一部のブラウザ

よ け ス ペ ー ス で す。

2012年9月30日(日)
<<蟄居>>
午前中は京都新聞日曜版の2つのパズルを解く。台風17号のため、 京都には早々と暴風警報が出て風雨が強まったため、その後も自宅から 一歩も外に出ずに、終日科研費申請書を書いてすごし、夜遅くにようやく (とりあえず版が)完成。

まあ、思惑通りに科研費が当たるかどうかは「神のみぞ知る」だし、 今度は今まで申請したことのない分野で申請するので、落とされる可能性は 十二分にある。しかし申請書を書いているうちに、「ああ、あの論文にあんな風に 書いてあったのは、そういう意味だったのか」と目から鱗が落ちることも 多々あったし、これから何をやっていくべきかも、よりはっきりしてきた から、まあ、有意義な作業だったと思う。

2012年9月29日(土)
<<逆切れ>>
アンチュチュの日。早起きして10時前のアンチュチュへ。今日は夏学期最後 の授業で、来週1回は休みで、その次から秋学期が始まる。まあ、今年度は 土曜10時の講座を取り続けるしかないか、と。

12時半頃授業が終わり、京大中央生協食堂で昼食。ここは見掛けは新しく て立派だけど、耐震補強のため壁を増やしたり柱を補強したため全体的に スペースが狭くなったところに、座席だけは沢山確保しようとしたためか、 料理を取るカウンターのあたりが異様に狭く、サラダバーは申し訳程度に しか置いてない。

昼食の後は、百万遍のマクドナルドで150円珈琲を飲みながら、夕方 までドイツ語の予習をしたり、先日届いたベクトル解析の入門書を読んだり。 マクドナルドを出て、アンチュチュの1階フロアですこし時間調整してから、 ドイツ語寺子屋の秋学期第一回目の授業を受けに行く。途中の路上で、 2匹の猫が縄張り争いで睨みあいの後、双方武力行使に出ている様子を目撃 した。

16時40分頃から18時10分頃までドイツ語の授業。今日の教材は ドイツ人のエッセイ。ドイツ人は何にでも文句をいい、小さなことは何でも 禁止して、それを破る者に抗議したり警察に通報したりする、と。はてな? 日本では、例えば騒音をたてる隣人に苦情を言っても逆切れされるだけだし、 警察を呼んでも決して来てくれることはない。この違いは何なんだ? それに、ドイツ人は 他人に「これは禁止されているから、やっちゃあいかん」と叱られても 日本人みたいにいちいち逆切れしないのか?通報したらちゃんと警察が 来てくれるからには、 色々な禁止事項に法的根拠があるのか?等々、俺サマは先生を質問攻めに した。

しかしどうもしっくりする答えは得られなかった。一番わからなかったのは、 ドイツ人は他人に注意されても逆切れしないのか?という点で、これについては 暖簾に腕押しのような反応で、質問の意味も分からないといった風だった。 この点については、さらに粘り強い調査が必要かと思われるが、俺サマの 経験から推測すると、ドイツ人は逆切れするのではなく、何だかんだ うまいことを言って上手に言い逃れするのではないかと思われる。

その後、徒歩で 京都市役所前まで行き、地下鉄で山科へ。ラクト山科で夕食をとってから帰宅。 普段はあまり見ないテレビを少し見てから、科研費の申請書類書きに着手。 早起きして眠くなってきたので、すぐに放りだす。

2012年9月28日(金)
<<苦労知らず>>
午前中は自宅で明日のドイツ語の予習。昼過ぎに大学に出勤し、生協食堂で 昼食の後、研究室で色々雑用。博多の出張報告書、注文していた書籍 の検収・予算執行手続き、科研費申請の事務的準備などなど。 遠くの事務に書籍の検収手続きに行った帰り道、エレベータ の中で工学部の先生とその先生の研究室の学生と一緒になった。 学生は自分の研究室の場所もあまり覚えてない様子で、それを知った 先生は、むっとした様子で、君はあまり真面目に研究をしてないようだねと チクリと嫌味を言い、学生は何だかんだと言い逃れをしていた。

工学部の先生は、研究室の学生に働いて貰わないと研究が進まない(らしい)。 学生はその研究室で働きながら色々なことを学ぶというのが大学側の 意図することだが、学生は研究室から給料をもらっている従業員ではない。 だから、やりたくないことはやらなくていいじゃないかという気でいる。 そういう「お客様たち」をいかにうまく誘導して仕事をさせるかが 工学部の教授たちの腕のみせどころで、それには高度な管理能力が 要求される。

では企業ならどうかというと、俺サマの学生時代の友人などはよく、 上司の指導を軽く聞き流して何度でも同じミスを繰り返す部下に、 いかに仕事をさせるかで苦労している、みたいな話をしている。 俺サマなどは、そんな部下ならクビにするか、別の部署に飛ばしてやる かすればいいではないかと思うのだが、事はそう簡単ではないらしい。

思えば俺サマは、そういう意味での管理能力を試される修羅場を経験 したことがない。部下を持たない平社員のままで会社を辞めたし、 大学の工学部に移って研究室を持たされたけれど、希望する学生がゼロで 閑古鳥が鳴き続け、指導すべき学生が誰も居ないまま、ぺんぺん草の 生い茂った研究室は8年間で閉鎖された。数理科学科では、学生に働いて もらわないと自分の研究が進まないなんてことはないので、勉強したい学生 は大いに励ます一方、サボりたい学生は尻を叩いても碌なことにはならないので、 適当に遊ばせておくことになる。

勿論、研究以外に大学の教育や学内行政の仕事で、作業委員会などの形で 他の先生と一緒に色々な仕事をすることはちょくちょくある。理科系の 大学教師は概して真面目なので、そういう時もよく働くものだが、 中には極端に仕事ができない、あるいは、有能なのかもしれないが、 自分の研究に関係ないとなると徹底的にサボることばかり考える人も 居たりする。

よく、「使い物にならぬ部下!と愚痴を言う前に、その部下 をネジだと思って、何に使えるネジだか考えろ」みたいなことが 言われる。しかし大学教師というのは一筋縄ではいかない人種なので、 仕事しない、あるいはできない人は「腐ったネジ」と同じで何処にも 使えない場合が多い。しょうがないから、先生は研究でもやっててください、と。 いや、そういう人は研究も出来ないことが多いのだが、そうとも限らない ところが、これまた憎々しい。

いずれにせよ、そういうのを相手にしてても時間の無駄だし、 馬鹿馬鹿しいと思いながらも、「結局、奴の分の仕事も背負いこんでしまいました」 なんて話はどこの大学でもある。それで過労死したりする人の好い先生も いるらしいから、なかなか大変である。だから、大学という所は、 極端に有能でもない限り、極端に無能か、極端に面の皮が厚い人間でしか生き 残れない、なんてことが言われたりもする。

こういうのも、相手に仕事をさせようと粘り強く努力するわけではないから、 管理能力は身に着かない。結局俺サマは、人を使う苦労をしたり、技量を磨 いたりすることがないまま、職業生活を突っ切ってしまいそうな勢いである。

まあそんなわけで、エレベータの中での学生と指導教員のやりとりを、 「この先生も大変だな」と人ごとのように思って聞いていたし、(旧)情報 学科時代に、俺サマの研究室が8年間一度も軌道に乗ることのなかったのは、 そういう苦労が避けられたという意味で、むしろ良かったのかなとも思った。

18時から19時過ぎまで、別棟の会議室で科研費申請の説明会。 そのあとすぐに帰宅して夕食。夜は、後期の卒研ゼミや院ゼミの日程 調整をして学生にメールを出したりといった作業。

2012年9月27日(木)
<<久々の衣笠キャンパス>>
今学期の木曜午後は、衣笠キャンパスで文系数学の講義を2コマ 担当することになっていて、今日が第一回目。

俺サマが20年前にRitsに転職して、最初の頃は 衣笠キャンパス勤務だった。当時は理工学部情報工学科という、 (旧)理工学部情報学科や現在の情報工学部の前身にあたる学科に 所属していた。その学科の中身は、情報工学科というよりは、機械制御工学 と情報工学が半々ぐらい。後に情報工学に一本化する形で改組 された(旧)情報学科では、教員学生一丸となった集団イジメみたいな目に 会って往生したが、衣笠の情報工学科では、機械制御と情報工学の危ういバランスが 幸いしたのか、そういうことはまだ起こっていなかった。

そういうことで、たった2年間ではあったが、左大文字や金閣寺や竜安寺も近く、 京都の大学らしい風情のあるこのキャンパスで、俺サマは結構愉快に過ごしていた のである。そのせいか、今でもこのキャンパスを訪ねると当時が懐かしくも あり、約10年ぶりかでこのキャンパスで講義するのを、ちょっと 楽しみにしていたようなところもある。

今日は少し早目に衣笠キャンパスに到着し、生協で昼食をとったり、 教室の状況や講師控室、講座の所管事務室の場所などを確認したり。

14時40分から16時10分まで、「数理の世界」の講義。受講生は 100名ぐらい。ガイダンスの後、昨日の「特殊講義(専門)1」と同じ内容で、 素数の定義や素因数分解のところまで話す。次回は素数が無限であることの証明や 素数定理、リーマン予想の話などをする予定。

16時20分から17時50分まで、「情報の数理」の講義。受講生は 200名ぐらい。内容は 2人ゼロ和ゲーム理論入門。ミニマックス原理と期待効用原理の2つについて、 野球の配球問題とシャーロックホームズ最後の大事件問題の2つの 具体例を通して講述する予定。今日は簡単なガイダンスの後、配球問題の 設定まで話す。次回はミニマックス原理を導入して、この問題の解決を 試みる。

文系の講義は私語の嵐と聞いていたが、数年前に講義した時も今日も静かだった。 今日は早目に大学に着いたので、最初に他の文系の講義もいくつかそっと覗いてみた が、大教室の講義でも静かなものだった。

文系の大教室の講義では、大学院生のTAを何人か巡回させて、私語に興じる 学生を注意して回らせているが、学生が逆切れしてTAが暴行を受けることも しばしばあって、それが問題になっていると聞いたことがある。しかし今日のところは そんな気配はなかった。

講義の後、速攻でバス停に向かい、学生たちでごった返す中を泳ぐように 進んで、何とかバスに乗り、京都市役所駅前で下車。河原町三条の回転寿司で 夕食の後、地下鉄で山科に移動。ラクト山科のベンチで15分ほど時間調整 してから、そのままラクトスポーツプラザへ。今日は骨盤矯正ヨガと 有酸素運動。22時半頃帰宅。

2012年9月26日(水)
<<後期授業開始>>
今日から後期の授業開始。昼前に大学に到着し、生協食堂で昼食。 研究室で少し雑用の後、13時より14時30分まで、 2回生「代数学序論II」の第一回目の 講義。前期の「代数学序論I」と姉妹編の「離散数学」でやった内容 を項目だけざっと振り返り、これからの講義で重要になる、正規部分群 や剰余群の話を丁寧に復習。次回は剰余群の具体例をもう1つやってから、 群の準同型写像の話に入っていく予定。

引き続き、14時40分から16時10分まで、1回生「特殊講義(専門)1」 の講義。これは3人の教員で5週ずつ担当し、代数学、幾何学、解析学の展望 を講義するもの。俺サマは最初の5週で代数学の話をする予定。第一回目の今日 からしばらくは、数論の話。 自然数、ゼロ、負の数、有理数の話まで進み、(−1)×(−1)=1となる証明、 素数が無限に存在することの証明、リーマン予想の話、素数定理とその意味など について話す。次回は実数、複素数、代数的(整)数、剰余数の話に進む予定。

数の概念は、人間の社会活動の発展に伴って自然に獲得されてきた面を持つ一方、 代数方程式の解としても捉えることができるという点を強調し、複素数が導入された あたりから方程式で数を捉える考え方の方が先行し、応用が後で発見されるという形 になってきているという、俺サマの歴史観を語る予定。だから、数学が現実から遊離 して役に立たないのではなく、数学が現実の先を行ってるんだと言いたいわけ。

数論の話が済んだら、代数方程式の話に入り、3、4次方程式の 解の公式を書き下して学生達をうんざりさせた後、ガロア理論と群論の ことをちょっと触れる。そして、正三角形の対称性を群で表現して見せて、 「こういうのが群です」と肩すかしを食わせる。 それから受験参考書に出ているような幾何の入試問題を題材にして、 代数幾何学の話をして、チャート式に出ているこの不思議な解法は、 実はイデアル論のアイディアを使ってるんだ!どうだ、抽象代数は偉大だろう? と煙に巻いて5回の話を締めくくる予定。

問題は、この話を文系の一般教養の講義にも使いまわそうとしている点。 まあ、たぶん数論のところだけをゆっくりやって終わりにすることになろう。

講義の後、16時30分より19時前まで会議。その後すぐに帰宅し、 遅めの夕食。白ワインを冷やしておくのを忘れたので、冷蔵庫に残っていた ワインを1杯だけ。

2012年9月25日(火)
<<風の音>>
午前中は歯医者の定期検診と明日からの講義の準備。午後はまた 京大数理研図書室へ。

京大に向かう途中の百万遍の交差点のあたりで、アジア系とおぼしき 若い男女2組に道を尋ねられた。地図を見せて、ここに行きたい というのだが、ハングル語の地図である。さすがに、これが 京都の市街図だと言われても、何が何だかよくわからない。 「なんじゃ?こりゃ!(竹島の地図か?)」って調子で 地図を覗きこんだら、日本語の地図もあると言って出してきた (最初からそっちを出せっちゅうに)。

それにしても、このご時世に日本を旅行するとは、大した度胸だな。 あっちこちでどつき回されたりしてるんじゃないかしら?とも思ったが、まあ、 日本人はそんな下品なことはしないであろう。俺サマも、 気よくバスの乗り方なども含めて教えてやった。

数理研の猫は相変わらず居眠りばかりしていた。しかし 最初着いた時に、猫の腹をモゾモゾっとさすってやったら、 「いらんことするにゃー!」とばかりに、ひと声 「にゃー」と鳴きよった。帰りにも立ち寄ったら、寝ぼけ眼で一所懸命 顔を洗っていた。「お前はいい奴だなあ。明日から後期の授業が始まって 忙しくなるから、しばらく来れなくなるけど、元気でな!」と言って別かれる。

帰りのバスは、数理研の研究集会帰りの連中と一緒だった。 まあ、こういう時に連中がバスの中で話すことといえば、だいたい決まって いる。こいつら、こんな話して何が面白いのかしらと、聞き耳を立ててるうちに 目的地に到着。

ああ、そういえば、数理研の図書室では、例の五月蠅いオジサンが 来てて、相変わらず唸ったりしてた。しかし今日は秋の気配が爽やかで、 全開の窓から風がそよそよ入ってきたので、オジサンの唸り声などは 風の音に適当にかき消されてちょうど良かった。ああいうのは、 虫干しして風に当てておくのが一番のようだ。

大丸ラクト山科店で白ワインを1本買って帰宅し、夕食の後は またしばし数学。

2012年9月24日(月)
<<ガガ太り>>
午前中は自宅で数学。昼頃に自宅を出て、京大へ。まずは京大北部生協食堂 で昼食。13時半近くだが、座席は9割ぐらい詰まっているほどの盛況。 京大はもう新学期が始まってるのかしら。

昼食の後、京大数理研へ。まずは数理研猫を表敬訪問。今日は秋の気配 のする爽やかな陽気なので、猫も気持ち良さそうに爆睡中だった。 それから図書室に籠って夕方まで数学。例の五月蠅いオジサンが来るといけない ので、オジサンがいつも座る席から一番離れた席をと思ったが、そこは 学生さんみたいな人が既に座っていた。結局、俺サマが帰るまでオジサンは 現れなかった。

数理研図書室には、例の「abc予想解決か!?」の分厚い三部作の プレプリントが置いてあって、さらに薄い補足のようなのも出ていた。 俺サマが読んで分かるような代物ではないので、パラパラっと眺めて 「うーん、凄い分量やなあ」と言って、また本棚に戻した。 帰りも猫に挨拶をして数理研を発つ。

帰宅して荷物を置いてから、近所のスーパーに買い物に出る。再び帰宅して 夕食の後、ラクトスポーツプラザへ。今日は3週間ぶりの楽しいZUMBA と筋トレ。帰省したり学会出張したりで、しばらく運動はご無沙汰していたし、 あちこちで美味いものを食べまくって、レディー・ガガよろしく激太り してしまった。3週間のブランクの影響はそれほどでもなかったが、腹筋が かなりシンドかった。3週間で腹筋が皮下脂肪に化けがのかしら。

またまた帰宅後、少しだけ数学。

2012年9月23日(日)
<<夜のガスパール>>
午前中は京都新聞日曜版の2つのパズルを解いたり、 卒研の学生たちにメールを送ったり。 昼食の後、京都市内某所にピアノコンサートを聴きに行く。

ラヴェルの「夜のガスパール」の3番目の曲は、スカルボという 夜中に寝室に現れてはその辺で暴れ回るという悪の妖精 をテーマにした、ピアニスト泣かせの超絶技巧の曲だそうである。 今日はピアニストの手がよく見える座席だったので、注意して 見ていたのだが、なるほど、サカリのついた雌雄の蜘蛛2匹が、 鍵盤の上で飛び回っているような手の動きだった。

最近はライフワークの重点が「鼻くそ男」から「加齢臭オジサン」 にシフトしかけていて、それっぽいオジサンを見掛けると、それとなく 近寄っていって「くんくん、こいつは臭わないぞ」みたいなことを やっている。今日のコンサートでも、休憩時間に相手に気付かれないよう にクンクンやっていた。

しかし、俺サマが加齢臭と思っているものは、実は ワキガではないかという気もしてきた。俺サマが子供の頃、男性の整髪料に チックというバターみたいな脂があったが、その脂が酸化して安物の香料と 混じりあった刺激臭が、俺サマがイメージしている「加齢臭」である。 風向きによっては2〜3メートル離れていても、十分臭う。ワキガだったら、 若い人でもあるはずだから、引き続き根気良く調査していけば、何が 正しいか分かるはずだと思う。

コンサートの後、山科に戻って駅前のスーパーや雑貨屋で少し買い物を してから帰宅。夕食を挟んでしばし数学。

2012年9月22日(土)
<<シルバー人材センター>>
注文しておいたTOTOウオッシュレットが午前中に届く。 昼前から設置説明書を読んだり、部品を確認したりして、入念に準備 すること約1時間。昼過ぎから設置作業開始。水道の元栓を止め、 古い温水洗浄便座(TOTO社製ではない) を外し、取水栓まわりを取っかえ引っかえし、ウオッシュレットを設置 し、配管や配線を完了するまで1時間ぐらいかかった。それから古い便座 や工具や保存しておくべき部品やら何やらを片付けるのに1時間。 都合3時間ぐらいかかって、ようやく全作業完了。

昨日は、俺サマは10年後には数学をやめてるだろうとか書いたが、 じゃあ何をやるのかというと、シルバー人材センターみたいな所に 登録して、ウオッシュレットの設置工事請負をするってのも、いいな。

その後、一息ついてからラクト山科まで散歩。大丸で白ワインを1本 買って帰り、しばし数学。夕方から、寺子屋の先生がドイツビールに ちなんだイベントをやっているというので、ちょっと顔を出す。 結構な賑わいで会場はごった返していたが、 一応「俺はちゃんと来たからな」と、先生に簡単に 挨拶。ビールとドイツ料理の盛り合わせを注文し、その辺で半立ち食い。 まあ、少し早目の夕食って感じ。

先生が、「よく来てくれた」みたいな愛想のひとつも言ってくれば、 ビールのもう一杯でも注文しようかとも思ったが、そういうこともな かったので、食べ終えたらすぐに退散。

イベントの後、JEUGIA三条本店を少し偵察してから帰宅。夜は 少し数学。

2012年9月21日(金)
<<珠玉の言葉>>
早起きして学会会場の九大伊都キャンパスへ。何せ陸の孤島のような 所なので、近くに泊れる所も食事をするところも無く、天神や博多駅前 などの中心街に泊って、朝早くバスか電車に乗って1時間近くかけて 通わなければならない。以前は箱崎キャンパスで、伊都よりも 便利な所にあったが、空港が近く、終日10分に1度旅客機がキャンパスの 真上を通って離着陸するので、騒音が酷かった。どっちにしろ、 なかなか大変な所である。

午前中はお目当ての講演が目白押し。数学の内容は勿論のこと、 講演者が思わず発する非数学的な珠玉の言葉にも、はっとさせられた。 まずは、70歳ぐらいの大先生の講演での話。「先日、●○先生 (80歳を過ぎた超大物)と『年を取っても案外数学はできるものだな』 などと話していて、『ただし1つだけ条件がある。 それは若い人たちと競争しないこと』という点で一致しました。」

生涯一数学者の姿勢には、「うーん、凄すぎる」と言うしかないな。 俺サマなんざ、数学やり始めたのはほんの10数年前からだし、たぶん10年後 には別のことをやってるだろうしね。大先生たちとは腰の据え方から してそもそも違う。でも、数学をやめるまでに一度は「馬鹿 でも案外数学はできるものだな。ただし1つだけ条件がある。それはオリコーな 人たちと競争しないこと」ぐらいの事は言ってみたいものだ。

もう一つは、新進気鋭の若手数学者の講演でのひとこと。「一番難しい所から 攻め落として、それからやさしいところに広げていく。これが日本人の数学 なんだそうです」と。ずしりと胸に響く言葉だ。たぶん指導しても らってる偉い先生から聞いた話なんだろう。偉い先生の近くに居ることの メリットは、こういうところにもあるな。学生諸君!俺サマの近くに居ても、馬鹿が 伝染するだけだぜ!ふっ、ふっ、ふ。

俺サマは馬鹿だから、何が難しくて何が自明なのかもよくわかってなくて、 めくら滅法に数学やってるって感じだな。だいたい、「目の前の問題が難しいか 易しいかは、解いてみないとわからない」などと言ってるところからして、 馬鹿っぽい。偉い人はぐっと問題を睨めば、難しいか易しいかぐらいはわかる のであろう。

午前の講演が終わって、すぐに帰宅モードに。学会会場から、バスと電車 を乗り継いで、まずは例の鰻屋に直行。昨夜は数学者2人組と隣合わせで、折角の 鰻も台無しだったが、その恨みを晴らすべく、鰻重でがっつりしっかりと昼食。 今日は店内を見渡しても数学者はひとりも居なかったので、心行くまで最後 の鰻を楽しむ。これで年末の帰省のときまで、鰻はしばらくお預け。

それから新幹線で夕方頃に京都に戻る。帰宅して夕食後、夜は少し数学。

2012年9月20日(木)
<<昼夜の波状攻撃>>
午前中の講演の1つを聞きに行こうと思っていたのだが、朝起きたら大学から メールが届いていて、「前に依頼した仕事を早くしろ」との督促。締切はずっと 先だと思って放置してた。今日一日待ってもらおうかとも思ったが、結局 午前中にホテルの部屋でせっせと書類を書いてメールで送信。やれやれ、と。 この時すでに昼前になっていたので、例の鰻屋で少し早目の昼食をとってから 学会会場に向かう。

お目当ての講演は終わっていたので、専門書の展示販売を丹念に見て回り、 代数曲面の薄い定番教科書とベクトル解析の入門書みたいな本を注文。代数幾何学や 複素幾何学の本では、ベクトル解析の概念がさも当然のように使われているが、 ベクトル解析と銘打った本を見ると、頭の痛くなりそうな数式の洪水で、 「見なければ良かった」と後悔しながら、大慌てで本を閉じることになる。 もう少し初等的なレベルを、と思って微積分学の多変数のところを見ると、 今度は必要なことが何も書いてない。今度注文した本の1冊には、ベクトル解析 と俺サマの不幸な関係を解消してくれればとの期待が込められている。

それ以外では、ノルウェーの数学者が「代数幾何学への王道 The royal road to algebraic geometry」なる本を出していて、 「お水の花道」みたいなタイトルだし、さてはトンデモ系か?と思ったが、 案外まともな本だった。卒研のテキストに使えないかと思ったが、 代数幾何学の入門書ばかり買い集めてもしょうがないかと、結局見送り。 もひとつ、ロシア系アメリカ人数学者が書いた「古典代数幾何学の現代的展開」 みたいな本が出ていて、これは出版される前からちょっと期待してたのだが、 実際見てみたらそれほど面白そうでもなく、これも見送り。

それ以外は幾何学の講演を1つ聞いて、あとは休憩室になっている 教室で、珈琲を飲んで一息つきながら、後期の講義ノート作りなど。 夕方には会場から退散しホテルに戻る。

ホテルでまず講義ノートを完成させてから、夕食に出る。そういえば、 3月に退官記念講演をしていた九大の先生が、「博多は魚が美味いところ」とか 言ってたが、なるほど新鮮な魚介類が美味そうな店が多い。しかしそのほとんどは 居酒屋のようなところなので、一人で入ってもしょうがないって感じ。

同業者でつるんでたりすると、こういう学会の機会にその手の店に繰り出すんだろう けど、何せ俺サマは数学者嫌いときているから、そうもいかないな。 まあ、俺サマは俺サマの道を行くしかないし、鰻も少なくなって近い将来食べられなく なるかもしれないから、今のうちに食いまくっておくのが正しいだろう。

そういうことを考えながら、結局昼と同じ鰻屋に入り、昼と同じメニューを注文。 昨日の水曜定休の恨みを晴らすべく、昼夜の波状攻撃! 昼と晩の2回も鰻を食べて、ご機嫌の俺サマのはずだったが、、、繁盛している店 の一人客ということでカウンター席に案内されて、隣をふと見たら数学者2人組だった。 2人のうち1人は見覚えのある顔である。向うは俺サマのことを知ってるかどうかは、 わからない。

兎に角、隣の席から漂ってくる数学者特有の妖気の故か、美味さ半減とまでは いかないまでも、心行くまで鰻を楽しむという気分にはなれず、 さっさと食べて、逃げるように店を出てきたって感じ。この恨みを晴らすべく、 明日の昼もこの店に来るぞ!と心に決める。

帰りにコンビニで明日の朝食用のパンなどを買ってホテルに戻り、 少し数学。

2012年9月19日(水)
<<博多なう>>
今日から九州大学で開かれている数学会に出張。毎年9月と3月に開かれる 数学会は、日本の数学者たちの活動を概観し、さらには数学の中でも 専門が違う者同士が一堂に会することによって、ある種の連帯感を確認する場所 という意味で重要な意味を持つと思う。

しかし最近は、大学もサボれない会議や講義が多くなって、1週間程度開かれる 学会や研究集会にマルマル参加できる機会は少ない。俺サマも今回は後半からの学会 参加である。しかし、いつの間にか「俺サマは数学者なんかじゃねーぞ!」 とか何とか言うようになったので、数学者との連帯感の醸成は特に必要ないか、と。

午前中に大急ぎで支度をして京都駅へ。新幹線の中で、居眠りをしたり数学を 勉強するフリをしたりしているうちに、博多に到着。ホテルにチェックインして、 しばし夕食の検討。夕食は中州にある博多で唯1件の鰻屋に突撃あるのみ!と 考えていたのだが、水曜日は定休日だと。迷える子羊の気分で、色々調べたところ、 博多名物もつ鍋は気が進まず、博多ラーメンを夕食にというのは、ちょっと。 うーん、人数が多ければ、色々可能性は広がるけどなあ、、、ということで、 寿司にしようか、と。

それから明日の計画を立てたから数学。九州大学は 不便な所に移転したので、ホテルから電車やバスを乗り継いでいかないと いけない。

夕食に出た後、明日の朝食用のパンと今晩の酒を買ってホテルに戻り、 買ってきた酒をちびちびやりながら、また少し数学。酔いが回ってきた頃に本日の 営業終了。

2012年9月18日(火)
<<床屋に行く>>
珍しく午前中に会議があったので、早起きして出勤。まだ後期の授業は始まって いないのだが、何故か南草津駅からのバスは学生で満員状態。バスの前の席の オジサンの加齢臭がキツくて、席を替わろうと思ったが、あの満員状態では ちょっと無理。窓枠の上の方から吹き付ける冷房の風を、オジサンの後頭部 すれすれに向けてエアカーテン状態を作ってブロックしようと思ったが、気流 が細いためか、加齢臭が気流の横を回り込んで俺サマの鼻先まで漂ってくる。 団扇で後ろから扇いでやろうかとも思ったが、それもちょっと露骨だしなあ、と。 俺サマがあと10年若ければ、やってただろうけど。

俺サマのライフワークは、電車やバスの中で鼻くそをほじくって食べる男 のサンプルを集めることだったが、鼻くそは見なけりゃいいわけだし、まだ 可愛いもんだ。加齢臭は目を背けていても、向うから鼻先まで押し寄せて くるから、性質が悪い。厄介なことは、電車やバスに乗り込んだ直後に あたりを見渡し、一瞬にして加齢臭の危険性が高いオジサンを見分けて 安全な座席を割り出すことが、現時点では事実上不可能なことである。 これからは、鼻くそ男ではなく、加齢臭男のサンプルを捜して外見的特徴の 抽出を目指そうかしら。一応過去の被害記憶をたどれば、漠然としたイメージ は無いでもないし。

午前中の会議の後、午後は院ゼミのはずだったが、院生の都合で急遽 キャンセル。そこで研究室で夕方まで数学。途中、ヨーロッパ数学会の論文 レビューについても、対象分野の変更手続きを行った。こちらはWebで 入力するのではなく、編集長宛てにメールを出せということだったので、そうした。

16時半より教授会。17時10分に終了。教授会は長くても 短くても文句が出る。長ければ当然文句が出るが、短い方は「たった これだけのために、わざわざ会議を開いて皆を呼び出すのかよ?」というやつ。 今日の教授会の出色は、休講・補講ルールの確認。開講第一週目の出張に よる休講はまかりならぬ、と。かえずがえすも、去年の信州大学での 数学会が、Ritsの後期開講第1週目狙い撃ちの異例の日程だった のは、Ritsに何か恨みでもあるのか?と疑いたくなる。

教授会のあと、さっさと大学を発ち、山科駅前の床屋へ。夕食も ラクト山科で済ましてから帰宅。

そういえば会社員時代、東京タワーの近くに安い床屋があるというので、 職場にも近いし、1、2度行ってみたことがある。確かに「散髪○○円!」 と安さをうたっていたが、決してその値段では済まない。「本当は○○円 だけど、今日は散髪した髪が多かったので、××円」と、その辺の床屋と 変わらない値段を言っている。週に何度も床屋に行ったという 横山やすしじゃああるまいに、普通散髪と言えば、髪が伸びて刈って欲しい 時に行くわけだから、「散髪した髪が多い」のは当たり前である。この床屋 に行った他の同僚たちに聞いても、やはり同じ理由で決して○○円では済まない という。それで、もう行くのをやめた。

個人でちゃんと店を構えている床屋が、よくそんな人を食った 商売で潰れもせずにやってられるものだ。これでは最初から普通の 値段を表示して商売するよりも印象が悪くなって、客が離れてしかるべきだが、 そこそこ繁盛しているようだった。東京の人たちは何を考えてるのかわからんも のだ、と当時埼玉県人だった俺サマは思ったものである。

夜もまた少し数学。

2012年9月17日(月)
<<イケメン・メーク>>
祝日。午前中に自宅を出て、京都市内某所にバレーを見に行く。 バレリーナの男は、何でこんなにイケメンばかりなんだろう?と不思議に 思いながら観てたのだが、元の顔がどんなだか知ってるオジサンが、素顔 とはかなり違う坂妻ばりのメークで出てきたところで、「ああ、舞台用に こういうイケメン・メークをするんだな」と悟った。いや、元々イケメン でバレ―やってる人も多いだろうけどね。

その後、京都駅に移動して菓子パンとアイスコーヒーで一息入れる。 祝日の終わりとあって、京都駅は観光客でかなり賑わっていた。

駅前の電器量販店で買い物をして山科に戻り、ラクト山科でかなり安い 白ワインと惣菜を買って帰宅。夕食後、夜はNHKの報道番組を 色々見てすごし、その後少し数学。

そういえば、先日迷っていたアメリカ数学会の論文レビューの 分野変更は、Webから簡単にできるようになってたので、 かなり範囲限定で代数幾何学にしておいた。代数幾何学の中でも かなりマイナーな分野に絞ったので、今後はあまりレビューの仕事は 送られてこないと思われる。

ヨーロッパ数学会の方は、変更方法がまだよく分からないので、 放置してある。思い出した時にでも、変更しておこうか、と。

2012年9月16日(日)
<<シーワンがトリビアル>>
午前中は京都新聞日曜版の2つのパズルを解き、その後は数学。 夕方ごろ、山科区内に買い物に出て、夕食の後、また数学。 今日はチャーン類などの計算を沢山やった。

そういえば10年以上前になるが、俺サマがまだ (旧)情報学科に居て「あーあ、嫌んなっちゃったなー。 いっそのこと、計算機屋なんて、やめちまおうかなあ」とか思ってた頃、 数学科の修士論文発表会を 覗きに行ったことがある。今でこそRitsの数学の大学院と言えば確率論 の学生ばかりだが、当時はそうでもなくて、俺サマはK3曲面がどうのこうの という修論の発表を聞いた。

それで何か質問した覚えがあるのだが、何を聞いたのかは覚えていない。 ただ、指導教員と思しき偉い先生が怒り狂い始めて、「そんなの当たり前でしょ!? だって、K3だからシーワンがトリビアルなんですよ。(そんなことも 分からないのですか(怒))」とか言いながら、 目を血走らせて俺サマを睨みつけてきたことは、よく覚えている。あー、 これ、これ。俺サマが学生の頃、数学科の先生達って、みんなこんな 感じだったよなあ、と。

それで俺サマは「何が『シーワンがトリビアル』だよ。そんな事、俺に 言ったって分かるわけねーじゃねーかよう!いちいち怒ってないで、ちゃんと 説明しろよ、この馬鹿が!!ったく」と思って睨み返してたな。

いや、勿論、今は「シーワンがトリビアル」の意味はわかるけどね。