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2014年5月15日(木)
<<大丸でジーンズを2本買う>>
大丸ラクト山科店で昼食用のパンを買って、昼頃に出勤。研究室で昼食の後、 昨日の学科会議で取りまとめた書類2通を理工学部事務に届け、しばし図書館を 偵察飛行して時間調整してから、教室に向かう。

13時から14時30分まで、2回生「代数学序論I」の講義。今日は、 1の原始n乗根や有限巡回群の生成元について議論する際に必要な、 初等整数論の話。素因数分解の一意性やそれを使った議論の仕方、および、 ユークリッドの互除法定理証明の考え方を紹介し、その応用として 巡回群の生成元の話の別証明を示す。次回はユークリッドの互除法定理の 証明をきちんと示してから、有限巡回群の部分群の話に入る予定。

講義の後、いったん研究室に戻って、すぐに大学を発ち、大丸京都店へ。 ジーンズを2本購入。まあ、眼鏡でもそうなんだけど、たまに買いに行くと デザインが変わっていて、どこか必ず気にいらないところがある。 今日買った1本は前ポケットの形が気に入らず、もう1本は太もものところが 細くて余裕がほとんどない。ただ、最近の流行りなのか、どちらも僅かに ポリウレタンが入っているためか、伸縮性がある生地で、それはもしかして いいかも?って感じ。

ジーンズなら、ラクト山科にユニクロが入っているから、そこで買えば 簡単だが、ユニクロ―のジーンズは以前買った時、安かろう悪かろう みたいなところがあって、すぐにあちこちが痛んでくるので、滅多に買わない。

長さを合わせて、裁断縫製してもらうのに1時間ほど待つ間に、7階の ファミリーレストランで夕食。ドイツにはGALERIA Kaufhofというデパート チェーンがあって、そこにはDINEAというレストランが入っている。大抵は 最上階にあって、まあ、雰囲気としては大丸7階のファミリーレストラン に何となく似ている。

そういえば、オスナブリュックに居る時もジーンズを買おうかと思った ことがあったのだが、裁断縫製してくれるかどうかはよくわからなかった。 日本だとすぐに店員がそばに寄ってきて、試着の後に長さを合わせて くれるが、ドイツの衣料品店は大抵「勝手に選んで、勝手に試着して、レジ まで持ってきてください」って感じだったので、長さを合わせてもらえる 雰囲気ではない。

その辺は一体どうなっているのか、店の人に聞けば良いのだが、 その前にオスナブリュック大学の先生に聞いてみたら、 「何?それ」って感じ。年中ジーンズ履いてる貴方が知らないのか? と食いさがっても、自分は店で長さを合わせてもらって裁断縫製してもらった ことは一度もない(足が長い人はいいですね)。もし長さが合わなければ、 裾を折って履けばいいではないか、と。この不毛なやりとりには、 いささか面食らったが、結局ジーンズは買わなかったし、実際どうなている かは分からずじまい。気が向いた時に、寺子屋の先生に聞こうと思ってたが、 忘れたままになっている。

買い物の後、帰宅。荷物を置いてひといきついてから、ラクトスポーツプラザへ。 今日は骨盤矯正ヨガと有酸素運動。帰宅後はほんの少しだけ数学。 学科長の仕事関係ですこしメールが炎上気味だったが、面倒臭いので今日のところ は放置。

2014年5月14日(水)
<<早朝の怒涛メール>>
昨夜は例の「さっぱりわからない案件」のことを色々考えてしまって、なかなか 寝つけず。最後は数学を考えるようにしたら気分が落ち着き、何とか眠れた。

今朝はかなり睡眠不足気味だったが、午前中の講義があるので無理して起きる。 メールをチェックすると、早起きの事務長や学部長から怒涛のごとき 膨大な量のメールが届いていた。俺サマが読んでチェックしている間にも、 「補足説明です」と次のメールが届く。そこには、俺サマは「いろはの『い』 も知らない!」と騒いだ件についての詳細な説明が書かれていた。 それらを全て読み終えた時、 俺サマはこの案件について完全に理解することができた。

それで、夕方の学科会議にどのように臨めば良いか、作戦を立てた。まさに 綱渡りのような作戦だが、それが成功すればこの案件については一番望ましい 決着の付け方ではないか、と。

10時過ぎに出勤。10時40分から12時10分まで、3回生「複素解析学I」 の講義。今日は指数関数と対数関数の話のつづき。対数関数についての先週の ウソを訂正し、先週雑にやってしまったリーマン面の話をもうすこし丁寧に やる。それから複素積分の所に入り、積分不等式を証明するも、最後の方が すこし尻切れトンボ気味になってしまったので、「次回補足する」と宣言して終わる。

研究室に戻って、もひとつ頭の痛い学科長の仕事について、事務に問合せ メールを出したり、学系の事務員に直接掛け合ったりする。

14時から15時40分頃まで、留学院生ゼミ。今日はイデアルの根基が 再びイデアルになること、イデアルが定義する代数的集合は、イデアルの 根基をとっても変わらないことの証明、ネ―ター環の準素イデアル分解と 代数的集合の既約部分集合への分解など。

ゼミの後も「もひとつ頭の痛い学科長の仕事」について、学系の事務員と 相談したりした後、16時30分から学科会議。途中3分程度の休憩の後、 18時前に終了。午前中に考えておいた「作戦」どおり事が進み、 やれやれと胸をなでおろす。

研究室に戻って、学科長の仕事を色々整理しながらあちこち にメールを出しまくり、20時前に大学を発つ。

南草津駅前で夕食をとってから帰宅すると、働き者の物理の学科長が、 学系事務の人と一緒に「もひとつ頭の痛い学科長の仕事」のほとんどを 片付けたというメールが届いていた。

ああ、これで長い長い学科長の一日が 終わった。俺サマはとても良い人達に囲まれて仕事してるんだな と、痛感した一日でもあった。

2014年5月13日(火)
<<知らないものは、知らないのである>>
午前中にメールで届いた学科会議の資料に目を通してから、大丸ラクト山科店で 昼食用のパンを買って、昼前に出勤。研究室での昼食を挟んで、昨日の阪大出張の 出張報告書などの雑用。13時から14時20分過ぎまで、学科長会議。この案件、 数理科学科にも関係してそうだけど、そもそも何のことだか基本的なことからさっぱり わかってないということがあったのだが、「会議は1時間で終わらせる」という プレッシャーがあって、質問しそびれた。うーん、典型的な劣等生のパターンだな。

学科長会議の後、研究室に戻り、出張報告書を完成させて事務に提出し、科研費 の報告書の修正作業を終え、今日の学科長会議の生理をして明日の学科会議の議題を 決めて学科のメーリングリストで連絡。

16時30分から教授会。17時25分頃に終了。ここでもまた、学科長会議 で出てきた「俺サマが基本的なことすらわかってない、数理科学科に関係した案件」 が猛烈な早口で報告されていた。どうも雰囲気的に、「これを知らないって、 お前、何年大学に勤めてるんだよう!?」レベルの話のような気もする。 こうなると、ますます質問しにくいという、 劣等生のデフレスパイラルに陥る。

教授会から戻って帰り支度をして研究室を出たものの、やはりその件が気になり、 事務長と学部長に超お馬鹿質問メールを出す。「当方、基本中の基本すらわかって おらず、学科長会議でも教授会でも質問しそびれたのですが、あれは一体何の話なんで すか?」と。

帰宅してメールを確認すると、俺サマとは違ってちゃんと話が分かっている人が、 この件について事務長と色々メールのやりとりをしていて、それがCcで俺サマのところ にも送らてきていた。しかしそんな、分かっている人にだけ分かるようなメールで 分かるぐらいなら、誰も苦労はしない。

まあ、皆さんお忙しい中、俺サマのような馬鹿の相手などいちいちやってられない と思うが、「数理科学科で責任をもって何かをすべし!」と教授会でも宣言してたの だから、知らぬ存ぜぬでは済まされないし、ちゃんとやらなくっちゃ!と思うからこそ、 「で、何をすればいいの?」と質問するわけである。しかし俺サマの質問メールは、 インターネットの虚空に空しくこだまするだけで、今日のところは まともな返事は返ってこず。

しょうがないので「当方馬鹿ですので、この案件については 基本的なことすら全く理解しておりません。だからこそ、さきほどの質問の メールを出させていただきましたが、そちら様は いろいろ御多忙でしょうし、馬鹿に噛んで 含めてお粥を焚いて式に説明しているわけにもいかないでしょうから、 明日の学科会議で学科の皆さんに聞いてみることにいたします。 不幸にして学科の誰もこの件について知らなかった場合、 学科としては責任をもって何かをする状態には到達できそうにございませんので、 その点だけはご理解いただきたく存じます」という趣旨のメールを出しておく。

まあ、「基本中の基本」らしいから、馬鹿の俺サマと違って、 学科の人達はある程度は知ってると は思うが、「数理科学科が責任をもって事にあた」れるレベルまで詳しい人 が居るかどうかは不明。何せこの案件、ここ10数年数理科学科は全然 タッチしてないし。

さらに駄目押しで「明日の学科会議でこの件を学科に諮る積りでございますが、 この件について少しでも理解するためには、どなたにお尋ねすればよいか、あるいは、 学内規定のどこを参照すれば良いかだけでも、ご教示いただけませんでしょうか。 さもなくば、当方自爆テロに突っ走りますので、悪しからずご了承を」と 脅迫まがいの駄目押しメールまで出す。俺サマのような劣等生を放置すると どんなことになるか、、、ひと暴れして天下に知らしめてやろうか、と。

まったく、馬鹿が学科長やると、コレだから駄目だわさ。 何だか滅茶苦茶やってるって感じ。

ああ、そういえば「馬鹿」で思い出したが、数日前に学会のメーリングリストで 「フランスで馬鹿除け選考、やってます!」って連絡が流れてたな。 来年の今頃、フランスの某研究所で興味深い研究集会をやるから、参加 したい人はこれこれのサイトで参加も申し込みされたし、と。

で、早速そのサイトを覗いてみたら、「当研究所(やその周辺)の宿泊施設は 限られており、研究集会は集会主催者が招待した人だけに限らせてもらっている。 今の段階で招待されてなくて、しかも集会への参加を希望する人は、12月某日ま でに、ここに必要事項を記入して申し込んで欲しい。招待決定者は集会の2、3 週間前までにこのサイトで発表する」と。

これは勿論馬鹿除け選考である。例えば俺サマが今一番乗りで申し込んだと しても馬鹿除け選考で弾かれ、12月某日の締切ぎりぎりに申し込んだオリコー な数学者はちゃんと招待者リストに名前が載るという按配である。これと同じ 馬鹿除け選考は、イギリスの某研究所の研究集会でもやってたな。 けっ、俺サマが馬鹿だと思って、馬鹿にしやがって!と、その辺の机を 蹴っ飛ばしたくなるが、机蹴ると足が痛いので、踏みとどまる。

2014年5月12日(月)
<<阪大出張>>
午前中は自宅で少し数学。その後、すこし学科長の仕事。

昼頃までに取りまとめなければならない学科長の 仕事があったのだが、締切を過ぎても某先生からの連絡が届かない。 まあ、そういうこともあろうかと思って、あらかじめ考えておいた通り色々 手を打つ。

まずは事務にメールを出し、某先生が先週の後半から音信不通 状態なので、今日中にそちらに提出するはずだった書類が微妙な状態だ。 必要ならばそちらから直接取り立てに行って欲しい、と。ひょっとしたらその先生、 琵琶湖の底に沈んでるかも知れないから、場合によっては警察に捜索願い を出してもらうのも手かもしれない、と書き加えたかったが、とりあえず 踏みとどまった。

次にその先生の留守番電話にメッセージを入れ、「センセイ、何してまんのや? 約束の品、きっちり揃えて出してもらおうやないか!」とドスを利かせておく。

さらにその先生に近いというか、上司にあたる先生にもメールを出し、 某先生の居所を知ってたら「こら、お前、なんでこんなところに隠れてるんや?」と 引きづり出して仕事させるか、貴方が代わりに書類を書いてほしいと依頼する。

そして皆さん!俺サマは午後は出張のため、 これ以上この件の処理には当たれないから、あとはよろしくお願いねー! 皆さん、大変協力的だから、俺サマは安心して出張に行っちゃうよー!と。

それから自宅を出て、山科駅の蕎麦屋で軽く昼食後、山科駅前Sbuxで 食後の珈琲を飲みながらしばし数学の後、いざ阪大へ。今日は談話会で面白い 講演があるのでやってきたのだが、予想どおり会場の場所がよくわからない。 そういうこともあろうかと思って、すこし早めに来たというわけ。

大阪というのは大阪駅もそうだが、どこに何があるかという掲示を申し訳程度 にしかしない土地柄なので、現地に行ってからかなり捜し回らないといけない。 守衛室や生物系事務室に飛び込んで断片的情報を得たりして、 ようやく会場を突きとめた。幸いまだ小一時間ほど時間があったので、 トイレに行ったり、その辺の休憩コーナーで数学をやったりして時間調整。

講演は16時半から17時半まで。その後すぐに阪大を発ち、石橋から 阪急に乗り、大阪からJR新快速で山科に戻る。阪急電車の向いの席には、 20代の若い男がスマホの画面に見入りながら、鼻くそをほじくっては食べ、 ほじくっては食べしていた。

俺サマのこれまでのフィールドワークによれば、 鼻糞をほじくって食べるという行為は、誰かがやっているのの見て 学習するものではなく、すこぶる本能的なものだと思われる。 人間のある種のオスは、別に誰に教わるわけでもなく、もの心ついた時には既に 鼻糞をほじくって食べている。この本能は誰にでもあるわけではなく、 俺サマなどは幼少のころから振り返っても、一度もそんなことはしたことがない。 したがって、ある種の遺伝子の活性化がこの本能に関係していていると思われる。 その遺伝子の特定は興味深い研究テーマであろう。

かように生物学的本能に基づいて行われる行為には、何らかの生態学的または 生理学的な 意味があると思われるが、それが何なのかはよくわからない。 食生活の関係で塩分が不足し、鼻糞に含まれている塩分を摂取しようと するのだろうか。塩分押さえ気味の生活習慣なら高血圧の心配はなく、 循環器系の老化が遅くなり、長生きするはずである。 ならば鼻糞をほじくって食べる高齢の人間のオスが多くみられるはずである。

また、鼻糞をほじくって食べる女性の例がみられないのは、 生理に伴い鉄分が不足するというファクターの方が大きくなり、 鼻糞による塩分摂取本能が抑制され、閉経後もその習慣が維持されるからだと 考えられる。

だいたい20代や30代になっても、まだ人前で鼻糞をほじくって食べてる ぐらいだから、長じてオッサンや爺さんになったからと言ってやめるわけがない。 「雀百まで踊りを忘れず」「三つ子の魂百まで」と言うではないか。 よし、これからは爺さんに注目しよう。爺さんというのは、 加齢臭の研究ばかりではなく、鼻糞仮説検証の観点からも興味深いというわけだ。

山科に戻って、駅前のお好み焼き屋で夕食を済ませてから帰宅。俺サマが 大阪に行ってる間に、学科長関連ですこしメールが炎上していたが、 昼間の一件については皆さまのご協力のお陰で無事解決したようなので、 後は野となれ山となれ!と、それ以外の案件については、テキトーな返事を返しておく。

2014年5月11日(日)
<<「論文捏造」を読了>>
午前中は、京都新聞日曜版の2つのパズルを速攻で解決し、しばし野暮用 の後、「論文捏造」に読みふける。

午後は街に出て、まずは新福菜館府立医大前店で遅めの昼食。その後、 アンチュチュへ。返却期限が来ていた図書を返し、図書室でしばし数学。 図書室は15時に閉まり、上島珈琲寺町通店に移動。そこでまたしばし数学。

夕方、上島珈琲を出て、JEUGIA三条本店を少し偵察飛行してから帰宅。 帰りの地下鉄の中で「論文捏造」を読了した。

「論文捏造」は、1998年から2002年の間にアメリカの名門ベル研究所 で起こった、史上最大級の論文捏造事件に関するNHK番組を書籍化したものらしい。 ドイツのコンスタンツ大学で博士号を取得して間もない ヘンドリック・シェーンが、上司である超伝導研究の世界的第一人者 バートラム・バトログの下で働き始めて2年後に、突然高温超伝導で画期的な 研究成果を超人的なスピードで量産し始め、ネイチャーやサイエンスといった 世界最高峰の科学雑誌に数十編の論文を次々と発表し、世界中で大センセーションを起こした。 しかし結局全て捏造であったという話である。シェーンは コンスタンツ大学在学中でも(軽微な)捏造に手を 染めたことが、大学の後の調査で判明している。

ほとんど無名であったシェーンの論文が、ネイチャーやサイエンス に採録されたのは、高名なバトログとの共著論文にすることによって 信用が高まったからという面もかなりあった。しかし実際のところ、 バトログはシェーンが実際に実験している姿や生データは見ていなかった。 また、論文に疑義が出てからのシェーンは、色々な言い訳を 重ねて、結局疑いを晴らすに十分な実験記録も生データも提出することなく、 最後にやむおえず提出したサンプルを見た専門家達は、シェーンが、自分の論文 で示している高度な実験データを得るために必要な、基礎的な技術ですら持ち 合わせていないことを確信した。

このような大規模な捏造が数年間見過ごされた背景として、 この本はいくつかの点を指摘している。まず研究不正の現場となった ベル研は、民間企業の研究所だが、親会社の経営不振の影響で 自由闊達な研究者の楽園の時代は終わり、成果主義に陥っていた。 それまでのベル研では、研究成果を外部に発表する前にとても厳しい 内部審査があり、上層部の人間が実験室までやってきて、「君が論文で 発表しようとしている実験結果を、今ここで再現して見せてくれ」と言って きたそうで、徹底的に真実を追求する姿勢が貫かれていた。しかし、 成果主義に走り出してからのベル研の上層部は、シェーンの研究の大ヒットを、 予算獲得とリストラ緩和、 そして研究所としての生き残りの頼みの綱と考え、大々的に宣伝 することに執心し、捏造の疑いについての内部告発を握り潰すような形で隠蔽した。

また、商業誌としてライバル誌との競争を重視し、センセーショナルな論文 を常に探し求めざるを得ないネーチャーやサイエンスも、やはり研究者からの疑義 の声に長く耳を傾けなかった。

さらには、研究者の世界は性善説で動いており、研究上の間違いに対して は寛容なところがあって(俺サマ註:数学業界はそうでもないと思うが)、 一般に「不正」と「間違い」を正確に切り分けるは難しい。また、追試が成功しない のは自分達の力が足りないからだとか、論文に肝心な部分が書かれていない のは、特許などのからみで公にできないからだろうとか、捏造を疑うべき状況 でも色々別の理由を見つけて相手を信じてしまう傾向が強い、と。

と、まあ、こんな具合で、STAP細胞の一件にまつわる問題を整理するための ヒントが沢山書かれている本である。

ライフサイエンス関連は学問の性格上特に不正が多いが、それ以外 の学問はそう心配ないだろうと高みの見物気分でいたけど、この本のは 物理学の事例である。数学もうかうかしてられないのかしら。 今や大学も成果主義に走って、Ritsの数理科学科も、 大学氷河期を乗り切りために、何か受験生や社会にアピールすることを ドカーン!と打ちあげろと上層部から尻を叩かれているけど、大丈夫かしら。

それにしても、再現実験を繰り返して失敗し続けた世界じゅうの研究者 達は、論文の捏造を疑うことなく、「自分たちの実験技術が劣っているから結果が 出ないのだ」と自分を責め続けていたという話は身につまされる。

数学の論文を読んでると、往々にしてどうしても証明のギャップが埋められない ところが出てくるが、俺サマなどは、その証明が間違っているのではなく、 自分の力が足りないからだと考えてしまうな。普通の数学者サマは、しばらく 考えて自力で証明をつけたり反例を見つけたりするそうだが、 俺サマは馬鹿だから、結局迷宮入りしてしまうことが多い。

帰宅して夕食の後、夜はまた少し数学。

2014年5月10日(土)
<<村松秀「論文捏造」を購入>>
ああ、また語学の土曜日が始まった。東山三条から東大路を上がる バスの8割は平安神宮や丸太町通りに向かうもので、百万遍まで 行くバスはごくわずかである。俺サマの学生の頃はそうでも なくて、多くのバスがとりあえず百万遍まで行ってたのだが、10年 ほどまえにダイヤが変わって、今のようになった。

まあ、普段は用心しているのだが、今日は考えてごとをしていて ぼんやりしてたので、丸太町通りに向かうバスに乗ってしまい、 慌てて熊野神社前で下車して、そこからアンチュチュまで歩いた。 まあ、大した距離でもないのだが、急いでいる時だとこの乗り間違いの ダメージは無視できない。

一体何の「考えごと」をしていたのか。永年の未解決問題を解き明かす 素晴らしいアイディアを閃き、夢中になって考えていたというのなら カッコいいのだけど、馬鹿の俺サマに限ってそういうことはない。

Ritsは昔から世間サマから色々なことが言われていて、 俺サマの子供の頃は「立ちゃんは名前さえ書ければ入れる」と揶揄され、 俺サマが学生の頃は「結婚するなら○○大、デートするなら××大、 ボディーガードは立命館」と硬派大学として鳴らし、 「痴漢、強姦、立命館」などと酷いことも言われてたようだ。 しかし俺サマがRitsで働き始める頃には、「名前が書ける」だけでは とても入れない大学になってたし、硬派イメージもずいぶん薄れていた。

しかし数年前から、教職員に対する人使いの荒さから「絶命館大学」 などと呼ばれるようになり、この俺サマもあちこちで「高山さんとこの大学、 絶命館って言われてるんでしてね?」と、憐れみの眼差しで尋ねられる ことが多くなってきた。まあ、俺サマがロクな研究成果を挙げていないのは、 過労で絶命するほど研究以外の仕事に忙殺されているからでもなくて、 単に俺サマが馬鹿だからなんだけど。

次は何と言われるのかしら?と、そんなようなことを考えてたので、 バスを間違えたのである。アンチュチュの玄関に入って窓口の人の顔を見た 瞬間、今日が返却締切の図書を忘れてきたことを思いだした。ああ、もう、 今日は「絶命館」のせいでボケボケやね。

10時から12時半過ぎまで、アンチュチュでフランス語の授業を受け、 昼食は久々に新福菜館府立医大前。帰りはセブンイレブン出町柳店で辻利の 抹茶大福アイスを買って食べ、京大ルネの自販機珈琲で「俺サマ幸せランチタイム」 完成!と思ったのだが、自販機が壊れていて、ルネ食堂の珈琲を買った。

それからルネ生協書籍部で、村松秀「論文捏造」(中公新書ラクレ)を購入。 ある所に、STAP細胞の騒動と酷似したケースが紹介されていると 書いてあったので、ちょっと読んでみようか、と。

アンチュチュの図書室に籠って、フランス語の宿題に取り組むも、 最近の宿題テンコ盛りぶりは相変わらずで、復習まで手が回らず。

16時40分から18時10分頃まで、寺子屋にてドイツ語の授業を受ける。 先日忘れた授業料を支払う。

帰りは、大丸ラクト山科店で今月のおススメ赤ワインを1本買って帰宅。 夕食後は、フランス語の復習も数学も放り出して、「論文捏造」に読みふける。

2014年5月9日(金)
<<実および複素1次元射影空間>>
大丸ラクト山科店で昼食用のパンを買って、昼前に出勤。 研究室での昼食を挟んで学科長関係や「営業」関係の雑用を色々。

少子化に伴って氷河期に突入した大学が受験生確保に奔走し、 同じく少子化にあえぐ高校側の思惑など色々あって、 夏休みなどに集中的に行うオープンキャンパスの他にも、 高校に出張授業をしに行ったり、大学にやってきた高校生に 模擬授業をやったりという「営業」の仕事がこの10年ぐらいで めっきり多くなった。

理工学部だけでも毎月2、3件入ってきて、各学科持ち回りで 講師の選定・派遣をしている。たぶん数理科学科でも、この1年で 過半数の先生が、何かしらの形でそういう仕事に関わることになる。

新しい学部学科ができると、いくつかの高校を訪問して、進路指導 の先生などに新学部学科の宣伝をすることもあって、俺サマもいくつか の高校を回ったことがある。特に数年前までは、全国的に 新学部学科の新設ラッシュが続いていて、どこの大学でもそういう仕事が 多かったと思う。高校の方としては、次から次と色々な大学の先生が訪ねて くるので、本来の仕事にも支障をきたしたりして、かなりうんざりしたご様子 だった。俺サマも「どこの大学も似たり寄ったりな話ばかりで、もう聞きた くないから、早く帰ってくれ」と言わんばかりに、露骨に嫌な顔をされたこともある。

出張模擬授業も、やり始めの頃は色々混乱があったらしく、 大学の講義や会議のスケジュールをやりくりして、半日潰して出向いても、 現場の高校の先生の方も、やはり授業計画など色々やりくり して苦労されていて半ば迷惑顔な上に、生徒達もロクに講義を 聞かず半分以上が寝ていたり、教室が私語の嵐だったり というケースが相次いだ。講師として出向いた教授達が「あんな無意味な 出張授業など、二度とやらない!」と怒り狂っていたものである。

それやこれやの経験を経て、最近は学部学科の新設ラッシュも一段落 し、教授達が遠くの高校に出向いて慣れない営業トークをしに行くことも少なくなり、 模擬授業や出前授業なども、意欲や興味のある生徒だけを対象にしたものに 変わりつつあるようだ。

14時から16時前まで卒研ゼミ。今日は実1次元射影空間と複素1次元射影空間が、それぞれ円周と球面と同一視できること。広中先生の講義録は、流石フィールズ 賞受賞者は違うな!と思わせる具体例が随所に現れるそうで、俺サマもそれを楽しみに しながら学生達と一緒に読んでいる。今日の1次元射影空間の扱いも、何でもないこと だけど、他の教科書には見られないような「はっ」とするようなものだった。

ゼミの後、また少し学科長の雑用をしてから帰宅。夕食を挟んで、明日のドイツ語 の予習。

最近の俺サマは、STAP細胞関係の騒動を注意深くみているが、 それにしても、論文不正で懲戒免職って、えらく厳しいもんだなと思う。 この業界で言うところの論文不正に相当するものは、数学業界には ちょっと見当たらない。他人の論文の丸写しという不正は、世界的には ちょくちょくあるようだが、日本では聞いたことがない。 論文に書かれている定理や証明が間違っているとか、誤解しやすい書き方が してあることは珍しくないが、そういう論文を書いたからという理由で大学を クビになった数学者の話なんて、聞いたことがない。

数学の論文の正当性は、その論文だけをよく読めば(原理的には)わかるはずの ものだし、数学の発見が巨大利権に結びつくことも稀である。そういうことが、 論文不正やそれに対する処分ということが、数学業界ではほとんど話題にもならない 理由ではないかと思う。

2014年5月8日(木)
<<午後は講義、ヨガ、学科長の仕事など>>
大丸ラクト山科店で昼食用のパンを買って、昼前に出勤。 研究室で昼食の後、13時から14時半まで、2回生「代数学序論I」の講義。 今日は有限巡回群の定義、具体例、生成元と関係式による記法を導入した後、 定理として、有限巡回群の元が生成元になるための必要十分条件の証明をし、 これが1の原始n乗根のところでやったことと本質的に同じ議論だということを 注意する。次回は今日証明の最後で大急ぎでやってしまったところに追加説明 をした後、ユークリッドの互除法の話をし、今日やった定理の別証明を与える 予定。

講義の後、研究室に戻ってひといきついてから、大学を発つ。帰宅して、 夕食の前に来週以降の構造数理セミナーIの演習問題をつくる。 夕食後は、ラクトスポーツプラザ。今日は骨盤矯正ヨガと有酸素運動。

ヨガが始まる直前、受講生と先生が、「どこでもドアがあれば、仕事が 終わってすぐにここに来れるからいいな。そのうち出来るかも?!」 なんて話をしていた。 でも、そんなものが出来たら、それはそれでシンドイと思う。 出張先で羽根を伸ばしてたら、上司から「すぐ会社に戻れ!」と電話が 掛ってきて、「ええっ?今スグと言われても今、出先ですし、、、無理です。 明日朝一番で駆け付けますから」なんて言い訳ができない。 「どこでもドアがあるだろう!?四の五の言わず、今スグ戻れ!」 と。

まあ、こういうのは携帯電話が普及してから、どこに居ても電話一本で 仕事の指示が飛んでくるようになったとか、電子メールが普及してから、どこに 居ても「学科長あれしろ、これしろ、今スグしろ!」メールが 届くようになったのと同じで、便利になると、その分せわしくなる。

帰宅後は少し数学でもと思ったが、学科長のゴタゴタした仕事が舞い込んで 来たので、あちこちメールを出して対応。さらに夕食前につくった演習問題 を仕上げて、担当の助教の先生にメールで送付。

STAP細胞の論文不正事件で、今日理研が最終結論を出し、夕方記者会見して いた。ネットニュースで読者の反応を見ていると、匿名のコメントのほとんどは 論文執筆者悪者説で、フェースブックからのコメントのほとんどは理研悪者説 と、見事に分かれているのが印象的。前者は、論文執筆者の科学者としての 態度を批判し、後者は、若いかわいい女の子を薄汚れた権力者・権威者たちが 寄ってたかって苛めるのはけしからんと言う。

まさか同じ人が、フェースブックから理研悪者説を投稿して、 匿名では論文執筆者を厳しく批判する投稿をする、 なんて器用な使い分けをしてたりは、、、しないよね。

2014年5月7日(水)
<<午前は講義、午後は院ゼミ>>
午前中は「複素解析学I」の講義。今日は複素対数関数の定義を示し、 それが多価関数であること、リーマン面の考え方を使って一価関数と できることなどを説明し、複素積分の話に入り、複素平面上の曲線上 の積分を考えるために、まず実数直線の区間上の複素数値関数の積分 を定義する。以後の色々な話は次回以降で。

対数関数の話をしていた時、少し妙なことを話してしまい、 後で学生から質問を受けて、次回訂正することとなった。 いかんなあ。。。訂正方法を 考えているうちに、ちょっと面白いこともわかったので、それも含めて 次回話そうかと思う。

俺サマの場合、初めてやる講義というのは、いつもそんな感じだけど。 今のうちに宣言しておく:俺サマの「複素解析I,II」の講義は、いつボケをかます か知れたものではないから、よーく注意して聞くように!って、俺サマの 学生たちはこんなブログ読んでねーから、関係ないけど。

もう10年以上前のことだが、俺サマが最初で最後の線形代数の講義 (数理科学科の)を担当したとき、何をとち狂ったのか、「転置行列は 対角線に沿って折り返すようなものだから、正方行列に対してのみ定義 される概念だ」と寝言を口走ってしまった。経験の浅い段階で、 アドリブで学生に分かりやすい説明をと思ってやっていると、その場の勢いで、 普段は全然思ってもいないようなトンデモ系のボケをかましてしまう。

一応断っておくが、俺サマはその講義の前にも後にも、可換環論の 研究の中で正方行列でない転置行列は扱ってたのだが、何故講義の時だけ あんな寝言を言ってしまったのか、今でもよくわからない。

この話には余談があって、この講義の後、「先生、黒板の上に書かれた 正方行列なんて、折り返せるわけないじゃないですか。黒板の面の向うに まだ空間があるわけないのに!」と、大真面目に抗議してくる学生 が居て、なかなか凄い奴が居るなと感心したものである。

それはともかくとして、俺サマの寝言の件だが、当時、 俺サマを目の敵にして鵜の目鷹の目で、何か数学的にヘマを やらかさないかと、常に着け狙っている同僚教師がいた。 まあ無理もない話で、数学科大学院落ち学卒メーカー勤務の計算機屋上がり のどさくさ紛れ情報系教員のフンザイで、畏れおおくも数理科学科で数学を 教えて、天下取ったような顔している俺サマを見て、虫唾が走らない数学者が居たとすれば、そいつは きっとモグリである。

それで俺サマの寝言は格好の攻撃材料となり、 「ほら、高山はこんな寝言を言う位だから、数学なんてテンデ何もわかって ない出鱈目な奴だ!こんな奴に数理科学科の教員が務まるのか?!」と 騒ぎ立てられたものである。懐かしい思い出だなあ。。。

まあ、今日のヘマも、それと同じぐらいの罪深い寝言なので、現在深く深く反省 しているところ。え?その先生がまた「ほら、高山はこんな寝言を言う位だから、、、」 と騒ぎ始めてないかって?いや、もう定年退職してしまったから、いいのよ。 それに、そのずっと前にその先生と血みどろの金網デスマッチやって、円満に手打 したので、たとえ定年前だったとしても(たぶん?!)大丈夫よ。

でも、「手打ち」の前のその先生は、今も俺サマの心の中に(トラウマとして?) 生き続けていて、四六時中「馬鹿の高山!高山の馬鹿!」と耳元で囁き続けているから、 なかなか大変なのである。

そういえば俺サマの学生時代の指導教官ってのも、数年前にクタバリやがったけ ど、馬鹿の俺サマにとってはとことん底意地の悪い人だったな。 本当に素晴らしく頭のいい人で、そういう人は馬鹿の考えそうなことは全部 お見通しらしく、 俺サマの弱点を知り尽くした上で徹底的に罵倒し続けてたし、 俺サマが大学教師になってからも、「何でお前みたいな馬鹿が、 そこでチョロチョロしてるんだよう?!」みたいな感じだった。 その先生も、まだ俺サマの心の中に生き続けてるんだよね。もう、たまらんわ!

まあ、そういう人が居てくれないと、俺サマなんてのはどこまでも堕落してしまうし、良き生涯の師に恵まれたものだと思っているけどね。生涯の師に恵まれて ているのに、何故か俺サマの性格はどんどんいじけてくる。 しかし、これでいじけているようで は駄目で、昨日結婚した若い先生などは、指導教授が「彼の院生時代は数学が嫌いに なってもしょうがないと思うぐらい徹底的に厳しく指導した」(おー、怖!) にもかかわらず、超ポジティブ・シンキングで全く意に介せず元気に数学に励 んでいたそうだ。若くてもエライ人ってのは、やっぱ、違うね。

まあ、数学者として生き残るには、超優秀か ドSか超ポジティブかのいずれかであることが必要で、俺サマのように馬鹿な上に 「まるで身を削るかのように日に日にひねくれていく」ようでは駄目なのである。

昼休みは、研究室で少し学科長の雑用の後、生協で昼食。その後、14時から 16時前まで留学院生ゼミ。今日も「部分集合と集合の要素の違い」に始まり、 「位相空間とは何か」「可換環が整域とはどういう意味か」 「単項イデアル整域とは何か」「ユークリッド環とは何か」 「ハウスドルフ空間でないとはどういうことか」「ザリスキ位相が何故ハウスドルフ ではないのか?」といった話に終始する。

どうも学部学生時代に位相空間論をまともに学んでないようで、 それで代数幾何をやってって大丈夫かな。まあ、俺サマはその場で何だって 教えちゃうし、現場で覚えていってもらうしかないな。

ゼミの後、研究室に戻り、少し学科長がらみの雑用をやってから、 すぐに帰宅して夕食。夜はすこし数学。

2014年5月6日(火)
<<結婚式と披露宴>>
早起きして結婚式場へ。結婚するのは俺サマではなく、大学の同僚。 10時から宗教色なしの人前結婚式。こういうのは最近の流行りかと思いきや、 俺サマより上の世代の、戦後民主主義が輝いて見えた時代のカップル には多いとか。式は40分ほどで終了。記念写真撮影などあって、 11時から13時半頃まで披露宴。お相手の方は今日初めてお目にかかったけど、 なかなか良さそうな人で、「こりゃあ、いいカップルだな」と思えた。 末長くお幸せに。

帰りは歩いたりバスを逃がしたり、色々やって、結局タクシーを拾って 14時過ぎに頃に山科に戻る。

若い頃はそうでもなかったが、大学教師になって以後、特に 数学業界に移ってからの俺サマは、仕事がらみの社交の場が大嫌いなった。 特に数学者が同席する飲み会、懇親会の類はごくわずかの例外を除いて 出席しないことにしているのだが、結婚式や披露宴に呼ばれたとなると、 流石に断るわけにもいかない。「いっそのこと断ってしまえばどんなに気が楽か」 とさんざん逡巡したあげく、苦渋の決断で締切ギリギリに出席届をだした。

それでも、いざ出席してみると、式も披露宴も実に周到かつ上品 にオーガナイズされてたし、披露宴の料理はとても美味しかったし、ワインも 美味かった。それに、新郎新婦ともニコニコと幸せそうにしているのを 見ると、こちらも何だか幸せな気分になってきたし。 やっぱり、最後に挙げた、新郎新婦ニコニコが決め手かな。これ一発で全てOK! 「ええもん、見せてもろた」と。 まあ、結婚式というのは、そういうものだな。

しかし昼間から酒を飲むなどという非日常的なことをしたので、 すっかり調子が狂ってしまった。酒の酔いはすぐにさめたが、気分の歯車が狂った ままって感じだったので、日常の感覚を取り戻そうと、まだ日の高いうちに山科区内 を散歩。それでもまだ半分ぐらいしか回復しなかったが、夕食後、すこし数学を やったら、かなり気分が元にもどった。

2014年5月5日(月)
<<地獄の特訓筋トレ>>
午前中は自宅で少し数学。それから、雨がしとしと降ってはいたが、 散歩がてらに山科区内を歩き回り、食材やら酒やら色々買い物。途中、 その辺で適当に昼食も。帰りはコンビニでアイスモナカを買って食べた。

帰宅して午後も少し数学。夕方、早めにラクトスポーツプラザへ。 ストレッチ、筋トレの後、軽く有酸素運動。その後、楽しいZUMBA. 今日の受講生は男ばかりだからという理由(?)で、最後のサービスメニュー として、腹筋、背筋、側筋トレーニングが10分ほど行われた。

俺サマは事前の筋トレメニューの中で、もう十分腹筋と背筋をやった後なので、 これはなかなかキツく、半分バテていた。 帰り際にインストラクターさんに「キツかったですか?」と聞かれたので、 「ええ、地獄の特訓みたいでした」と答えておいた。

帰宅して少し遅めの夕食。通常、スポーツプラザに通う月・木曜日は 休肝日なのだが、今日は夕方大丸ラクト山科店で買ってきた、今月のおススメ お買い得アルゼンチン赤ワインの試飲を一杯だけ。 うん、まずまずイケてるんでねーの?って感じ。

夜はまた少しだけ数学。

2014年5月4日(日)
<<柏餅の一気食い>>
午前中は京都新聞日曜版の2つのパズルを解いてから、野暮用を少し。 そうこうするうちに昼になった。少し数学の後、昼食。

昼食の後、STAP細胞関連で少しネットサーフして、 分子生物学会会長のページにたどり着き、色々見てみた。 STAP現象を仮定しないと説明がつかない 実験データがあるという、理研の某シニア研究員の記者会見は、 素人の俺サマなどは「なるほど科学者らしいきちんとした説明だな」と思ってし まったけど、専門家の間では「記者会見で挙げられていた3つ理由のうち2つは 周知の通り論外、最後の1つもSTAP現象以外の理由で説明 した方が自然かもしれない」という議論になっていることにちょっと驚いた。

まあ、科学における画期的発見は、その時代の科学者の常識を覆すところから 出てくることが多いようだから、どちらの意見が正しいかは、 俺サマとしては何とも言えないな。

それ以外に、「『(渦中の)Oさん、可哀そう。STAP細胞はきっと あるのね』」という風に受け止める人達と科学者とは、世界の捉え方が根本的に 違っていて、科学を科学者以外の人々に伝える難しさを痛感するというような ことも書かれていて、それについては俺サマも同感である。

科学者たちは、世界の捉え方が根本的に違う人達と まともに付き合わなければならない機会が益々増えてきて大変である。 今回のSTAP細胞の騒動でも、敏腕弁護士なる人々が介入し、 「世界の捉え方が根本的に違う人達」を味方に引き込み、およそ 科学とは関係ない世界に話を持っていく戦略に打って出てきているので、 益々大変だと思う。

しかし、こういった経験を経て、科学者たちが、非科学的な論理に 押しつぶされるのではなく、むしろ、自分達のやっていることの意味や意義を 世の人々に説得する論理をさらに鍛え上げることを期待する。と、他人事の ように言い放っておこう。

まあ、数学業界でも「学校を出てから2次方程式を解く必要性はほぼ皆無だから、 数学を勉強する意味などない」式の論理のおかしさを如何に論破するか、しばらく 議論があったな。色々な人が知恵を出して色々世の中にアピールし、 最近は数学に対する風当たりはかなり弱まったような気がしてるけど、 実際のところどうなのかはよく知らない。

俺サマとしては、世間の数学に対する風当たりよりも、馬鹿が大嫌いな 数学者たちの、馬鹿の俺サマに対する風当たりの方が、余程切羽詰まった問題なので、 数学業界全体のことを考えてる余裕などない。それに、俺サマのことを 馬鹿だと思ってる人達の業界のことなど知ったことか!でも、この業界が本当 に潰れてしまったら、そこに寄生して食いつないでいる俺サマもやりにくくなる から、おおっぴらに「糞食らえ!」とは言えないし、などという、 学問に対する謙虚さの欠片もない俺サマである。

だから「科学者も数学者も、せいぜい頑張ってくださいね。貴方達がコケたら、 俺サマも色々やりにくくなるし」と投げやりな声援を送るという、かなり志の低い スタンスにとどまっている。

そういえば、俺サマは昔から志が低い。国立研究所に勤めていた頃、 先輩と雑談をしていて「高山さん、それはあまりにも志が低過ぎはしませんか?」 とたしなめられたことがある。それから少し経った頃、フランスから客員研究員で 来ていた偉い先生にも、「貴方は志が低すぎる!科学者たるもの、もっと視野を高 く持って、open mindでなければならない!」と一喝されたことがあったな。 あれからかれこれ20年以上の間、奮闘努力してきた積りだけど、 雀百まで踊りを忘れず、高山死ぬまで志低し、である。

♪奮闘努力の甲斐もなく〜、今日も涙の〜、今日も涙の陽が落ちる、陽が落ちる〜♪

昼食の後、またしばらく数学。

夕方、ラクト山科や近所のスーパーなどに食材や柏餅を買い出しに行き、 帰宅後夕食。食後のデザートに柏餅を食べてみたが、昔食べたものよりもずいぶん 小さくなっていた。ちょうど消費税アップ分ぐらいは小さくなっていて、 2個買って1個は明日の朝と思っていたが、2個とも一気食いしてしまった。

俺サマは子供の頃、「ちまき」が大好きで、5月の子供の日が楽しみだったが、 今回、ちまきは柏餅の倍の値段がしてたので見送った。あれは要するに縁起物であって、 笹の葉か何かで包んである分値段が張るだけで、中身はほんの少しで、要するに 甘い味がついている団子である。だから、普段はちまきの半額で売っている三色団子と 同じではないか、と。かようにオッサンになると、身も蓋もないことを考えてしまうの だが、兎に角柏餅は美味かった。

夕食後はすこしのんびりして、数学はほんの少し。

2014年5月3日(土)
<<晴天に恵まれGWの街に出る>>
いやあ、語学学校に行かなくてよい土曜日って、最高ね。午前中は自宅で数学。 午後は街に出て、まずは新福菜館府立医大前店で昼食の後、上島珈琲寺町通店に籠り、 夕方頃まで数学。

隣の席に女二人組が来て、話の内容や話し方から考えて、どうも30前後の ヤンママだなと思ってた。しかし、ふと彼女らの方を見ると、俺サマとあまり 変わらない年格好の地味な感じの女達であった。ああ、そういえば昭和の 昔、こんな歌が流行ったな。

♪...だから、一人でも寂しくない。若いって素晴らしい♪
いや、このヤンママ風熟女のこととは、あんまり関係ないけど。

「若いって素晴らしい」といえば、 彼女らが去った後、もう少し若そうな別の女二人組が来て、スマホか何かでゲーム に興じてるようだった。「今度の講義、どうなるかなあ」みたいな会話の内容や、 一方の女の、女子大生によく見られる、ちょっと気どった賢こそうな少年風の 話し方からして、やっぱり女子大生なんだろうなと思ってふと彼女らを見ると、 なんとなくアラフォーっぽい感じ。ははあ、社会人学生?と一瞬思ったが、 アラフォーの社会人学生がスマホのゲームに興じるのかね?とどうも疑問で、 単にメイクの感じが年寄りっぽいだけじゃないかという結論に達した。

上島珈琲を出て、JEUGIA三条本店を偵察。1階フロアで楽器体験コーナー というのをやっていて、中学生か高校生ぐらいの女の子二人が、店員さんに 指導してもらいながらヴァイオリンを触らせてもらってた。彼女らのわくわくして 楽しそうな表情が印象的だった。まあ、俺サマもああいう顔する時はあるな。 例えば、たまにドイツに出張して、あの独特の街並みを目の当たりにすると、 おおおーっ、ドイツ、キタ――――ッ!って感じで、あんな顔してるはず。

2階のフロアでいくつかCDを試聴したが、特に収穫はなし。

今日はカラリとした気持ちの良い天気にも恵まれ、ゴールデンウィークの 河原町三条は大変な人出。まあ、俺サマは賑やかなのも好きだけど、 そこそこで切り上げて、 大丸ラクト山科店で5月のおススメ白ワインを1本買って帰宅し、 早速冷蔵庫で冷やし始める。

ワインがそこそこ冷えた頃に夕食。夜はまた少し数学。

2014年5月2日(金)
<<新任教員歓迎昼食会>>
いつもの金曜日よりも早めに自宅を出て、山科駅前の銀行で両替をして 百円玉をいくらか確保してから大学に出勤。11時頃に大学に到着し、 学内某施設へ。12時から数理科学科の新任教員歓迎昼食会があるので、 その準備。

まずは1階フロントにて、会場になる3階のラウンジと同じフロアにある湯沸し室の鍵と魔法瓶2個を受け取り、ラウンジへ。テーブルなどの配置を確認・調整の後、 湯沸し室へ。ここで温水器のお湯をさらにガスコンロで沸かして 魔法瓶に入れる。それと並行して、設置されている埃だらけの 湯呑と茶卓を洗おうとしたら、洗剤が空で布巾が無いことに気づき、 1階フロントに取りに行く。

茶器の準備がほぼ完了しつつあるところで、予定の11時40分よりも 早めに、注文していた弁当が届いたとフロントから内線電話が入る。 俺サマ一人で取り込み中だからということで、弁当は施設の人に持ってきてもらう。 弁当が届き、代金を立て替え払いし、さらに湯沸し室でゴソゴソ、ラウンジでゴソゴソ やったあと、施設を出て学科のある建物に戻り、数物事務室に昨日のうちに お願いしてあった茶葉セットを取りに行って戻った時には、既に12時前。

それからちょうど良い按配に、三々五々新任教員や学科の先生達が集まって きて、12時過ぎから昼食会開始。招待客の新任教員以外は会費制なので、 お釣りのために朝、百円玉を大量に確保しておいたのだが、皆さん端数 ぴったりを用意されていて、結局準備した百円玉を使う必要はなかった。

13時20分頃には全て終わって皆さんが去り、 俺サマは会場となったラウンジや弁当の殻箱や茶器をちゃちゃっと 片付けて施設を出る。

やれやれ、これで学科長として最初の懸案だった新任教員歓迎昼食会も、 なごやかな雰囲気の中、無事に終わった。 昼食会の弁当がちょっと軽かったので、生協コンビニで前から 目をつけていた抹茶モナカアイスを買って、それを食べながら14時前に 研究室に戻る。

14時から卒研ゼミ。今日は射影空間の線形部分空間の特徴付け、射影空間の 斉次座標、斉次多項式の射影空間における零点の概念、1次元射影空間が 円周とみなせること、などをやって、15時45分頃に終了。

この卒研ゼミは4回生以外にも、3回生や修士の1回生も参加しているが、 まあ、それぞれバックグラウンドは多少違ってても、代数幾何学を1から勉強 し始めていることでは一緒だから、いいのである。社会に出たら、そういうことは ごく当たり前にあることだし、俺サマも全員まとめて面倒みられるから、 楽チンだし(と、またまた悪徳教師の本音を垣間見せる)。

それから研究室に戻って一息つき、研究室に置いてある本を ひっくり返して調べものなど。

17時25分から18時過ぎまで、昼食会にも来ていた新任教員が講演する 談話会があったので、それを聞きにいく。

俺サマは馬鹿だから、あちこちの研究集会やセミナーを聞きに行っても、 「私は馬鹿でございますから、馬鹿が大嫌いな数学者さまのお邪魔にならない よう、これ、このように隅っこで息を潜めております。 何とぞ『馬鹿は去れ!』と石もて追うようなことだけは、ご容赦いただければ幸 いです、ハイ」みたいな感じで座敷童している。

その反動だか何だか自分でもよくわからないが、Ritsの数理科学科 での俺サマは滅茶苦茶威張り倒していて、修士論文公聴会とか学内の談話会では、 平気でガンガン馬鹿質問する。講演の疑問は本人に質問すれば一番 よく分かるし。今日もガンガン馬鹿質問して、よく分かった気にはなれた。

談話会の後、すぐに帰宅して夕食。夜は数学は控えめに、すこしのんびりする。

2014年5月1日(木)
<<講義とその準備、学科長の雑用>>
大丸ラクト山科店で昼食用のパンを買って、昼前に出勤。 研究室で昼食の後、来週の講義に関連して少し複素解析の勉強。

13時から14時30分まで、2回生「代数学序論I」の講義。 今日は1の原始n乗根の話。原始3乗根をさらっと復習し、 6乗根の話をし、複素数の積が偏角の和になることを証明して 長さ1の複素数の冪の記述を与え、X^n-1=0の根を表示。 さらにそれらのうち、原始n乗根になる場合の必要十分条件 を与え、その証明を最後の5分で大急ぎで片付ける。

講義の後、研究室に戻り一息ついてから、また少し複素関数論 を勉強したり、調べものをしたりと、ごそごそやってから、 次回分の「代数学序論I」の講義メモ作り。 どうも「最後の5分で大急ぎ」ってところが 気になるので、次回はn次巡回群を生成元と関係式で与えた 抽象化された設定で、同じことを丁寧に証明し直すことにした。 それ以外にも、巡回群の部分群の構造などの話も準備したので、 講義2回分ぐらいか、と。

夕方、大学を発ち、大丸ラクト山科店の今月のお勧めワインを チェックしてから帰宅して夕食。夜はラクトスポーツプラザへ。 今日は久々の骨盤矯正ヨガをやってから、有酸素運動。

帰宅してから、学科長の雑用を色々。連休明けにやるべきことを を「学科長なんでもノート」に纏めたり、あちこちにメールを 書いて送ったり。