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2012年5月15日(火)
<<サンクチュアリ>>
午前中は雨の中、山科区内で野暮用。そのまま関西日仏学館へ。 図書室でしばし数学。それから新福菜館百万遍店へ。百万遍 交差点から東に向かおうとすると、おびただしい数のおばさん 達が歩いてきた。さては何かイベントでもあったのか?と思ったら、 近くの百万遍知恩寺で「てづくり市」なるものが開かれていた ようだ。彼女たちの一部は、今出川通りの飲食店で昼食をとろう と、あちこちの店の前に群がっていた。ただでさえ店が込む 昼食時なのに、これはちとまずいかな。

しかし新福菜館百万遍店は大丈夫である。店構えに 独特の雰囲気があるので、今日たまたま近くに仕事に来てる、 大ラーメンと炒飯大盛りでガッツリいきたいガテン系のオジサン とか、俺サマのような通でないと、ちょっと入りにくい。 たまに寺に遊びにきたおばさんたちが押しかける心配はないのである。

それに、この店は何故か数学者も寄りつかないようなので、 例えば近くの京大数理研で研究集会があって、昼食時に大量の 数学者がその辺をウヨウヨしているような時でも、この店に 逃げ込めば安心して昼食をとることができる。ま、俺サマに とってはサンクチュアリというか、安全地帯なのさ。

昼食後は数理研図書室にて数学。雨が強く降って寒々とした 天気なので、数理研猫は毛布を被って昼寝をしていた。 今日はRitsの図書館にはなくて、PDFのダウンロードも できない古い雑誌を借り出してコピーした。

夕方頃、独りで何やかやと音を出して常時存在をアピール する例のオジサンがやってきた ので、適宜退散。帰りに猫のところに寄ったら、目を覚ましていて 顔を洗ったりして身づくろいをしていた。「また来るからな」 と言って数理研を発つ。

帰りはJEUGIA三条本店を少し偵察。フォルテピアノで モーツアルトを弾いている、なかなか良いCDが出ているのだが、 「どうしようかなあ」と迷うところ。フォルテピアノの音の出し方 が上手い。まあ、迷うんだから、結局買わないだろうと思われるが。

それからラクト山科で安い赤ワインを1本買ってから帰宅。 しかし昨日の飲み会で沢山飲んだので、今晩は酒抜き。少し数学。 ときどき、ふと思い出して、6月のドイツ出張準備で必要なこと をせっせとメモしたり。

ドイツの研究集会では、夕食会や昼食会のようなものも あるそうだが、そんな数学者の社交に参加しても馬鹿の俺サマに とっては面白いことなど何もないだろうし、その時間に 教会遊びをしたり旧市街のスケッチでもしてた方が気が 利いてるじゃないかということで、そちらにしようという気でいる。

しかし一方で、これは昨夜の歓迎会同様、数学者たちの人物 情報を仕入れる重要な仕事の一環だし、2年前に行ったベル リンの研究集会では、ひょんなことから若い数学者たちと2次会 に繰り出して結構愉快だったし。どんなに気が進まなくても、 参加すべきかなという気もあって、今ちょっと迷っている。

2012年5月14日(月)
<<憑依現象>>
午前中は自宅で野暮用の後、歯医者の定期診療やドラッグストアで買い物。 それから山科駅前Sbuxで昼食、そして少し数学。それから大学に出勤。 今日は本来なら出勤日ではないけど、夕方に新任教員歓迎談話会と歓迎会 があるから、研究室で少し数学でもやってようか、と。しかし最近睡眠不足 気味で昼間ずっと眠い。ソファーに寝っ転がって本を読んでいる間に 気を失い、気がついたら談話会の時間が近づいていた。

談話会はまずまず面白い話が聞けたと思う。そのまま瀬田駅前に移動し、 宴会。日本酒を4合ぐらい飲んだはずなのだが、夕食後にワインをグラス 2,3杯飲んだときよりも酔わないのは何故かしら?まだ残っている人も 居たが、俺サマは22時過ぎに退散し、23時過ぎに帰宅。

宴会で、普段はとても腰の低い好青年なのに、数学が入ると人が変わ ったように高飛車で戦闘的になる若手数学者の話を小耳に挟んだ。 この手の憑依現象は、数学業界では別に珍しくも何ともないし、若い数学者に限 った現象でもない。人の人格をあんな風に変えてしまう数学って、恐ろ しい魔力を持った学問だなと思うが、その魔力にとりつかれて二重人格 みたいになってしまう人とそうでない人が居るように思う。

概して、大人しい感じの人がそういう風になるような気がしているの で、腰の低い優しげな数学者にはなるべく近寄らないようにしている。 しかし、そうでないタイプの人でも、数学者というのは色々あるので、 やっぱり近寄らないのが一番だと思う。

2012年5月13日(日)
<<才能の差>>
午前中は京都新聞日曜版の2つのパズルと野暮用。午前中に自宅を出て大阪へ。 午後は大阪市内某所で開かれた小さなピアノコンサートを聞きに行く。

最初のスカルラッティーはちょっと緊張してるかな?って感じだったが、 それ以後、ベートーヴェン、モーツアルト、中国人のナントカという作曲家、 ドビュッシー、ラヴェル、そして最後にスカルラッティーのアンコール。 どれもこれもほぼ完璧な演奏で、しかも全部暗譜でやっていた。彼女、 個人的に誰かについて習っているとは思うが、大学は英文科の大学院卒で、 音大には行ってないそうだ。こうなると芸大って何なのかという気がしてくる。

確かに、芸大みたいなところで4年間絵ばかり描いてましたっていう人 の絵が「うーん」ってことは珍しくないし、内田光子さんみたいに、音大出 てない有名演奏家も珍しくはないようだ。子供の頃から音楽一筋で芸大も出 て外国の音楽学校にも留学経験があるんだけど、ぱっとしない演奏家も少な からず居るな。芸大では小手先の技術は教えてくれるだろうけど、結局は 本人の才能がモノを言うんだろうし、流石に才能までは教えられない。

それは芸大に限らず、何でもそうだ。コンピュータのプログラミングだって、 情報学科みたいなところで、やれプログラミング演習だ何だって大騒ぎして 教えているけど、駄目な人は情報系の大学を卒業しても全然プログラムが 書けない。そういう人は沢山いる。逆にセンスのある人は、例えば大学では ドイツ文学ばかりやってたし、コンピュータは触ったこともありません!み たいな人でも、数ヶ月の会社の研修だけで立派なプログラマーに成長するこ とも珍しくない。俺サマの友人で、高校も碌に出てないけど、コンピュータの ハードからソフト、各種プログラミング言語すべて独学で、SE屋の 自営で立派にやってる人もいるし。

数学は高度で体系的な知識を学ばないといけないから、流石に それなりの学校を出ないと駄目かというと、必ずしもそうでもなさそうだ。 俺サマの学生時代、数学科の大学院入試は今とは比べ物にならないほど難しく、 俺サマを含めて、4年間「数学命!」と四六時中数学ばかり勉強してても 大学院入試に合格できない、駄目学生は沢山居た。

しかしその一方で、哲学科の卒業生で、さらにフランスの大学院 に留学し、そこで「哲学よりも数学の方がエライ」と思い直したのか、 帰国してすぐに数学科の大学院を受け直してあっさり合格しましたという人 が居たな。その人、今どこかの大学で数学を教えていると思う。

たぶん同じ年度だったと思うが、もう一人、医学部の学生で、国家試験も 受かって医師免許も取れたので、病院で医師の研修を受けながら、高校時代から やりたかった数学を勉強しようと思って数学科の大学院を受けましたという人 がいて、これまたあっさり合格していた。

まったく世の中ってえのは、不公平に出来てるもんだな。俺サマにも ちょっとばかし脳味噌分けてくれ!と言いたいところ。

夕方、大阪から山科に戻り、少し時間があったので、駅前の床屋に寄って から帰宅。夕食時、すこしワインを飲み過ぎて、夜はあまり数学ができず。 分野も世代も違うけど、あれだけ才能の差を見せつけられると、 ちょっと腐ってしまうなあ。自分の娘みたいな年ごろの人の才能に嫉妬し てどうするんだ?って話もあるけど。

ま、そういうことは気にしてもしょうがないし、 俺サマのような馬鹿は亀みたいに努力するしかないんだよね。

2012年5月12日(土)
<<現実にはあり得ない>>
昨日、今日と3月下旬並みの寒さ。ちょっと前まで初夏の暑さだったのに。

本日早起きして、9時半頃に関西日仏学館へ。図書室で先週の復習などを やって、10時から12時半過ぎまでフランス語の授業を受ける。 今日は8人の受講生のうち4名が欠席、さらに1名は友人のお祝いが あるとかで、11時に早退していった。

授業が終わってから、昨日満員で入れなかった新福菜館百万遍店に急行。 今日は土曜日ということもあってか、店はすいていた。ここでガッツリ昼食の 後、京大ルネの食堂に移動し、珈琲を飲みながらしばしドイツ語の予習。 関西日仏学館の図書室に戻って、さらに予習を続行。

図書館で予習をしていたら、前のクラスの先生がやってきて、「元気か? 連休はどうしてた?」とフランス語会話レッスンのひな型通りのことを聞いてくる。 午前中にちょうど同じ会話を練習したので、その復習も兼ねて適当に答えた。 不思議なものである。俺サマの日常生活で「連休はどうしてた?」みたいな 会話が展開するのは、語学学校ぐらいなものである。いかにもありそうで、 現実にはあり得ない会話のパターンだな。

16時40分から18時10分過ぎまで、ドイツ語寺小屋にてドイツ語の 授業を受ける。今学期の寺子屋は、モーツアルトの「魔笛」を子供向け人形劇に アレンジしたもののスクリプトを 読んでいくというもの。子供向けとはいえ、やけに難しい表現が出てくるが、 子供向けのお伽話の語り口というのは、外国人学習者にはそれなりに難解なのが 普通だとか。

今日から関西大学の事務職員の人が寺子屋のクラスに加わった。そういえば、 以前、関西日仏学館のクラスメートで、阪大と同志社大学の事務職員の人 が居たな。

寺子屋が終わって、徒歩にて河原町三条まで行き、JEUGIA三条本店 やAngers河原町三条本店を偵察したりして道草を食ってから、20時頃に 帰宅。夕食後、今日のフランス語の復習と宿題を片付ける。

2012年5月11日(金)
<<相席>>
10時半から12時すぎまで、京大代数幾何学セミナー。ゼミが少し長引いた ため、いつもよりも少し遅めに新福菜館百万遍店に駆けつけた時には、 狭い店内は既に満員状態。それで諦めてバスで河原町三条へ行き、久々の 丸亀製麺で讃岐饂飩の昼食。

丸亀製麺の小さな2人掛けテーブルで食べていたら、オジサンが うむを言わさず相席で座ってきた。俺サマの隣でも2人掛けのテーブル で一人食べていたお兄さんがいて、そこにも同時に別のオジサンが相席で座ったの だが、この二人のオジサンは友人同士らしかった。

俺サマの子供の頃、町の食堂では相席が普通だったし、今でもドイツでは 「この席、空いてますか?」と聞いて来た時にはもう座ってるといった感じで ある。ドイツ人ってのは、結構強引で。「ここ、空いてますか?」と言ってきたのに 対して迂闊に「うん」と言ったら、「おーい!ここ、空いてたぞー!」と連中の 仲間が大挙してやってきて、わいわいやってる団体サンの中で、俺サマ一人が カンケーない人としてひとり浮いているという図になったこともあった。

しかし、ここ20年ほどの傾向だと思うが、 日本人は相席を極端に嫌うようになった。二人掛けの席に誰かが一人ゆったりと 座っていると、他に席が無くても、日本人は絶対に「ここ空いてますか?」と 聞いて相席で座ろうとはしない。

だから、今日座ってきたオジサンは、俺サマが子供の頃に既に大人だった 日本人、つまり70代以上の人かと思ったけど、見掛けはもうちょっと若く見えた。 だから中国人か何かかなと思ったが、彼ら2人が喋っていた日本語に訛りは なかったし、どうやら60代ぐらいの日本人のオジサンのようだった。

へぇーえ、今時珍しい日本人を見てしまったな、と思って店を出る。 いや、最近流行りの「20歳若く見える100の方法」を実践している 80代のオジサンたちかもしれないけどね。

そういえば、昨日の朝、山科区内の路上で、鼻糞をほじくりながら歩いて いる70代ぐらいの女性を見掛けた。これはちょっと珍しいサンプルだが、 電車の中ではなかったことと、鼻糞を食べるところを目撃していないことから、 サンプルとしての価値はそれほど高くない。

それから、地下鉄とJRを乗り継いで、大学に 出勤。14時40分より16時10分まで、卒研代数グループ。 今日は剰余環のイデアルと元の環のイデアルの対応関係と1変数の多項式環 の構造について。引き続き、16時20分から17時50分まで、卒研 代数幾何学グループ。今日は2次正方行列の固有値と固有ベクトル、および その一次変換としての幾何学的意味、固有値による2次形式の分類など。

ゼミのあと、すぐに大学を発ち、大丸ラクト山科店で安いワインを買って帰宅。 夜は少しワインで呑んだくれて、明日のドイツ語の予習など。

2012年5月10日(木)
<<人間の習性>>
10時半頃出勤。11時から13時前まで、大学院生E君とのゼミ。 今日は、有限生成代数と有限代数の違い、ヒルベルトの零点定理の証明 の一環として、点と極大イデアルの対応関係の証明、基礎体が代数閉体 でない場合の反例など。 ゼミの後、生協で昼食。それからしばし研究室で数学。

14時40分から16時10分まで、2回生「代数学序論I」の講義。 3次方程式X^3-2=0の解の対称性の話がなかなか終わらない。細かい 計算で時々間違って見せると(わざとじゃないんだけど)、複数の学生が 「それ違うんじゃないですか?」と指摘してくれたりする。 皆さんよく理解して注意深く聞いてくれてるようで、結構結構、、、と言いたい ところだが、もうちょっと早く進んで、代数拡大に入らないと。

今日はこのガロア群が確かに群であることを示した上で、3次対称群 と同じものであることを示唆しし、3次対称群の群演算の定義を しようとしたところで時間切れ。次回は3次対称群が群であること、 そして上のガロア群と同型になることを示す予定。

講義の後、すぐに帰宅して夕食。そのあとラクトスポーツプラザへ。 今日は骨盤矯正ヨガと有酸素運動を40分程度。

そういえば、昨夜、アメリカの脳科学者が、人間は自分のこと (自分自身の話や自分の考え)を話している時に脳内にドーパミンが 沢山分泌され、快感を感じることを突きとめたというニュースを見た。 まあ、俺サマも、この日誌を書いている時は結構いい気分だしね。

それで何故人間は自分のことを話すと快感を得るように出来ている のかというと、そうやって他人とコミュニケートすることによって 連帯を強めるように出来ているのではないかということらしい。 何故自分のことを話すと連帯が強まるのかというと、自分のことを話 すこといよって、相手から好意を持ってもらうためだという。 まあ、「自分はこんな人間で、こんなこと考えてますよ」と オープンな人間に対しては、警戒心が緩んで安心するということか。 ふーん、それが人間の習性というものなのか。よくわからんな。

でも、数学者相手に、それをやるのも考えものだ。 「自分はこんな人間で、こんなこと考えてますよ」って話をして、 「あ、こいつ、馬鹿だ」と思われると、好意どころか、相手に されなくなるしね。これは人間の習性とはかなり異なる。 つまり数学者は人間ではないということだな。(と、また数学者の 悪口書いてしまった。)

2012年5月9日(水)
<<昔の卒業生>>
午前中は自宅で野暮用。昼過ぎに家を出て、13時頃出勤。今日も 「C言語とUNIX演習」の唯一の学生は就活で休み。生協で昼食 の後、研究室でしばし数学。

14時40分から16時10分まで2回生「離散数学」の講義。 今日は複素平面の話、単位円上の点を複素数で表したり、それらの掛け算 がどうなるか、三角関数の加法定理を使って示したりした後、1の原始n乗根 の定義をし、nが2,3,4の場合を計算して見せる。それから、それぞれの 結果を複素平面上で表そうということで、nが2の場合を示し、3の場合を少し 書いたところで時間切れ。次回はnが3、4の場合を複素平面で書いて、 nが一般の場合にどうなるかを導く予定。

16時30分から18時40分頃まで学科会議。その後すぐに大学を発ち、 南草津駅前で夕食をとってから帰宅の電車に乗る。電車に乗り込み、席に座って 文献を読み始めたところで突然、10数年前の卒業生が「先生、お久しぶりです」 と現れる。その頃の卒業生は今もう40歳近くになっている。 「先生が僕の卒研を担当してくださった頃の年齢に近づいてます」と。 「そりゃあ、お互い歳をとるはずやねえ!」などとひとしきり話をして、 俺サマは山科で下車、卒業生はそのまま京都方面へ。

卒業生がこうやって社会で立派に働いているのだから、大学教師の 仕事も少しは世の中の役に立ってるんだなと実感。もっとも学生は勝手に 育つのであって、我々はその環境を整備したり後方支援に回ったり しているだけだけど。

帰宅後、夜も数学を少し。

2012年5月8日(火)
<<呆然と立ち尽くす>>
午前中は自宅で文献検索など。どうも俺サマが探している文献はRitsの 図書館には無いらしい。昨日京大数理研図書室に行った時にコピーして くればよかったと、少し後悔。

昼過ぎに自宅を出て、まずは山科駅前で昼食。それから、店内改装の ためしばらく休業とあった、某イタリア料理店に行ってみた。 いつから営業再開するか掲示でもないかしらと思ったのだが、何と 4月26日をもって営業終了とか。むしろ繁盛していた店なのに、 急にどうしたのかしら、と「呆然と立ち尽くす」ってのは、こういうのを 指すんだなというような状態でしばし張り紙を眺める。

「そうか。あの店はもう無くなったのか」と、心の中に大きな穴が空いた ような気分で山科駅前Sbuxへ。山科で一番美味しいイタリア料理店 だったし、少なくともツナトマトソースのスパゲティーは日本一美味かった のに、返す返すも残念だなあ。

人でも物でも、無くなった(亡くなった)時に初めて、自分がそれを どれだけ大切に思っていたか分かるんだなということを、改めて実感。 しかし、なくなった時に初めて、自分がその人や物をどれだけ嫌っていたか が分かるということはない。嫌いなのは生前から嫌いなわけで、なくなれば 「清々したわい」とか「もっと早くても良かったかな」と 思うだけである。

Sbuxで食後のコーヒーを飲みながら、しばし数学。それから出勤。 まずは図書館に直行して、お目当ての論文が無いことを確認。今日は何故か 図書館に沢山の学生が押しかけていた。お目当ての文献のもう一つが研究室 に置いてあったので、それを引っ張り出して読み始める。そうこうしているうちに 教授会。

今日の教授会は、ハラスメント防止講習会が1時間ほど。なかなかた めになる話が聞けた。その後で形式的な議題が35分程度あり、18時5分 頃に終了した。前回の教授会も、学生の学習傾向に関する調査報告が1時間で、 形式的な議題は25分程度だった。これからも毎月2回教授会をすると言って るが、ネタに限りがあろうから、毎回講習会や調査報告会というわけにはいく まい。結局また、形式的な議題をでっち上げて、兎に角月2回を埋めようと するのかしら。

会議の後、生協で夕食をとってから帰宅。夜も大学から持ち帰った文献読み など。

2012年5月7日(月)
<<激しく自己嫌悪>>
午前中は壊れた自転車の修理のために自転車屋へ。そのついでに スーパーで買い物。俺サマの移動手段は、徒歩、タクシー、バス、 電車、そしてたまに飛行機といったところ。

昔、親の車を運転していたが、今は乗らない。前にも何度か書いた ように、俺サマだけが赤外線追尾ミサイル弾と電磁バリア搭載の 特別仕様装甲車で一般道を走ることが許されて、チンピラドライバー の車を片っ端から爆破しても罪に問われないように道路交通法と刑法 が改正されれば、自家用車を持ってもいいかなと思っている。 もちろん、特別仕様車は一台数億円はするだろうから、国の補助金も 出なくてはいけない。

午後は京大へ。まずは京大生協の組合員証の更新手続き。俺サマは 京大の教職員学生ではないので、毎年更新手続きが必要。それから新福菜館 百万遍店で昼食の後、京大に向かったのだが、途中、かなり知っている 京大の数学者が向うからやってきたので、思わず近くのコンビニに 身を潜めてやりすごす。

何で数学者相手にこそこそ逃げ隠れしなくてはいけないんだよう! 馬鹿か?お前は!(って馬鹿なんですけど)と激しく自己嫌悪しながら 数理研図書室へ。

まあ、かなり知ってるから、俺サマとしては「やあ、こんにちは」と 挨拶してしまいそうになるけど、向うは数学者で俺サマが馬鹿だと 知ってるから、数学者らしいリアクションをしてくるはず。今日は折角 数理研図書館で夕方までゴソゴソ数学をやろうと思って来たのに、ここで 気分を台無しにされたんじゃあたまらんなと思ったのが真相だけど。

行きと帰り、数理研猫は例によって丸くなって寝ていた。 しかし帰りは半分寝ぼけ眼で起きかかってたので、 「おい、起きろ!高山サマのお出ましだぜ」と言って ちょっと抱き起こしてやったら、にゃーにゃー鳴きよった。 「うるさいにゃー!いらんことするにゃー!」 とでも言ってのか。それでも目を覚まして、おもむろに顔を洗っていた。 猫はいいな。実にいい。「また来るからな」と言って別れる。

それから京大ルネの書籍部に行って、ゲーデルの不完全性定理に関する 文庫本を購入。去年講義で教えたけれど、その背景みたいなことをもうちょ っと理解してみたいな、と。でも実際に読むかどうかわからないけど。

帰宅して夕食の後は、ラクトスポーツプラザへ。久しぶりに楽しい Zumba.新しい振り付けの新曲が沢山入ってたこともあって、今日は よく汗をかいた。Zumbaは振り付けに関して特に説明はなく、 インストラクターの見よう見まねで適当に踊っていればよい。 お気楽といえばそうだが、新曲を初めて踊る時は、昔流行った 「あっち向いてホイ」を激しくやっているようなもので、 なかなか大変である。Zumbaの後は、筋トレをやってから帰る。

帰宅後は6月のドイツ出張の準備作業に着手。

2012年5月6日(日)
<<不屈の精神>>
午前中は京都新聞日曜版の2つのパズル。昼頃に山科駅前に買い物に 出て、昼食後は自宅にて愚図愚図と数学。夕方頃、街に偵察飛行に 出る。まずはJEUGIA三条本店をさらっと偵察し、若者が溢れ返 る新京極通りを抜けて、ジュンク堂BAL店をぶらつく。

ジュンク堂の店内で某数学者と遭遇した。大体数学者というのは、 たとえ俺サマのことを知っていても、「あ、馬鹿の高山だ。馬鹿に 関わると損するから知らんぷりしてよ」という素振りをするものだ。 しかしこの人は変わっていて、一瞬「あっ、立命館の高山さんだ」 みたいな表情をしていた。ふーん、この人は俺サマが馬鹿だってことを 知らないのかしらと思いながら、知らん顔して通り過ぎた 、、、って、俺サマがやってることは、表面的には数学者と同じだな。 行為の理由は正反対だけど。

それから久しぶりに明治屋を偵察した。店員が客に、「このワインが 一番人気があってよく売れてます」と宣伝していた。俺サマはそれを横 で聞いていて、値段も手頃だしということで1本買って帰る。

帰宅して夕食後も、また愚図愚図と数学。

昨日の自己紹介だが、読者のリアクションもあまり期待できないし、 投稿はやめようという方向に傾いている。

そこでふと思ったのだが、オジサンの中には、他人の話は碌に聞か ないが、相手が興味をもって聞いてようがいまいがお構いなしに、 矢鱈自分の話をしたがる人が少なくない。彼らはたとえ自分の話を 誰も聞いてくれなかったという事態が起こっても、それほど気に するわけでもなく、また誰か聞いてくれそうな、あるいは、 すくなくとも聞いているような顔をしてくれそうな人を探しては、 無駄に自己主張を繰り返す。

この何事にもめげない不屈の精神は、すごいなと思うし、 例えば誰一人理解してないことが分かっている教室で、 延々と講義をしなければならない時に便利だろうなとは思うが、 別に見習いたいとは思わない。

2012年5月5日(土)
<<日々是戦争>>
夕方近くに山科区内に買い物に出た以外は、終日自宅で野暮用やら 数学やら。折角の連休だから、たまには数学以外の本を読んでみるとか、 語学の勉強をしてみるとか、何とか仕様がありそうなものだが、 結局愚図愚図ダラダラと数学をやってしまう。

子供の日なので、柏餅だとかちまきだとか、俺サマが大好きな 和菓子が売ってる。しかし、先日のバーベキューパーティーといい、 ダイエットのリバウンド懸念が高まっているので、 店頭に並んでたりしても、なるべく見ないようにしてパス。

そういえば、最近フェースブックで(旧)国立研究所出向者OBの 非公開グループが出来て、それに入れてもらった。何人かが自己紹介 をしているので、一応自分の分も下書きを書いてみた。つまり、 国立研究所出向からメーカーに戻った1989年から今までの 自分史みたいな話。

自分史っていうのも、いかにも年寄り臭くてヤだなとか思いつつ 書いてみると、我ながら結構悲惨な20数年で、平和な時期もあった けれど、概して日々是偵察飛行どころか日々是戦争って感じ。 自分から戦場に飛び込んでいくような真似ばかりしている。 「あの頃は大変だったな」という時期も多いけれど、結局棚ボタ式幸運 で乗り切って人生をナメて、また 戦争に飛び込むということを繰り返しているのだ。

この自己紹介を本当に投稿するかどうか、迷うところ。

2012年5月4日(金)
<<思慮が浅い?>>
昼頃、山科駅近辺まで散歩に行き、そのままその辺で昼食の後、 山科駅前Sbuxにてしばし数学。それ以外は自宅で愚図愚図と数学。 時々フェースブックで遊んで、昨日のバーティーの余韻を楽しんだり、 新しく友人を検索して引きずりこんだり。

ラクト山科で「おさかなクン」のイラスト展なるものをやっていた。 彼は魚が大好きらしいが、ならば、風の谷のナウシカではないが、 魚はみんな自分の友達で自分もほとんど魚 みたいなものだと思っているのかと俺サマは思っていた。

しかしイラストには、この魚はこんな風に調理したら美味しかったと いうようなコメントが書かれていたから、要するに彼はナウシカ系 ではなく、魚が大好きな魚屋の息子系だということが分かった。

そういえば、今日初めて気付いたわけでもないけれど、 数学者に思慮の浅い人が多いのは、数学研究に集中するために、 それ以外のことをあまり深く考えずに受け流す習慣がついて いるからだと思われる。

一般に世の中のことは数学よりも難しいし、 考えても数学のように明快な答えが期待できないことの方が多いし、 そんなことで何かを主張して人と争っても消耗するだけだし、、、 という感じで、思慮が浅いというか、そういう現世の修羅場 を避けて通ってきたためか、年齢の割には何となく頼りない オジサンやオバサンが多いような気がする。 数学者が浮世離れして見えるのは、要するにそういうことだと思う。

しかし、数学研究もそれなりにリアルな人生経験なので、 日々それに邁進する数学者たちを 「浅はかな連中!」と小馬鹿にしていると、 妙なところでもの凄く深かったりして、思わず 鼻をあかされることも珍しくない。

かと思うと、数学研究での思考を数学以外の日々のあれやこれや にも適用して、色々面倒なことを考えたがる人も少なくない。 それ自体は悪いことではないと思うが、思考のバランスが微妙に ずれてたり、柔軟性が欠けていたりする。 「数学者は偏屈」というイメージは、このタイプの 人から生まれるのだと思う。俺サマは数学者じゃないけれど、何となく こっちのタイプに近いような気もする。

思慮の浅いタイプも偏屈タイプも、付き合って特に面白いわけが なく、やはり数学者とは数学の話をするのが一番である。 しかし俺サマの場合、彼らと数学の話をしようとすると「お前、 馬鹿だからあっちへ行け!」みたいなことになるので、 これはどうにもならんなと思うのである。

2012年5月3日(木)
<<お稚児さん>>
ホテルをチェックアウトして、別荘へ。午前中は玄関先の猫の額ほどの ところに生い茂った木の剪定や部屋の掃除。昼前に雨が上がったかと思うと、 ぐんぐん青空が広がってきて、昼頃には気持ちの良い天気になった。

別荘の掃除などを終え、午後は中学時代の友人宅へ。 フェースブックの友などを交えた7〜8人でバーベキューパーティー。 夕方近くまで何やかや飲んで食べてお喋りして、という感じですごす。

そういえば、友人宅に向かう途中、あるお寺のようなところで お稚児さんをやっていた。浄土宗の法要に特別な法衣で着飾った 小さな子供を参加させる行事で、物事の道理がわかる賢い子に育つよう にとの親の願が込められるそうである。

俺サマも子供の頃にお稚児さんに出されたことがある。今でもそう だが、当時の俺サマは特に着飾った晴れの姿をさせられるのが大嫌いで、 頭にキンキラの変な冠は乗っけられるわ、顔にはお白いを塗りたくられ、 額に妙な黒丸2つのハンコは押されるわで、「嫌や!こんなん嫌や!」 と泣きわめき不貞腐れていたのを覚えている。今日のお稚児さんでも、 何やらぐずっていて、両親にひきずられるようにお寺に向かう男の子が 居たので、もしかしたら昔の俺サマと同じ理由で抵抗していたのかもし れない。

それで、俺サマが物事の道理のわかる賢い子に育ったのかというと、 「だったら、今、数学者たちに馬鹿扱いされてねーよ!」とも言えるし、 「だからこそ、今、数学者たちに馬鹿扱いされてるのさ」とも 言える。真実は闇の中。

夜は、まだ昼間のパーティーの満腹感が残っていたが、津駅の近くの 鰻屋で夕食。流石に今日は日頃食べている一番鰻の多いやつではなく、 2番目のものにして、さらに食後に念のため胃薬も飲んだ。それから 20時20分の近鉄特急に乗る。車中はセールの局所体論の必要箇所 を呼んだり、居眠りをしたり。22時半頃に無事自宅に戻る。

2012年5月2日(水)
<<津に帰る>>
午前中は自宅で野暮用。それから昼前に出勤。生協コンビニでおにぎりなどの 昼食を買って、さらに図書館でセールの局所体論を探す。英語版は貸出中だとか。 一体誰が借りてるんだろうか?って、Ritsには何故か数論の人は何人か いるから、そのうちの誰かが借りてるんだろう。幸いフランス語版があったので それを借りて研究室へ。

研究室でメールをチェックしたら、午後のC言語と UNIX演習の唯一の学生が就活で休みとのメールあり。それで午後の1コマ目が 空いてしまったので、昼食の後、セールの本の必要箇所をコピーして読み始める。

14時40分から16時10分まで、2回生「離散数学」の講義。 今日は部分群の判定法の証明をして、それを使って2次の特殊線形群が 一般線形群の部分群であることを示す。それから複素平面の話に入り、 高校生は実数の集合と1次元ユークリッド空間の対応があまりにもうまく出来て いるので、実数の集合=数直線と思っているが、それと同じように 複素数の集合を2次元のユークリッド空間と思うことができるのだと宣言して終わる。 次回から1の原始n乗根と巡回群の話を始める予定。

講義のあと、すぐにバス停へ。雨の中、バスを待つ学生の長蛇の列が半端ではない。 これを見るたびに思い出す。この長蛇の列と会議と研究が大嫌いで、折角教授に昇進 したのにそれを蹴って民間企業に戻った同僚がいたっけと。大学教師の仕事って、 研究が好きか学生が好きか会議が好きか、少なくともどれか一つが成り立ってないと、 とてもじゃないが馬鹿馬鹿しくてやってられない。 研究も会議も大嫌い、学生もどう見ても自分より頭が良さそうに は見えないから、特に好きにはなれないとなれば、 あとは雨の中でバスを待つ長蛇の列しか残らない。それじゃあ、辞めたくなるのも 無理はないな、と。俺サマとはある意味正反対の人間である、彼の気持ちが 分かるような気がしてくる。

ほうほうのていで何とかバスに乗ったが、南草津駅に着いたのは予定よりも 遥かに遅れた。これで今晩の夕食を津の鰻でという計画は吹っ飛んだ。 津は田舎だから、飲食店のラストオーダーは20時なのだ。 京都でも流石に20時はまだ宵の口だけど。

それで京都駅前のイオンモールの丸亀製麺で軽めの夕食をとり、しばし数学。それから 19時15分の近鉄特急で津に向かう。電車の中では、コピーした セールの本を読む。21時過ぎに津駅に到着。駅前のホテルに チェックイン。近くのコンビニで酒とつまみのサラダ、明日の朝食のパンを買い、 ホテルに戻って呑んだくれる。

明日は別荘の掃除をしてから、中学時代の友人に会い、夕方 津の鰻を食べて京都に戻る予定。え?何で高校時代の友人じゃないのかって? 高校時代の俺サマは完全に浮いてたんだよ。頭がおかしかったからね(勿論 今でもおかしいけど、何か?)。

2012年5月1日(火)
<<人を励ます>>
今日も昨日と同じような天気で、終日曇で、たまに小雨と強風。 このところ強風がびゅうーと唸ることが多いのは何故かと思ったら、 どうも電線のせいらしい。そういえば京都は景観論争が盛んな割には、 あたりは電信柱と電線だらけで、それを問題にする人は少ない。 たぶん普段は脳が無意識のうちに画像処理してしまってて、電線や電柱が目 に入ってても意識しないようになっているのだと思う。その気 になって街の風景を見てみると、もう悲惨としかいいようがない状態に 気付く。しかし案外、京都の電線や電柱をモチーフに風景を描いてみたら 面白いかも、という気もしてきた。

午前中にフェースブックの友と雑談をしていたら、俺サマの 今があるのは、若い頃出向していた国立研究所の上司(当時)の何気ない 一言が切欠だったことに気づいた。人を良く見ていて、相手の良い ところも悪いところも踏まえて励まし、勇気づけるのが上手い人だったが、 病に倒れ数年前に亡くなってしまった。

まあ、この元上司に限らず、俺サマは今まで色々な人に励まされ、 勇気づけられて今日までやってこれたのだが、その中に数学者がい たっけなあ?

数学者は馬鹿が大嫌いだから、馬鹿に呪いを掛けること はできても、勇気づけて励ますことはできない。厳密科学の名誉 と数学者としての良心に賭けて、断じてそんなことはできない。 彼らに出来ることは、せいぜい馬鹿を一定の範囲で許容すること。 数学者なのに馬鹿を許容できるなんて、よほど修練を積んだ人 でないとあり得ないけど。 まあ、俺サマなんざ、「お前、馬鹿だけど、苦しゅうないぞ」 ぐらい言われただけで結構喜んじゃったりするし、 そういう数学者 なら何人か顔が思い浮かぶな。

俺サマに人を励まし勇気づける力があるかどうかは、勿論 自分ではわからない。少なくとも馬鹿に呪いを掛けるような 真似だけはしないでおこうとは思ってるけど。

午後は京大へ。新福菜館百万遍店で昼食の後、数理研図書室へ。 猫は居たけど、昼寝ばかりしてて反応なし。黙っていても五月蠅い 例のオジサンも来ていて、論文を眺めて唸ったり舌うちしたりしていた。 図書館の職員たちは、耐震工事以前まであった本が見つからないと言って 大騒ぎしていた。

帰宅して夕食後、夜はラクトスポーツプラザ。昨日は月曜だけど 祝日なのでZumbaはなし。今度の木曜の骨盤矯正ヨガも祝日なのでなし。 閉館時間が早い祝日を避け、今日は筋トレと有酸素運動を組み合わせた自主トレ に励む。