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す。

2013年4月30日(火)
<<教育目標の半分を達成>>
10時頃に出勤して、大学の某所に置いてある演習科目用のレポート用紙を、 さらに生協で昼食用の弁当やおにぎりを調達。

10時40分から12時10分まで、3回生以上「離散数学」の講義。 今日は基礎体が代数閉体でない場合の例、 アフィン代数的集合の座標環の定義、ネ―ター位相空間の定義を示した後、 ネ―ター位相空間の閉集合の既約分解定理を証明し、次に位相空間の次元の定義を し、1次元アフィン空間の位相次元が1次元になるという例を証明するようレポート 課題を出し、最後の素イデアルの高さの定義と可換環のクルル次元の定義を 示す。次回は何とかアフィン代数多様体の章を終え、次々回から射影代数多様体 の章に入る腹積もり。

このペースでは、やはりどう頑張ってもブローアップの 直前あたりで終わってしまいそう。ほんとはブローアップのあたりからいよいよ面白く なってくるんだけど。

短い昼休みは研究室で昼食。13時から14時30分まで2回生「代数学序論I」 の講義。今日は前回話が乱れた1の原始n乗根の一般論を終わらせ、 群の定義といくつかの例に入る。次回は群の例をもう少しやって、 巡回群や部分群の定義に入る予定。 その先の話題として、部分群の定義をして巡回群の部分群の話をする予定。

引き続き、14時40分から16時10分まで、2回生「構造数理セミナー」 のAクラス。教室を間違えてウロウロしていたら、たぶんP105教室の Bクラスの学生が「先生、F106ですよ」と教えて くれた。何でBクラスの子がAクラスの教室を知ってるんだ!?って、 ま、そういうことも ありうるか。

今日は1の原始n乗根の演習。具体例を自ら計算して、感覚をつかんでもらう 問題をテンコ盛りにしてみた。

授業が終わって研究室に戻り、「構造数理セミナー」の答案の整理をしたり、 「離散数学」のレポートの採点をしたりした後、18時頃から19時過ぎまで、 「離散数学」の受講生の1人が質問をしにやってきた。一言で言って「うーむ、 この人も大変だなあ」という印象だったが、最後に「ふーん、数学って、 深いんですね!」とすこし感じ入ったように言って帰っていった。

まあ、学生からこの一言が出たら、すでに数学科の教育目標の半分は達成 されたと言ってよい。しかし1時間ぐらいああだこうだ話してるだけで、 こうなるってのは、ちょっと珍しいんじゃないかしら。

それから、大学を発つ前にもう少し「離散数学」関係の仕事をしたが、この 科目、当初は受講生が集まらずに閉講になるとニラんでいたが、実際やって みると色々想定外の事態が重なって、結構手間暇かかっている。まあ、基本は 「俺サマがハーツホーンの最初の部分の復習をやるから、お前えら付き合え!」 ということなので、別にいいんだけど。

来年もこの科目を担当しなければならなくなったら、受講生は4回生以上 だから、クリスタリンコホモロジーとドラム・ヴィット複体の話でもしようかしら、 それとも変形理論の話でもしようかしら。Ritsの大学院では大学院レベルの 講義はできないのに、学部の講義ではいくらでもレベルを上げることができるって のは変な話だけど、この学科は色々変なところだから、別にいいのさ。 と、色々夢が膨らむ、、、、

すこし遅くなったので、南草津駅前で夕食。帰宅は21時過ぎ。夜は 次週の「代数学序論I」の準備など。

2013年4月29日(月)
<<ZUMBA60分>>
午前中は自宅で野暮用。昼前から遅めの昼食を挟んで数学。夕方、 またすこし野暮用。それから早目にラクトスポーツプラザへ。 今日は祝日のため、ZUMBAの時間が1時間繰りあがって19時から。 その前にストレッチと筋トレを終わらせようか、と。

しかし現地に行ってみたら、19時からはZUMBAではなく、 もっと軟弱なスタジオレッスンが掲示されていた。何だ、そういうことならと、 筋トレを速攻で終わらせて、有酸素運動の不足分を補うべく、 スタジオレッスンの直前まで20分ほど、何とかマシンという雲の上を 走るようなト―レーニングをこなすことにする。

ところが、軟弱レッスンというのは掲示ミスで、実は祝日スペシャルという ことで、通常は45分のところを、今日はZUMBA60分!という特別 レッスンだった。いやあ、有酸素運動20分プラスZUMBA60分ってのは、 今日の俺サマのコンディションではちとキツく、脈拍が上がり過ぎて無酸素 運動状態だったと思うが、まあ、やって良かったな。

と、いうのは、先週の新任教員歓迎会で大酒飲んで以来、体が水ぶくれ状態で、 おまけに昨日あたりからちょっと風邪気味。今のところ、風邪は「悪くはなってない」 状態でまずますすっきりしてて、さらには、 思いっきり汗をかいたので、水ぶくれ状態はすっかり解消した。

帰りはラクトのレストラン階で夕食をすませてから帰宅。少し数学をと思ったが、 この際だから前からやろうと思っていたCDケースの整理をする。今何枚ぐらいある か知らないが、たぶん300枚は軽く超えているはず。今回は作曲者別に整理して みたが、一時期ハマっていたクラリネットのCDは作曲者別分類は難しい。 ほとんどが「シュポーア、ライネッケ、ブルッフ」とか「ブラームス、シューマン」 みたいな感じで、幕の内弁当というか、松花堂弁当とうか、 天ぷら各種盛り合わせというか、そんな感じに なっているので、纏めて「クラリネット関係」と固めてしまった。

何故CDケースの整理をしようと思ったかとういうと、土曜日に聴いたコンサート で、シューベルトのヴァイオリンソナタに聞き覚えがあって、そのCDを持ってた はずだから捜そうと思ったわけ。2004年の今頃の季節に買って、しばらくはよく 聴いてたけど、その後10年近く全然聴いてなかった。

2013年4月28日(日)
<<科研費報告書の作業完了>>
午前中は京都新聞日曜版の2つのパズルを瞬殺攻略し、科研費の報告書 作成作業。昨年度の「実績報告書」を書けという話と補助金給付全期間の 「成果報告書」を書けという話が交錯していて、締切も同じ、提出先 の部署もほぼ(?)同じ。しかし一方はWebで入力して最後に「送信」 ボタンを押し忘れるな、他方はWordファイルを作成してどこそこにメール で送れ、と。さらに、質問があれば、「実績ナントカ」はあちらに、 「成果ナンチャラ」はこちらに問合せるべし。 さて先生方、マインダメールです!「実績ナントカ」の 締切をお忘れなく。ヤンヤヤンヤ、云々かんぬん。。。

で、Web入力して「送信」ボタンを押したら、メールで連絡しなくて 良いのかしら?それは何処の誰に問い合わせればいいのだっけ?ところで このWeb入力、ちゃんと入力したはずなのに、何でエラーメッセージばかり 出るの?入力説明書の在り処はどのメールに書いてあったっけ? あ、これは「成果ナンチャラ」メールだけど、Web入力は「実績ナントカ」 だな。じゃあ、「実績ナントカ」のメールはどれだったっけ?等々。

こんな調子では俺サマ級の緩く雑な頭だと、すぐにわけがわからなくなっ てくる。しかし、まあ、午前中に何とかひととおりの作業は終わり、少し肩の 荷が下りた気分。

それでラクト山科に買い出しに出て、帰宅して昼食。それから 夕方近くまで数学。それからまた、山科区内に自転車で買い出しに 出る。帰宅してまたしばし数学。今日の夕食でようやくあのシャブシャブで 酸っぱい赤ワインが無くなったので、昨日買った俺サマお気に入り銘柄 の白ワインで口直し。そういえばボジョレヌーヴォーって、みんな あんな感じの酸味の強いジャブジャブ赤ワインだから、最近は買ったこと がないな。

夕食後、またしばし数学。

2013年4月27日(土)
<<アンチュチュとコンサート>>
明け方ふと目が覚め、俺サマが格闘している某難解物グラフ の、どう考えても間違ってるとしか言いようのない証明の修正方法 が閃いた。偉い先生の書いたものは、往々にして証明は間違っている けど、主張は正しいことがあるから困る。兎に角、安心して二度寝。

アンチュチュの日。東山三条のバス停近くで、脇道から 東大路に出ようとしていたBMWの運転席をふと見たら、 俺サマんとこの近所で携帯電話販売代理店をしている オジサン(と言っても俺サマより若そうだけど)だった。 なるほど。あの店、結構儲かってるんだな。

10時から12時半までアンチュチュでフランスの授業。 世間では今日からゴールデンウィークだそうで、そのせいか、 今日は欠席者がかなり多かったな。

授業の後、新福菜館百万遍店にまっしぐら。途中、百万遍 知恩寺の前に、例の「ゴトーを待つ男」改め「1時間に1本の 京阪バスを待つ男」が居た。しかしまだ奴がバスに乗る現場は ちゃんと押さえてない。それで一応奴が乗るであろうバスの時間 を確認してから、昼食へ。昼食が終わって店を出た時は、ちょうど うまい具合にバスが来そうな時間だったので、遠目にバス停の あたりを監視し、確かに京阪バスに乗るのを確認した。

まあ、何の変哲もない話ですな。バスが来るまでの最低20分、 もしかしたら30分ぐらいじっと立って待ってるみたいだから、 俺サマ好みに変な奴なんだろうけど、その程度に変な奴は世の中に いっぱいいるから、やっぱり面白くも何ともない。

それから京大ルネの書籍部をちょっと偵察したり、アンチュチュの 図書室で一息ついたりしてから、某所で開かれた室内楽のコンサート を聴きに行く。今日はヴァイオリンソナタをいくつか聴いた。 伴奏のピアニストは、ピアノを弾きながら曲想に合わせて思い入れ たっぷりに百面相をする人で、それを見て「ああ、この人か」と、 以前一度聴いたことのある人だとわかった。

コンサート会場の休憩時間に、娘が音大出てからヨーロッパに留学して そのままとどまっているという母親二人が俺サマの後ろの席で話していた。 日本に帰ってきたら演奏して稼げる所がないけれど、 向うなら教会などで演奏できたり、国からの色々な補助があったり するので、日本にはあまり帰ってこない。娘ももういい年になってきたから、 早く結婚して欲しいのだけど、向うの人と一緒になると、それはそれで 「もう向こうの人になってしまった」という感じになって寂しいし、と。 そうですねえ、でも、ウチの娘は日本に帰ってきましたけど、同じく留学から 帰って来た男の人で「自分と同じ留学経験がある女性がいい」と仰る方と お見合いして結婚しました。あら、ウチの娘にもそんなご縁があればいいん ですけどね等々。

ちなみに、俺サマの独自調査によれば、ヨーロッパも厳しくなってきて、 しばらくはあちこちで演奏させてもらったりしてたけど、結局食いっぱぐれて 日本に帰ってきたという人も少なくない。日本に帰ってきても、独立して 生活していけるだけの仕事を得るのはなかなか大変なようだ。

結婚状況はどうかというと、同業者同士の結婚も少なくないようだが、 女性の場合は特に医者や大学教授と結婚するケースが多いように思われる。 俺サマもそうだけど、大学教授はクラシック音楽ファンが結構多いし、伝統的 な西洋音楽をきちんと学んだ感受性豊かな女性というと、かなり高く評価する 傾向があるのかもしれない。また、医者や大学教授の娘が音楽の道を進む例も かなり多いようで、これはおそらく世界的傾向ではないかと思う。

コンサートの後は、JEUGIA三条本店をちょっとだけ偵察してから 大丸ラクト山科店で白ワインを1本買って帰宅。昨日かった酸っぱい 赤ワインも早く片付けないとな。

帰宅して夕食の後、フランス語の宿題を復習を片付け、科研費の報告書 書きをすこし。

2013年4月26日(金)
<<人気のワインは酸っぱい>>
午前中は自宅で野暮用の後、しばし数学。昼頃、急に雲行きが怪しくなって、 嵐のような風が吹き荒れ、そのうち小雨がぱらついてきた。雨はすぐにやんだが、 相変わらず雲行きも風の吹き回しも怪しく、4月の下旬なのに妙に寒い。 午後はすこしずつ回復したが、変な天気である。

昼過ぎに大丸ラクト山科店に買い物に出たついでに、その辺で昼食、 そして山科駅前Sbuxにて、食後のコーヒーを飲みながらしばし数学。 隣の席では、スーツを着た30歳ぐらいの、たぶん独身のサラリーマン風 の男が、その母親らしい年配の女と一緒だった。男は今日東京に戻るらしく、 女の方は息子の健康を心配して食生活やサプリメントみたいな話をし、 さらには自分の健康状態のことなどを話していた。まあ、典型的な母と息子 の会話ですな。

Sbuxを出て大丸に寄り、「(当店)人気No.1赤ワイン」なる ものを買った。ワインの能書きを見ると、どうも俺サマ好みの酸味が無 く重口でタンニンの効いたものとは違うのだが、「まあ、一度だけチャンスを あげようではないか」と、買ってみた。

帰宅して、夕食の時間までまたしばし数学。

夕食時、「人気No.1赤ワイン」を飲んでみたが、何でこんなに 水で薄めたようにシャブシャブで、酸味が強く、タンニンが利いてない ワインに人気があるんのか、俺サマにはさっぱりわからん。そういえば以前、 明治屋の店員が「当店で一番人気のワイン」と言ってたのを買ってみたけど、 同じようにシャブシャブで、酸味が強く、タンニンが利いてなかったな。 なるほど、世の中の人はそういうのが好きなのか、と。ああ、そういえば、 中学の同窓会の時も、そういうワインが好きで、オーストリアだかスイスだか に出張した時は、いつも酸っぱくてシャブシャブのワインを飲みに行くと 言ってる奴がいたな。

ワインの好みに限らず、俺サマは子供の頃から世間一般の人間とは趣味が 合わないことが多いから、しょうがない。趣味が合わないといえば、(旧) 情報学科時代は、学生と学問上の趣味が合わずに往生した。趣味というか テイストというか、そういうのはお互い譲れないものだが、 「お前は私大の教師だから、突っ張ってないで学生の趣味に合わせろ!」と 小突き回され、それじゃあと、学生の趣味に徹底的合わせてみたら、今度は 「自分の持ち味を捨てるとはけしからん!」と小突き回される。 ははあ、こいつら、要するに俺サマを苛めて踏み台にするのが目的だったん だなと気付いた。もう10数年以上昔の話だけど、思い出すたびに ムラムラと腹が立ってくる。いつの日か、彼らにはたっぷりお礼をしたい と思っているのだが、その日が果たしてくるのかどうか、全く目処が立って いない。

まったく、何でこんな話になるんだ?やっぱりワインは慎重に見極めて 買わないといかんな。

今日もあの超難解モノグラフと格闘してたのだが、どうもうまく行かない。夕 食後は逃避行動として、科研費の成果報告書書き作業に走ったり、 このモノグラフは、知る人ぞ知る「出鱈目で信用ならない代物」 じゃないかしらと、その辺を探るためにネットで色々検索してみたり。

2013年4月25日(木)
<<新任教員歓迎会>>
午前中は自宅で数学。先日「わかった!」と思ったことをノートに 纏めようとしたら、微妙に分かり切ってないことが分かり、少し悪戦 苦闘。それから、大丸ラクト山科店で昼食用のパンを買って大学に出勤。

13時から14時半まで、就職組「ガロア理論」の卒研ゼミ。 今日は4名中2名が就活で休み。しかし2名の学生が出席していて、 有限体の特徴付け、線形空間の定義と基本性質を示した。次回は 同次線形連立方程式の非自明解の存在に関する基本定理の証明を 行う。

今日の朝刊で、大学のゼミを担当しているある作家が、就活で半数 以上が4回生のゼミに出られない現状を指して、教師も学生も「これって、 何かおかしいよね」と思いながらなすすべもなく流されているというよう なことを書いていた。戦時中の学徒動員のようなもので、グローバル経済 の生きるか死ぬかの非常時に、なりふり構ってられないという企業サマの 大号令のもと、学生達を軍需工場ならぬ就活戦線に駆り立てざるをえない 構図に見えてくる。最近はどこかの有名ブラック企業の社長が、「ブラック ではない、これがグローバルスタンダードだ!」と強弁しているとの新聞 報道があったな。「ブラック=グローバルスタンダード」というのは、 残念ながら現実なのかもしれない。

引き続き14時40分から16時10分まで、大学院進学組の 「複素幾何学」の卒研ゼミ。今日は正則関数の性質として、平均値の定理 とその応用など。次回は除去可能特異点などの話に入る予定。

その後、来週の講義の準備をすこしやってから、17時25分から 18時10分までの談話会を聴講。微分位相幾何学の葉層構造の幾何学に ついての非専門家向けの話で、とても参考になった。正標数の代数幾何学で も葉層構造理論というのがあって、その理論と通常の葉層理論との繋がりが よくわからないし、参考文献も少なくて理論の創始者も死んでしまっててど うしようもないので、しばらく放置してたのだが、談話会での質疑応答と その後の立ち話で、この問題についてのある初歩的 な疑問が解決した。

談話会の後、今年度の新任教員の歓迎会のため、草津駅前の飲み屋に 移動。談話会の講演者も来ていて、あらかじめ聞いてみたいと思ってたことも 聞けたし、若い先生達から最近の学生気質についての詳細な報告が聞けたことは 大きな収穫である。

実のところ、俺サマは学生が何を考えているかについては関心がない。 というか、(旧)情報学科および数理科学科における10数年の苦い経験から、 「泣く子と地頭と学生には勝てない」ことを骨の髄まで思い知らされたから、 自分の研究生活を第一に考えるならば、その時々の学生気質に左右されない ポジションを確保すべきだと思うに至り、実際にそのようにしている。だから、 上記のような話はどうでも良いといえばそうなのだけど、それはそれとして 面白い話だなとは思った。

何故面白いかというと、俺サマは一昨年就職委員をやった関係で、企業の 新卒採用で国籍を問わないところが現れ、日本人学生に比べてアグレッシブな 中国や韓国の学生を積極的に採用する動きが出てきたことを聞いていたのだが、 一部とは言え、企業が何でそんなことをするのだろうかと疑問に思っていた。 しかし、今日若い先生達から最近の学生気質の話を聞いて、「そんな調子じゃあ、 経営者としては海外に人材を求めたくもなるよな」と妙にすっきり納得してし まった。

22時頃に店を出る。2次会に行く人もいたが、とりあえず今回学科の 飲み会に参加した目的が達成されたので、退散。23時頃に帰宅。

2013年4月24日(水)
<<半年ぶりに院ゼミ再開>>
大丸ラクト山科店で昼食用のパンを買って、昼前に出勤。研究室で 早目の昼食の後、ようやく出席簿が届いたので、前期の授業の学生 数などを確認したり、数名程度しかいない「離散数学」の受講生の 過去の俺サマの科目の履修状況などを調べたり。

13時からは、半年ぶりに数学をやる気になったらしい院生のゼミ。 では俺サマは、この半年間何をやってたのかというと、ある論文の証明を ぜひとも理解したいと思い、クリスタリン・コホモロジーとドラム・ヴ ィット複体と傾斜スペクトラル列とそのトーション理論の勉強にどっぷり 漬かって、総計数百ページの文献を読み散らしていた。で、肝心の某論文 の証明とやらは分かったのか?というと、「うーん」って感じ。 これだから、馬鹿は困る!

ゼミ室不足が慢性化しているため、院ゼミは前半と後半は別の部屋で 行う。今日は積多様体と代数多様体上の正則関数について。代数幾何学の 初歩の話だが、実のところ俺サマも真面目に詰めて勉強したことがない細 かく微妙な点も、注意深く見ていったので、なかなか良い勉強になった。 最後の半時間ぐらい、俺サマが自分でみつけた問題を解こうと してウダウダ考えてたこともあって、ゼミは予定より長引き、16時10分頃 に終了。

16時30分より学科会議。18時前に終了。それからすぐにバス停に 向ったが、この時間帯は帰宅する学生達の長蛇の列。しかも雨もぱらついている。 その昔、自分は研究も会議も大嫌いで、さらに雨の中で学生達と一緒に バス待ちの長い長い行列に並ばねばならないのは惨め極まりないと言って、 大学をやめてしまった先生が居たな。まあ、研究も会議もバス待ち行列も 死ぬほど嫌で、教育が特に好きというわけでもないなら、誰だって大学教師 を辞めたくなるだろうなと思う。

やっと乗れたバスも、夕刻の渋滞で動かず。なんだかんだと帰宅したのは 19時半頃。夕食後、夜はそろそろ締切が近づいてきた科研費の報告書類 を書き始める。

2013年4月23日(火)
<<授業3つと25分間の教授会>>
10時頃に出勤。まずは図書館で地下書庫に入っている本を係の人に 出してもらって、借り出す。それから生協コンビニで昼食用のコンビニ弁当 とおにぎりを調達。研究室に着き、ひといきついてから10時40分より12時10 分まで、3回生以上の再履修クラス「離散数学」の講義。レポート提出2名、および、 レポート返却3名。

受講生は2人ばかり減ったが、確率論の博士課程の学生が新たに聴講 生として加わって、現在聴講生は3名。そのうち、この講座は聴講生だけになって しまうかもしれないが、それはそれでいいかもしれない。 いや、聴講生だけになったら、その時点でこの講座は閉講になるけど。

俺サマが数年前から大学院の授業を一切持たなくなったのは、大学院には確率論 の学生ばかりな上に、その 確率論の院生の受講態度があまりにも悪く、「最先端の研究室で世界レベルの 勉強している我々が、多忙な中、わざわざお前の講義に出てやってるんだ」と 言わんばかりの態度に業を煮やしたからである。君たちは一体 何を勘違いしているのか知らないが、俺サマは馬鹿だけど、 君たちにそんな態度を取られるほど落ちぶれてはいませんよ、と。 その彼ら(の後輩)が、俺サマが学部で教えている黄昏講座に聴講 に来るとは、どういう風の吹き回しか。まあ、何でもいいけどさ。

今日は代数的集合(あるいは代数多様体)と根基イデアル(素イデアル)の 対応関係を証明し、いくつかの例を示す。まあ、俺サマは結構丁寧にやっている せいか、90分でテキストの1ページも進まない。半期ですくなくともブロー アップまで進む積りだったけど、無理かもしれないな、などと弱気になる。 これでも結構可換環論のところは、学生のレポート課題などにしてすっ飛ばしてる んだけど。いや、可換環論の概念の定義やレポート課題なんか説明している から、進度が遅くなるのかもしれないな。

研究室で昼食の後、13時から14時30分まで2回生「代数学序論I」の 講義。今日は1の原始5乗根の復習をして1の原始6乗根の話をし、 それから一般の原始n乗根の話をする。最後のところでちょっとトチ狂って、 単に最大公約数と最小公倍数の話で簡単に済むところを、ユークリッドの 互除法がどうのという妙な方向に突っ走ってしまい、「何か変だ。今私は絶対 変なこと喋ってます。えーっと、ちょっと待ってくださいね」と立ち往生し、 最後の2分で間違いに気づき慌てて修正。次回は最後のゴタゴタ部分をもう 一度整理して話してから、群の定義と巡回群の話に入る予定。

ひきつづき、14時40分から16時10分まで、2回生「現象数理セミナー」 のBクラス。内容は先週のAクラスと同じ。先週は肝心なところを時間不足で慌て て話したけれど、今日は時間配分を考えて余裕をもって説明した。しかし後で学生 の答案をみてみると、3分の1程度は説明を聞き流して板書も放棄していた模様。 ま、3分の1ぐらいそういう学生が居るのは、想定の範囲内。

その後、16時30分より教授会。形式的な議題だけで25分で終了。 議事を聴きながら、演習のクラスの答案の整理など。教授会の後、午前中に 図書館で借りた文献の一部コピーをとったり、講義の準備関係の仕事をしたり して18時半頃に大学を出る。山科駅前で夕食の後、21時前に帰宅。

夜は連休明けぐらいの授業の準備をすこし。

2013年4月22日(月)
<<昼は買い出し、夜はZUMBA>>
午前中は自宅で数学。昼過ぎに山科区内に買い出しに出かけ、そのついでに その辺で適当に昼食。帰宅後、また数学。夕方頃にすこし野暮用。早目の夕食の後、 ラクトスポーツプラザに出掛ける。先にストレッチと筋トレを済ませ、その後 で楽しいZUMBA、最後に筋トレメニューの残りをさっと済ませて 帰宅。帰宅後もまた少しだけ数学。

ストレス解消法のひとつとして、毎日少しでも自分のための時間を 持つというのがあるらしい。大学教師は結構なご身分で、講義と会議以外は 自分の時間である。自分の時間に何をするかというと、研究をするわけだが、 研究がうまく行かないと、これはこれでまたストレスになる。

俺サマ級の馬鹿になるとロクな研究ができないので、学会で冷や飯食わされ てるだけならまだ良いが、時々国際研究集会や研究所の招聘研究員募集に応募 しても、馬鹿除け選考で弾き飛ばされたり、畏れおおくも数学者サマに 馬鹿質問メールを出 してしまって黙殺されたりするので、それがけっこうなストレスになる。 ヤワな神経では馬鹿は務まらないのだが、俺サマの神経は結構ヤワときている。

また、重い役職、例えば学科長とかをやると、講義と会議の時間以外でも、 事務方から「あれをしろ」「これをしろ」という細々とした メールがひっきりなしに届き、学科長会議は夏休みだろうが春休みだろうが お構いなく、狂ったように毎週開かれる。そして会議の度に何らかの宿題が 出される。事務的な作業で済むものならまだしも、土日を潰して何かの仕事 をする人を学科から出せ!みたいなのも多く、ではこの学科から今度は誰の 首を差し出せば良いのやらと、 「今月中に○○名の社員を リストラせよ」式の指示が上層部から次々と降ってくる斜陽系企業の人事課 社員の心境やかくやの気の重い日々を送らねばならない。

そういう意味では、講義と会議以外にも何かに追われているような時間が多く、 「自分のための時間」を意識して確保しなければ、頭がおかしくなってしまう。 いや、俺サマなどはそうしてたのだけど、やはり頭がおかしくなって、しばらく 「脳が歪んだ」とか騒いでたな。学科の同僚と、会議とメール以外では接触 を持たないようにしているのは、この時の名残というか、後遺症のようなものである。

学生の教育がストレスになる場合もあり、特に実験系の学科だと 研究室の学生を戦力として使えるようにすべく教育しなければならないので、 色々思うように行かずにヤキモキしなければならないこともある。 しかし数学科だと、学生が自分の研究の手足になるわけではないので、 あらかじめこのレベルまで学生を引っ張り上げないといけないというものが なく、鷹揚に構えていられる。つまり、それぞれの学生のレベルに 応じて相手していれば良いのである。

いや、そこが数学者か数学者でないかの別れ目らしいが、数学者は卒研 ゼミなどで出来ない学生の相手をしていると、こんな事も分からない(知らない) のか!とイライラしてくるらしい。しかし俺サマは数学者ではないので、 そんなことは全くなく、どんな学生を相手にしてても、特にどうってこともない。 ただ、その時間は自分の研究時間ではなくなるので、いかにして自分のトクに なることを学生から絞り取ってやろうかということだけ考えている悪徳教師である。

つまり、数学者か数学者でないかの違いは、「目の前の相手がデキる 奴だろうがデキない奴だろうが、自分には全く関係がないことだ」という 自明なことが理解できるかどうかの違いである。勿論、数学者にはこの自明 の理が理解できないから、馬鹿が大嫌いなのだろうと考えると、馬鹿の 俺サマなどは何となく納得してしまう。

別の学説として、数学業界は馬鹿を厳しく排除してきたから (俺サマは奇跡的に紛れ込んだ例外的不純物ね!)、数学者は馬鹿に対する 免疫がなく、どう対処して良いか分からないので過剰反応してしまうのだとも 考えられるが、まあ、この説についての考察は今後の課題としておこう。

兎に角、俺サマひとりでは数学者サマには太刀打ちできないから、 世界じゅうの俺サマ級の馬鹿と連帯して、数学者サマを馬鹿責めにして、 そのストレスで悶絶死させてやろうかしらんみたいなことを、考えないでもない。 しかし、数学研究やってる俺サマ級の馬鹿というのは、そう居るものでも ないし、連帯するにもそれなりのスキルが必要だ。俺サマ級の馬鹿になると、 そういうスキルすら持ち合わせていないので、どうにもならないという、 お粗末なオチになってしまう。

はい、お後がよろしいようで、今夜はこれにて失礼。

2013年4月21日(日)
<<自宅または山科区内徘徊>>
午前中は京都新聞日曜版の2つのパズルを速攻攻略し、しばし数学。 昼頃、大丸ラクト山科店で寿司を買ってきて、自宅で昼食。それから また少し数学。夕方頃、また自転車で山科区内を回って色々買い出し。 帰宅後、夕食を挟んで数学。昨日のフランス語の復習もやろうかと 思ったけど、結局愚図愚図と数学と逃避行動だけやっていた。 フランス語の復習は逃避行動にはならないようだ。

2013年4月20日(土)
<<「哲学のヒント」を購入>>
アンチュチュの日。9時35分頃に到着し、図書室でフランス語 基本単語の活用形を復習したりしながら時間調整。バスの時間の 関係で、これより1本遅いと9時40分頃に到着するが、それを逃すと 10時ぎりぎり到着のバスしかない。東大路を上がるバスは沢山 走っているが、そのほとんどは途中で平安神宮の方か丸太町通りを 西か東に折れてしまい、京大の方まで行くバスは5台に1台ぐらい の割合しか来ない。

12時半すぎにフランス語の授業が終了。隣の京大ルネの書籍部で 藤田正勝「哲学のヒント」(岩波新書)を購入。先週の新聞の書評欄で ちょっと目を引いたので、読んでみたくなった。最近の本なので、大学 の図書館にはまだ置いてない。図書館に入る頃には忘れてるだろうから、 いっそのこと買ってしまえ、と。いや、まだ「おどろきの中国」(講談社 現代新書)を読み終えてないんだけど。

俺サマは若い頃から何となく哲学が好きである。大学に入学した 直後、「これから自分は数学三昧の学生生活を送るのだ。学問として の数学には哲学が重要だ」と変な勘違いをして、その頃刊行が始まった 西田幾多郎全集の第一巻をとりあえず買って読み始めた。しかし、 さっぱり分からないので、結局放り出した。その後も、時々哲学の 本を買ってみては、結局放り出すということを繰り返している。 そういえば、すこし前にハイデッカー研究で有名な先生の文庫本 を買ったけど、結局放り出したままである。

自分では「哲学は面白いし興味がある」積りでいるけれど、 本当のところはあまり面白いとは思ってないのかもしれない。 そういえば、数学では数式や記号を使って概念をひとつひとつ正確に 記述していく方法が開発されているけど、哲学にはそういうものが無い みたいだから、言葉の定義のところで既に解釈の混乱が起こって、議論 が堂々巡りするのだというのが、俺サマの哲学に対する偏見。というか、 そういうところを捉えて、「哲学って、同じ事をああでもないこうでもないと 議論のための議論をしているだけで、話が全然前に進んでいかないし、 やっぱり退屈だな」と無意識のうちに思っているのかもしれない。

新福菜館百万遍店で昼食の後、すぐにバスと地下鉄を乗り継 いで山科に戻る。山科駅前で、ラクトスポーツプラザに(たぶん)毎日来ている 「ピチピチ(もっこし)マン」とすれ違った。山科駅前Sbuxで、 昼食後の珈琲を飲みながら、フランス語の宿題を片付ける。それから 山科区内のスーパーをいくつか回って買い出し。そういえば、 外環状線を南下している時に、向うからやってきた「中国人の陳さん」と すれ違った。午前中は晴れていたが、昼過ぎには雲行きが怪しくなってきて、 買い出しの帰りには雨がぱらついてきた。

帰宅後は夕食を挟んで数学。

2013年4月19日(金)
<<丸亀製麺京都市役所前店>>
午前中は自宅で野暮用の後、しばし数学。午後は久しぶりに街に出る。 まずは先日開店したばかりの、丸亀製麺京都市役所前店にて昼食。

河原町三条店では売れ筋の野菜の掻き揚げ天ぷらが、この店では あまり売れないと見えて、長い時間放置されていたらしく、 かなり冷たくなっていて、ちょっとびっくりした。(たぶん保温も兼ねた) 強い光の電球で照らしているから、そんなに冷たくならないはずだが、 どうしたことか。まあ、暖かい饂飩 の汁に漬けて食べればとりあえず問題なしだが、今後ここで野菜の 掻き揚げ天ぷらで同様のことが起こるかどうか、要経過観察。

その後、上島珈琲寺町通り店に籠って、夕方まで数学。60代ぐらいの オバサンが2人、かれこれ3時間半ぐらいくっちゃべっていた。何故3時間半と わかったかというと、俺サマが席についたのが13時40分ぐらい。 その時は、ケーキセットか何かと思われる彼女達の皿と珈琲カップが 既に空になっていた。 それから間もなくして、一人がふと腕時計を見て「おや、かれこれ1時間半 経ってしまったわね。まだ、時間大丈夫?」「うん、大丈夫」みたいな会話を しており、それからさらに水1杯で2時間ぐらいくっちゃべってから帰ったのを 確認したから。

話の内容は、自分や知人の家族のことで、まあ、この世代の人のエンドレス トークとしては、標準的な話題であろう。また、2時間ぐらいくっちゃべると、 トイレ休憩が入り、またしばらくくっちゃべってから、水をもらいにいき、 その水1杯でさらに1,2時間くっちゃべるというのが、彼女らの標準的パターン のようである。

途中、良い席が空いたので、俺サマはそちらに移動。近くに30代ぐらいの 西洋人風の男と30代ぐらいの日本の女が居たが、二人は知人同士らしかった。 女が、最近貴方はずいぶんリラックスした表情になりましたねとと言うと、 男の方は○○子と知りあったことと、永住権が取れた (○○子と結婚でもしたのだろう)ことで、すっかりストレスがなくなったのだ と言い、女は「○○子さんと出会えて、本当に幸せですね」 などと言っていた。二人は間もなく店を出て行った。

次に50代ぐらいの女二人組がやってきた。二人は会社で事務職をしている、 あるいは、していたらしい。一方の女は、会社に出入りの営業の男が優しそうで 感じが良かったから、好きになって告白したのだけど、ナントカがナントカで うまくいかなかった。最近ふとその人に(俺サマの推測では30年ぶりぐらいに) 再会したのだが、すっかり老けこんでいてがっかりした。 結局付き合った男は今の主人だけで、別に好きだったというわけでもないけど、 初対面の時から話しやすい雰囲気だったから何となく一緒になったと言っていた。

この年代の女にしては、珍しい話題だなと思ったが、それから日商簿記の話 になって、私は2級を取ったとか、私は3級どまりだわとか、今職場で 算盤使ってるのは私だけで、皆電卓だというような話に変わった。

この二人もじきに店を出て、次に大学生ぐらいの2人の若い女がやってきた。 一人は韓国からの留学生らしい。最初は健康保険の話をしていて、日本の 歯科医は高額かどうかということから、歯並びの話になった。韓国人にとって 歯並びの良さは美貌の重要なポイントだとか、日本では八重歯の女の子が可愛いと 言われているが、韓国ではまったく逆だとかいうような話をしていて、次に 「カッコイイ男の子」の話に移っていった。

大学生ぐらいまでの女の子が「カッコイイ男の子」の話題で盛り上がっている 場面は、街を徘徊していればどこででも出くわす。しかし女も20代の半ば になれば、あまり「カッコイイ男の子」がどうのこうのという話はしなくなって、 職場の人間関係がどうのこうのといった話をグジュグジュ友達に聞いてもらう ケースが多くなる傾向がみられる。

ということで、俺サマも2時間以上居座ってから店を出て、JEUGIA三条 本店と大丸ラクト山科店を偵察飛行してから帰宅。夕食後、夜もまた少し数学。

2013年4月18日(木)
<<就職組の卒研ゼミ始動>>
午前中は自宅で野暮用の後、しばし数学。それから大丸ラクト山科店で 昼食用のパンを買って出勤。

昼過ぎに大学に到着し、研究室で昼食の後、13時から14時30分 まで、就職組のガロア理論の卒研ゼミ。先週は誰も予習をしてなくて1分で 終わったが、今日からいよいよスタート。体の定義を簡単に復習して、 有限体の簡単な演習問題を扱う。次回は有限体の問題の残りをやって、 ベクトル空間をさくっと片付けた後、連立1次方程式の話に入る予定。

ひきつづき大学院進学組の複素代数幾何学ゼミ。今日は冪級数のところ を片付けて、一致の定理や、正則関数の冪級数展開について。次回は正則 関数の平均値の定理のところに入る予定。

ゼミが終わってすぐに大学を発つべく、バスターミナルに行ったら、 学生達の長蛇の列。バスもなかなか来ず。帰宅して一息ついてから、夕食。 その後、夜はラクトスポーツプラザ。今日は骨盤矯正ヨガと有酸素運動。

帰宅後、ほんの少し数学。

2013年4月17日(水)
<<新任教員歓迎昼食会>>
午前中は山科区内のスーパーに買い出し。帰宅して、しばし来週以降の 講義メモ作りをしてから出勤。11時半頃に大学に到着。12時前から13時 過ぎまで、学内にある某ホテル直営レストランのランチメニューで新任教員歓迎会。 しかし人数の関係か、場所はそのレストランの隣の殺風景な会議室。 まあ、この会議室は窓があるだけマシだけど。

こんな美味い料理にありつける場所が、こんな殺風景なところ。 この悩ましい落差ゆえに、普通ならパスしたいところだが、 一応今度の新人3名がどんな人間か探っておこうという 思惑があって参加したのである。しかしながら、うち1名は欠席しており、 残りの2名も、授業の合間の短い昼休みのため、その場に居たのは 正味30分ちょっと。しかも、そのほとんどの時間、かしこまって 飯食ってるだけだから、結局よくわからなかった。やっぱりこういうのは 酒飲ませて色々喋らせないと、わからんものだ。

その後すぐに帰るのは、流石に昼食のためだけに大学に出勤した みたいであまりに馬鹿馬鹿しいので、夕方近くまで研究室ですごす。 まずは「離散数学」のレポートの採点。まあ、こういう仕事は大学で片付け ておきたいものだ。受講生が少なく、今回採点すべきレポートはたった3通。 良く出来ていたものもあり、課題の問題を書き写しただけで全く中身が無い ものもあった。

試験の答案でも、何も書けない時に問題文を写経するというのは学生が よくやる手だが、何でこんな無意味なことをするのか、いまだによく分からない。 まあ、分からなくても、俺サマは別に困らないから、いいんだけど。

レポートの採点はすぐに終わったので、その後は夕方まで数学。 それから大学を発ち、大丸ラクト山科店で赤ワインを1本買 って帰宅。夕食後、夜はまたすこし数学。

2013年4月16日(火)
<<講義3つ、会議1つは消滅>>
午前中はハイレベル化してリニューアルした「離散数学」(3回生以上を対象)。 今日は流石に受講生が激減してるんじゃないかなと思って教室に行ったら、、、 増えていた!?この講座は受講生が居なくなって閉講すると踏んでたけど、 もうその線はなさそうなので、腹をくくってやってくしかないか、と。 まあ、シラバスにちゃんとハイレベル化を謳ってあるので、レベルは下げずに ガンガン行く。

今日はアフィン空間の部分集合を零点としてもつイデアルを定義して、 その基本性質を示す。イデアルの根基がイデアルであることはレポート 課題にすれば良かったのだが、それを忘れていてチマチマ説明してたら 時間がどんどん経ってしまい、予定のところまで進めず。 次回は根基イデアルと代数的集合の対応関係とその例、アフィン座標環や 代数的集合の代数多様体への分解の話をする予定。

あらかじめ生協コンビニで買っておいたサンドイッチとお握りで 研究室で昼食をとった後、13時から14時30分まで2回生「代数学序論I」 の講義。今日は代数学の基本定理の正確なステートメントを示し、ガロアや アーベルの仕事との関係を説明した後、5次方程式X^5-2=0を題材として、 1の原始5乗根の話をする。次回は6次方程式X^6-2=0の話と比較しながら、 1の原始n乗根の一般論に入り、時間があれば巡回群の話に入る予定。

引き続き14時40分から16時10分まで「構造数学セミナーI」の Aクラス。今日は一般の方程式の解と係数の関係の話。概要は前回に 話してあるので、今日は問題と解答用紙を配って、最初の1時間程度は 学生たちに問題を解かせ、最後の30分で解答例の解説。ちょっと説明の 時間が足りなくて、最後の方はかなり飛ばしてしまった。

数学科の演習の授業というと、教師が問題を複数書いた紙を配り、 それを学生が競争して解き、真っ先に解いた学生が自分の解答を黒板 の前で発表しポイントを稼ぐという形式が伝統的に好まれる。

これだと、よく出来る学生だけがどんどん問題を解いてポイントを 稼ぎ、然らざる学生は指をくわえて見ているだけ。あるいは、 やっとの思いで問題を解いても、よく出来る学生に出し抜かれて、折角の 苦労も水の泡となる。では解きやすい問題を素早く見つけることが できない鈍才はどうすれば良いかというと、誰も手をつけそうに ないとっつきの悪い問題に食い下がるしかない。そして運が良ければ うまく解ける。運がなければ、、、沈没あるのみ。 これはまさに数学業界の研究競争の縮図そのものである。

何故このような演習形式が好まれるかというと、それは演習の授業を担当 するのが数学者だからだと思う。彼らは学生時代にそういう問題解き競争に 勝ち残り、今も数学者としての研究競争で「けっこういい線行ってるから」 (そうでなければ大学教師として採用されない)からだと思われる。そして、 誰だって、自分が得意な分野を得意な形で教えたがる。

しかし俺サマは馬鹿だし数学者ではないので、こういう演習のやり かたはしない。毎回1テーマで全員に同じ問題を解かせる。過去の定期 試験の経験から、講義だけでは学生がなかなか理解できない基本的で重要 なポイントに絞った問題を選び、解けそうで解けない、簡単そうに見えて、 よく考えると全然わからない、うーっ、これは一体何なんだ(って、まさに 君達の盲点なんだよ!)と学生達を七転八倒させてほくそ笑むのである。

授業のあと、図書館からちょっとした呼び出しがあったので、 その用事をすませて、研究室に荷物を置いてからすぐに会議室へ。 今日の16時から学科長らと一緒に他学科の先生と難しい交渉ごと。 授業がある俺サマをおいて先に進めてもらっていたのだが、 俺サマが16時半近くに会議室に駈けつけたときには、 もう全てが円満に解決していた。もっと揉めると思ってたのだけど、 別の先生が事前にうまく根回ししてくれてたお陰で、 ずいぶんあっさり合意に達したのだとか。まあ、目出度い話じゃないですか。

この会議で遅くなると思ったけれど、意外に時間が空いて しまったので、学生の演習の答案を整理したり、「離散数学」の授業に 関する雑用を片付けたりして、19時に大学を出る。南草津駅前 で夕食の後、21時前に帰宅。夜は講義の準備を少し。