あと2,3日くずついた天気が続くようだ。

入国審査では今まで何も言われたことはないのに、今日は 「貴方はドイツに住んでるのか?」と妙なことを聞かれて、 「え?何ですか?わかりません。。。」と絶句。「兎に角、マインツに行くんです!」 と言うと「出張ですね?」と言うので、「そうです」と答えて、無事無罪放免。

それからSバーン(ローカル線)で半時間 ぐらいのマインツに向かうのだが、窓口は旅行者の長蛇の列。それで乗車券の 自販機へ。しかしドイツ鉄道のアホ自販機は5ユーロか10ユーロ紙幣しか受け 付けないことを忘れていた。10ユーロ紙幣をひねりだすのにひと苦労。 しかも最初に使った機械は皺だらけの10ユーロ紙幣を受け付けず。もう一つの機械は、しばらく悩んだ様子があったが、「頑張れ!頑張れ!」と励ましたら、ちゃんと 受け付けてくれた。ということで、思わぬところで時間を食ったが、何とか 現地時間15時29分の電車に乗って15時55分にマインツ中央駅に到着。

ホテルは駅からすぐ近くなので、それから先はまずまず順調。それ以後のこ とは写真付きでフェースブックに書いたので、日誌では省略。 ひとつ言えることは、「あー、ドイツに帰ってきた!」って感じで、何となく ウキウキしている。

明日から一週間、数十名の数学者の集団に身を投げなければならない 憂鬱と、このウキウキを秤にかければ、どちらが勝るか?まあ、なるべく、 ウキウキが勝るように、何とか頑張りますわ。

2012年6月2日(土)
<<関空の夜>>
午前中は最後の荷造りを終え、自腹タクシーで大きなトランクを 京都駅に運び、駅に荷物預かり所に預ける。1日410円也。 そのままJRで南草津に向かい、12時半頃大学に到着。 今日は5月の連休の振り替えとして、木曜日の授業が行われる 補講日のため、生協食堂は学生でごった返していた。

いったん研究室に行き、少し講義の準備などをしてから、13時過ぎに もう一度生協食堂に行って昼食。研究室に戻って、さらにまた講義の準備など。

14時40分から16時10分まで2回生「代数学序論I」の講義。 今日はQ(√ー3、2^(1/3))が6次元のQ線形空間であることを 示し、Q上のガロア群の定義を書いたところで時間切れ。ただし、この ガロア群がどういう意味を持つかといったことを、これまでやってきた 具体例の議論を踏まえて一通り説明は行った。次回はこのガロア群が ちょうど3次対称群になることを示す予定。

講義の後、例によってあの工学部の先生が入ってきてウロウロするのだが、 今日は先を急ぐので、そんなに「報復措置」に時間は掛けられない。 16時15分まで教卓を占拠して、しぶしぶ明け渡した。

一旦研究室に戻って荷物を取って、すぐにバス停に向かう。幸いバスは 込んでおらず、すぐに乗れ、土曜日だから道路も混雑なしで、順調に京都駅 に到着。預けておいたトランクを受け取り、17時45分の特急はるか で関西空港に向かう。特急はるかの車両クリーニングスタッフって、 列車が発車するときにホームに並んで、手を振って見送ってくれる。 あれはいいですねー。 明日は9時40分のフライトで関空を発ち、フランクフルト着は 日本時間の21時40分頃。順調に行けば、明日中にマインツのホテルに チェックイン。いちおうインターネットは使えるはずだけど、去年のトロント の時みたいに、何が起こるかわからないので、次の更新は何時になるか、 微妙。

2012年6月1日(金)
<<対話の効用>>
午前中は明日の出発の準備などを少し。それから自宅を出て、 日本を発つ前に一度食べておきたいと思ってた山科の某ラーメン店 で昼食。と言っても、1週間程度日本を離れるだけだけど。

日によって塩を入れ忘れたり、入れ過ぎたり、色々する店 だが、今日は明らかに入れ過ぎ。それから山科駅前Sbuxにて、 食後のコーヒーを飲みながらしばし数学の後、大学へ。

14時過ぎに出勤し、14時40分より16時10分まで 代数グループの卒研。最初の発表者は、一般の代数方程式の解と係数の関係 のところを途中まで。次の発表者は環の単元の単項イデアルによる特徴づけ、 体の定義、体のイデアルや準同型写像による特徴付けの途中まで。

さすがにこのレベルの数学だと、馬鹿治療のネタは見つけにくいが、 解と係数の関係のところで、「、、、従って、代数方程式を解くということは、 このn変数n個の非線形連立方程式を解くことと同値である」というテキストの 1文には、俺サマの馬鹿の皮が一枚剥がれるような気分になった。まあ、 言われてみれば当たり前だけど、そんな風に考えたことはあまりなかったかな、と。

数学は一人でシコシコ勉強して悶々と考えるのも良いが、誰かと対話 しながら考えていると、例え論文になるような新しい発見に至らなくても、 小さな発見が沢山あって、なかなか良いものである。数学者が研究集会を開 いたり、懇親のための社交行事をしたりするのも、彼らが数学的な対話が いかに生産的であるかを知っているからだと思われる。

ただ、この対話はある種の信頼関係がないと成り立たないわけで、こいつと話 をすると自分のアイディアが盗まれるのではないかとか、こいつはどうせ俺サマ のことを馬鹿だと思ってるんだろうとか、そういう風に考えていると駄目である。 まあ、俺サマは盗まれて困るような画期的アイディアは持ち合わせてないが、 「俺サマは馬鹿、数学者は馬鹿が大嫌い、よって数学者は俺サマが大嫌い」の 俺サマ三段論法の呪縛から抜け出さない限り、数学者たちとの対話はできない。 それで、自分の馬鹿治療と称して、学生と対話してるってわけ。

16時20分からの代数幾何学グループは、教職志望者が多く、教育実習 で半数以上が欠席するため、卒研ゼミはしばらくお休み。

ゼミのあと、すぐに帰宅して、しばし野暮用。夕食後はすこしゆっくり して、明日の出発に向けて荷造りをしたり、身辺整理(?)をしたり。